ここ数週間に何度かゼフィルスの饗宴を追い求めて森を歩きました。それをトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】にアップしました。
シジミチョウは、湿度が高いと樹の高いところを飛び、なかなか下におりてきません。雨上がりも地上近くは湿度が高くおりてきません。日が昇り乾燥してくると活性も上がって地上近くで舞い始めますが、今度はなかなか留まってくれず撮影できません。留まれば留まったでニジニジと回転してそっぽを向いたり、葉の裏に隠れたりと、なかなか撮影させてくれません。
それでも、陽が上がると活性は下がって葉の上や裏に留まって休むようになります。それを辛抱強く待って撮影にこぎつけるのです。小さくてメタリックに光る羽は、限りなく美しいのですが、留まるとめったに開いてはくれません。カメラマン泣かせの小悪魔なのです。
彼らも樹冠では鳥に襲われたり、樹上ではツリアブ、樹下ではトカゲなどに狙われたりと大変なのです。今回もはねが欠損した個体を見ました。オスだと縄張り争いもあります。
今回は、その集大成をフォトルポにまとめました。もちろんゼフィルス以外の蝶や昆虫に花や樹木の写真も満載です。北信濃の梅雨の季節の豊かな自然を、ぜひ堪能してください。
いつものトレッキングでも、撮影には時間をかけますが、歩くのは速くなります。しかし、蝶の撮影では急ぐとどこにいるかも分からない蝶を驚かせてしまうため、かなりゆっくりと周囲に気を配りながら観察しつつ歩くことになります。それは、きのこ狩りや山菜採りの歩みともまた違うものです。やはり、たまにはこうしてゆっくりと自然の中を歩くことも必要だと感じた次第です。
街中の管理されつくした偽自然ではなく。人の手が入りつつも自然の営みが脈々と続く自然というのは、人間の手では尽くせないほど複雑なメカニズムとバランスの上に成り立っているのだと、改めて認識させてくれるからです。「虫の速度で歩く」、「虫の目線で見る」こともたまには必要です。
★ここに登場した昆虫や花、樹木は、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】にもアップしました。