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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ササクレヒトヨタケのバター炒め:新信州郷土料理(妻女山里山通信)

2008-10-06 | 男の料理・グルメ
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 雨上がりの昼、畑のくず野菜などを捨てる穴の土壁にへんなキノコが出ているというので、早速カメラを持って駆けつけました。大きいもので高さが15センチを超える白いキノコがたくさん生えていました。すぐにササクレヒトヨタケと分かりました。写真の背後は、妻女山です。

 食菌ですが、ヒトヨタケ(一夜茸)というように、すぐに傘が開いて黒くインク状に溶けてしまうので、今まで食べ頃のものを見つけたことがありませんでした。これはラッキーと、撮影をしてから袋に入れて持ち帰りました。さて、どう調理したものかと思い調べると、和風もいいようですが、くせがなく歯切れがいいようなのでバター炒めにすることにしました。

 まず下ごしらえ。ドロを落とし、ささくれを爪でこそげ落とします。その後塩水に15分ほど漬けて虫を追い出します。ザルにあげて水気を切ったら食べやすい大きさに切ります。キノコは金気を嫌うので、できればセラミックの包丁があるといいですね。
 フライパンに油を敷きベーコンを炒めてから、ササクレヒトヨタケを入れて炒めます。白ワインでフランベしてから、香ばしさを出すためにニンニク醤油を小さじ1/2ほど入れます。仕上げにバターとコショウを入れて、塩味を見て足りなければ塩をふればできあがり。

 傘は、トロンとした食感、軸はシャキシャキとした食感で、味はほのかにきのこの旨味を感じる程度ですが、ゴミ捨て場(笑)に出たとは思えないほど上品。草地や道ばた、家の露地などに出るので食べるのを敬遠するむきもあるようですが、なかなか捨てがたい食菌です。ただ、前述しましたように、食べ頃のものを見つけるのはかなり困難です。傘が開いたものや、黒い胞子が傘にみえるものは美味しくないようです。もし食べ頃を見つけたら、幸運と思って召し上がってみてください。

 新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。

 ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコにササクレヒトヨタケをアップしました。

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