17日金曜日の雨は夜更け過ぎから雪に変わりました。長野県の北部には警報級の豪雪警報が出ました。こんなことはひと冬に数回ですからそれなりの警戒と準備は必要です。ただ、大寒波の時は、長野市南部以南は大雪にはなりません。なるのは上雪(かみゆき)といって千曲川上流部で大雪になる時です。2014年の大豪雪がそれです。幸い今回は、上信越自動車道も国道18号も通行止めにはならなかった様です。豪雪にスタッドレスだけでは不安です。必ずチェーンも携行を。雪かき・スキージ・融雪剤・ワイパー洗浄液・懐中電灯・手袋・防寒具・非常食・スマホ。情報収集を。車の屋根に雪を積んでの走行は長野県条例違反です。後ろに落ちて後続車の事故を誘発する恐れ、ブレーキでフロントグラスに落ちて視界がなくなる恐れ。必ず落としてください。
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開けて18日の土曜日。午前中に妻女山へ行ってみました。積雪は3センチほど。吹き溜まりでも6センチぐらいです。妻女山の駐車場に車を止めて徒歩で陣場平まで登ってみました。気温はマイナス3度。長野市の中心街は19センチの積雪だったそうです。南部の松代は3センチ程度。たった十数キロの差でこれだけの積雪量の違いがあります。犀川を越え、千曲川を越える度に積雪量が変わります。
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落葉した山桜やダンコウバイ、ハリギリやネムノキに積雪。一服の絵画のようなモノクロームの美しい世界。
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雪上がりにはアニマルトラッキングができます。歩いた後に少し雪が降ったので少し分かりにくいのですが、左はおそらく狐(きつね)。タヌキだとあちこちに寄って曲がるのですが、キツネの足跡は直線的でタヌキより縦長です。右は少し大きなニホンカモシカの足跡。イノシシは副蹄(ふくてい)という小さな跡がつくので区別できます。
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陣場平と堂平大塚古墳、天城山(てしろやま)や鞍骨山(鞍骨城跡)への分岐。右下に下りると300m位で堂平大塚古墳。左へ登ると天城山を経て鞍骨城跡へ。さらに象山へ下ったり、南へ尾根を登ると鏡台山へ。
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振り返って陣場平入り口。ルリビタキ、シジュウカラ、ヒヨドリの鳴き声が。上空にはノスリが旋回しています。
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川中島の戦いで上杉謙信が陣城を築いたという陣場平。現在は我々妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーで貝母(編笠百合)の保護活動をしている場所です。貝母は雪の下ですが、3月には雪を押しのけて芽吹いてきます。見頃は年により変わりますが、4月の10日から20日頃です。全国の里山でこれだけの群生地はここだけです。初めて来た方は必ず歓声をあげます。満開の写真は、毎年4月に記事にしていますので、バックナンバーからご覧ください。
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菱形基線測点越しに見る陣場平。山桑、クマノミズキ、桐、オオヤマザクラ、カスミザクラ、クサギ、コムラサキ、ヤマツツジ、ガマズミ、コバノガマズミ、ミヤマウグイスカグラ、クロモジ、ネムノキ、山椒、クヌギ、ウワミズザクラなどが自生しています。
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戻って昔は松代藩の大名行列も越えたことがある東風超(こちごえ)から見る上杉謙信の本陣と伝わる斎場山。山頂は古代科野のクニの古墳(円墳)です。先のカーブは長坂峠。
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そのすぐ下からの北方の眺め。善光寺平(川中島)が一望できます。粉雪は止んで青空が見え始めました。戌の満水の大洪水の後、松代藩によって大規模な瀬直しがされた千曲川が緩いカーブを描いています。その前は、グニャングニャンに曲がっていました。だから千曲川なのです。
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林道を下ります。この大きく傾いた山桜は、数十年前の在京時代からいつ倒れるかなと思っていましたが、太い根が林道の下まで伸びていて頑強なのです。
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槐(えんじゅ)の枝。下る道すがら、デューク・ジョーダンの「フライト・トゥ・デンマーク」が脳内を流れました。
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檜に積もった雪。春先の湿雪ではないので、そう重くはないのですがそれでも垂れ下がっています。湿雪では枝が折れたりもします。
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落葉松林。この森は所有者によりまったく管理されていないので倒木が頻発し、我々の悩みの種です。
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妻女山松代招魂社。戊辰戦争以降の戦没者を祀る松代藩がつくった神社です。妻女山といいますが、本来の地名は赤坂山です。桜の名所で、桜の季節には近隣の小学生が遠足で訪れます。
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妻女山展望台から西の眺め。茶臼山が雪雲に隠れています。
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北方の眺め。眼下の赤坂橋の向こうに広がる森は、武田信玄が本陣としたと伝わる八幡原(はちまんぱら)。左奥の喉仏の様な里山は拙書でも紹介している上杉謙信の山城が残る髻山(もとどりやま)。
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東を見ると松代の城下。左に真田幸隆によって攻略された東条氏の尼厳城跡のある尼厳山(あまかざりやま)。右の大きな山塊はこれも清滝城跡(東山城跡)のある奇妙山。拙書ではその由来や歴史を記しています。手前は上信越自動車道と梢に隠れて松代パーキングエリア。こんな寒い日でも山登りをすると体は暖かいのですが、顔と手袋をしていても指先は冷たい。帰ってバンホーテンのココアを温めてウィスキーを少し入れて暖を取りました。夕方はマックス・フィールド・パリッシュの絵のような美しい夕焼けだったので明日は晴れるでしょう。
と思ったら、一日中曇りで午前中と夕方は雪が降りました。なんと一日中零下の寒い日となりました。温泉で温まり、酒粕を入れた豚汁を作りました。信州豚に野菜は地物のゴボウ、地大根、白菜、人参、里芋、天然ヒラタケ、仲間と作った椎茸、長ネギ、味噌も仲間と大豆栽培から作った信州糀味噌です。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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開けて18日の土曜日。午前中に妻女山へ行ってみました。積雪は3センチほど。吹き溜まりでも6センチぐらいです。妻女山の駐車場に車を止めて徒歩で陣場平まで登ってみました。気温はマイナス3度。長野市の中心街は19センチの積雪だったそうです。南部の松代は3センチ程度。たった十数キロの差でこれだけの積雪量の違いがあります。犀川を越え、千曲川を越える度に積雪量が変わります。
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落葉した山桜やダンコウバイ、ハリギリやネムノキに積雪。一服の絵画のようなモノクロームの美しい世界。
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雪上がりにはアニマルトラッキングができます。歩いた後に少し雪が降ったので少し分かりにくいのですが、左はおそらく狐(きつね)。タヌキだとあちこちに寄って曲がるのですが、キツネの足跡は直線的でタヌキより縦長です。右は少し大きなニホンカモシカの足跡。イノシシは副蹄(ふくてい)という小さな跡がつくので区別できます。
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陣場平と堂平大塚古墳、天城山(てしろやま)や鞍骨山(鞍骨城跡)への分岐。右下に下りると300m位で堂平大塚古墳。左へ登ると天城山を経て鞍骨城跡へ。さらに象山へ下ったり、南へ尾根を登ると鏡台山へ。
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振り返って陣場平入り口。ルリビタキ、シジュウカラ、ヒヨドリの鳴き声が。上空にはノスリが旋回しています。
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川中島の戦いで上杉謙信が陣城を築いたという陣場平。現在は我々妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーで貝母(編笠百合)の保護活動をしている場所です。貝母は雪の下ですが、3月には雪を押しのけて芽吹いてきます。見頃は年により変わりますが、4月の10日から20日頃です。全国の里山でこれだけの群生地はここだけです。初めて来た方は必ず歓声をあげます。満開の写真は、毎年4月に記事にしていますので、バックナンバーからご覧ください。
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菱形基線測点越しに見る陣場平。山桑、クマノミズキ、桐、オオヤマザクラ、カスミザクラ、クサギ、コムラサキ、ヤマツツジ、ガマズミ、コバノガマズミ、ミヤマウグイスカグラ、クロモジ、ネムノキ、山椒、クヌギ、ウワミズザクラなどが自生しています。
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戻って昔は松代藩の大名行列も越えたことがある東風超(こちごえ)から見る上杉謙信の本陣と伝わる斎場山。山頂は古代科野のクニの古墳(円墳)です。先のカーブは長坂峠。
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そのすぐ下からの北方の眺め。善光寺平(川中島)が一望できます。粉雪は止んで青空が見え始めました。戌の満水の大洪水の後、松代藩によって大規模な瀬直しがされた千曲川が緩いカーブを描いています。その前は、グニャングニャンに曲がっていました。だから千曲川なのです。
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林道を下ります。この大きく傾いた山桜は、数十年前の在京時代からいつ倒れるかなと思っていましたが、太い根が林道の下まで伸びていて頑強なのです。
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檜に積もった雪。春先の湿雪ではないので、そう重くはないのですがそれでも垂れ下がっています。湿雪では枝が折れたりもします。
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落葉松林。この森は所有者によりまったく管理されていないので倒木が頻発し、我々の悩みの種です。
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妻女山松代招魂社。戊辰戦争以降の戦没者を祀る松代藩がつくった神社です。妻女山といいますが、本来の地名は赤坂山です。桜の名所で、桜の季節には近隣の小学生が遠足で訪れます。
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妻女山展望台から西の眺め。茶臼山が雪雲に隠れています。
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北方の眺め。眼下の赤坂橋の向こうに広がる森は、武田信玄が本陣としたと伝わる八幡原(はちまんぱら)。左奥の喉仏の様な里山は拙書でも紹介している上杉謙信の山城が残る髻山(もとどりやま)。
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東を見ると松代の城下。左に真田幸隆によって攻略された東条氏の尼厳城跡のある尼厳山(あまかざりやま)。右の大きな山塊はこれも清滝城跡(東山城跡)のある奇妙山。拙書ではその由来や歴史を記しています。手前は上信越自動車道と梢に隠れて松代パーキングエリア。こんな寒い日でも山登りをすると体は暖かいのですが、顔と手袋をしていても指先は冷たい。帰ってバンホーテンのココアを温めてウィスキーを少し入れて暖を取りました。夕方はマックス・フィールド・パリッシュの絵のような美しい夕焼けだったので明日は晴れるでしょう。
と思ったら、一日中曇りで午前中と夕方は雪が降りました。なんと一日中零下の寒い日となりました。温泉で温まり、酒粕を入れた豚汁を作りました。信州豚に野菜は地物のゴボウ、地大根、白菜、人参、里芋、天然ヒラタケ、仲間と作った椎茸、長ネギ、味噌も仲間と大豆栽培から作った信州糀味噌です。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。