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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山の貝母(バイモ)が開花。カンスゲとタチツボスミレに桜も開花 2022の春(妻女山里山通信)

2022-04-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が16度。高気圧の東の縁を回って北風が吹いたので花冷えの一日でした。週末は気温が上がるので開花は土曜日かなと思いましたが、なんと開花しました。

 開花したのは、上の入り口から入って左側にある西向きの緩斜面。毎年ここの貝母が真っ先に芽生え開花します。下から見上げると和名の編笠百合の意味が分かると思います。古名は母栗といい、万葉集にも一首歌われています。また、満開の頃に紹介します。

 10時頃に観た時は、一輪だけ咲いていたのですが、昼頃には次々と咲きだしました。

 基本は、花びらが6枚、雄しべが6本に雌しべが中央に1本ですが、探すと花びらが8枚、雄しべが8本なんていう花も見つかるかも知れません。

 貝母の花は、下の方から咲き始めます。

 陣場平中央の貝母も週末には咲き始めるでしょう。

 太いクヌギの林床にも貝母の群生地があります。種がこぼれる頃の東風(こち)で西へ飛ばされて増えたものです。

 林内の貝母は、日陰になる時間もあるので、中央部より開花が遅れます。その分長い間花を愛でることができます。満開の見頃は、その後の気温もありますが、15日から25日頃と思われます。

 女性二人が来訪したので、ヤマエンゴサクの群生地を紹介しました。まだ咲いていない株も多いので、これからしばらく楽しめると思います。

 シダ植物のイノデ(猪の手)の新芽。ゼンマイではありません。不食。シダ類は、ワラビ(蕨)、ゼンマイ(薇)などが食べられますが、いずれも発癌物質を含むので、充分なアク抜きが必要です。

 カンスゲ(寒菅)カヤツリグサ科スゲ属。妻女山では、林道ののり面や日当たりの良い尾根筋で見られます。

 妻女山展望台の下にタチツボスミレ(立坪菫)が咲いていました。葉はハート型ですが、長葉も見られます。

 茎には毛が生えています。もっとも普通に見られるスミレです。妻女山では、探せば斑入り(赤)のスミレも見られます。スミレ属も、アリ散布植物です。ケマン属、オドリコソウ属、カタクリ属など200種におよびます。アリ散布植物とは、種子散布をアリに依存する植物で、種子表面にエライオソーム(elaiosome)とよばれる誘因物質をもち、アリは表面の糖分を舐め取り、残りを捨てることで種まきになるのです。

 妻女山公園のソメイヨシノが咲き始めました。森のあんずは週末には満開になるでしょう。貝母とソメイヨシノは、いつも同じ頃に咲き始めます。

 妻女山展望台からの眺め。赤坂橋の奥に武田信玄が本陣とした八幡原(はちまんぱら)が見えます。その左向こうに拙書で紹介の上杉謙信の髻山(もとどりやま)。カタクリとセリバオウレン、シロバナオドリコソウの群生地があります。ずっと右に雪が残る高社山。拙書でも載せていますが、GW頃は様々な花が咲き乱れます。手前の千曲川の堤防では菜の花(セイヨウアブラナ)が咲き始めました。4月17日は長野マラソンですが、桃の花が咲いているでしょう。

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