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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

たった一晩の豪雨で妻女山の雪が消えた。そして吹雪…(妻女山里山通信)

2016-02-15 | アウトドア・ネイチャーフォト

 12日(金)の妻女山展望台(左)。14日(日)の展望台(中)。13日夜半から14日朝まで15ミリほど降った雨で、一晩で雪が消えました。前の記事で書いた泉のカーブも大丈夫。妻女山から斎場山へ行く林道も10~20センチの残雪があったのですが、ほとんど解けました(右)。ギックリ腰後の坐骨神経痛が思わしくなく、動くのがきついのですが、最高気温15度ということで無理をして山へ。登る速さはいつもの半分ぐらい。途中落枝が三ヶ所ほどあり片付けながら登りました。体力がないので上杉謙信の本陣と伝わる斎場山(旧妻女山もしくは本当の妻女山。山頂は古代科野国の円墳)はパス。長坂峠の分岐を左へ。

 まず上杉謙信が陣小屋を七棟建てたという陣馬平へ(左)。場所によっては30センチぐらいあった残雪もご覧の通り。雪の下からは芽吹き始めた貝母(編笠百合)が(中)。春の儚い命、春の妖精と呼ばれるスプリング・エフェメラル。ゴールデン・ウィーク前頃に満開になります。オオカマキリの卵も雪が解けて姿を現しました(右)。その年の積雪量に合わせて卵塊の高さを変えるという説は間違いだそうです。この卵も雪に埋まっていたものです。雪に埋まったぐらいでは、中の卵がダメになることはないということです。

 下って堂平大塚古墳へ(左)。古墳の南側の斜面には福寿草が咲き始めています。古墳の近くの紅梅も咲いていました(中・右)。平安時代には、「色は紅梅、香りは白梅」といわれていたそうですが、実際白梅に比べて紅梅は香りが薄いです。セイヨウミツバチが盛んに吸蜜していました。以前見られたニホンミツバチは、ネオニコチノイド系農薬の空中散布で姿を消しました。十数種類いたゼフィルスも全滅です。
「紅梅の 落花燃ゆらむ 馬の糞」(蕪村)

 古墳から見下ろす千曲川の河川敷もすっかり雪が消えました。この日、息子が白馬八方尾根スキー場に行っていたのですが、なんと雨が降ってきたそうです。

 日当たりの良い斜面では、ミヤマキケマンやミヤマハコベ、アオイスミレの小さな葉が見られます。オオイヌノフグリもあちこちで咲いています(左)。地面に落ちていた透かし俵と呼ばれるクスサンの繭(中)。これは蛹が入っていたので持ち帰ることにしました。幼虫は10センチもあり、昔はこれを引きちぎって中の5mもある絹糸腺を取り出し、酢に浸けて強度を増して釣り糸として使ったそうです。私が子供の頃は既にナイロンのテグスが普及していたので使ったことはありませんが。体力が落ちているので息を切らしながら、いつも最初に蕗の薹が出る斜面へ(右)。まだ小さめですが30個ほど採れました。蕗味噌にしましたが、ご飯のおかずにも酒の肴にも最高の早春の恵みです。

 気温は高いのですが、風が出始め冷えて腰痛と神経痛に加えて偏頭痛も出始めたので、妻女山展望台へ戻りました。風雲急を告げるような怪しい雲行きです。西にそびえる北アルプスは稜線が見えません。よく出会うコーギー連れの老人と談笑。娘さんが山好きなので拙書も紹介しましたが、実際は体調が最悪で結構辛かったのです。そうは見えなかったと思いますが。帰宅してすぐに倒れこみました。
 雪が消えたのは嬉しいのですが、それより株という博打につぎ込んで年金資産が9.4兆円も消えたほうが私は気になるのですが。しかも誰も責任を採らない。マスコミも責任を問わない。異常な国ですね。

 北にそびえる飯縄山。結局この冬は山全体が真っ白になることは一度もなく終わりそうです。AC長野パルセイロのホームスタジアムも、シーズン前なので静かです。前夜からの雨で、千曲川もかなり増水していました。翌月曜日の午前中は積もらなかったものの猛吹雪。夕方になるに連れて気温もぐんぐんと下がり、火曜の朝の最低気温は、マイナス9度の予報。なんと気温差24度!体が持ちません。本格的な春が待ちどうしい北信濃です。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。陣馬平への行き方や写真も載せています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。その山の名前の由来や歴史をまず書いているので、歴史マニアにもお勧めします。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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