2時間ほど時間が空いたので急いで山へきのこ狩り。こんなことができるのも信州ならでは。ザックも背負わず熊鈴もつけず、柄の長い鉈鎌を杖代わりに紫占地のシロを駆け足で三つ回りました。普段なら山道を使うのですが、時間節約のために最短距離をブッシュをかき分けて突進。こんな時は獣道が役に立ちます。
狙い通りわずか1時間半ほどで30本以上の紫占地をゲット。おまけに免疫力アップのマンネンタケも1本採りました。雨は1週間前に降っただけでしたが、夜霧が発生するため山は湿り気があります。ポイントさえ知っていれば採れるわけです。今回は時間がなかったので、もう二つ三つあるシロはまわれませんでしたが、明後日から雨なので、また出るはずです。
この紫占地、フランスではピエ・ブルーといって栽培もされている高級食材です。以前も書きましたが、土臭いと嫌う人がいます。当地のものはその臭いがないように思います。東京、神奈川、山梨の紫占地も食べていましたが、やはり当地のものが一番癖がないような気がします。土壌の違いか気候の違いか、樹種か、はたまた他の理由かわかりませんが…。自分の山のものは若いうちに採れるのもあるかもしれませんが。ただ、老菌に枯葉が舞い落ちて、霧や雨でべっとりつくと枯葉臭くなります。幼菌にはその匂いはありません。いずれにしても旨味のあるいい出汁がでます。
ですから、最も紫占地の旨味を堪能できる料理は、豆腐とのおすましなのです。あとは鍋物や炊き込みご飯に。そして、フレンチで使われるくらいですから、乳製品との相性も抜群です。バターソテー、グラタン、エビやホタテとブロッコリーのクリームパスタ、シチューやスープに。生魚とマリネしても美味です。また、カリウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが含まれる栄養食品でもあるのです。但し、生食は厳禁です。中毒します。
落葉分解菌なので原木栽培はできません。わが家の森では紫占地の菌を蒔いて発生させています。かなり厚めの落ち葉の層が必要で、豪雨で流され表土が露出するようだと出ません。白に薄紫色のきれいな菌糸の膜を張り、シロを形成します。大きな菌輪を作るので、大発生すると紫色の大きな輪ができます。その美しさは、まさに森の貴婦人のようです。
写真の右にあるのは、霊芝(マンネンタケ)です。免疫力をアップして制癌作用があると注目されている希少なきのこです。焼酎漬けにしたり、削ってお茶にして飲んだりしています。
★新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。時候坊料理のレシピやブナハリタケ、マスタケなどのレシピもあります!