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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

春雨後の妻女山の陣場平の貝母は満開。オオズキンカブリタケ、シロヤブケマン、クサボケ、サンショウの若葉、ヤマザクラ、カスミザクラ(妻女山里山通信)

2023-04-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
 春雨後の妻女山陣場平へ。事前に水切りの溝を掘っておいたので林道は泥濘状態ではありません。雨の後なので木々の若葉が一気に出始めました。貝母の見学者も大勢訪れてくれました。天城山林道のカタクリも咲き始めたという情報も得られました。信州の里山は春爛漫です。訪れてくれた方にはできるだけ解説をしています。ただおせっかいにならない様に、興味の分野(自然か歴史かなど)を察知してお話する様にしています。すでに何年も通われて顔なじみの方には今年の状況だけ話すとか。ただ、かなり強い毒草なので盗掘目的の者を見張る必要があるのも残念ながら事実です。

 貝母(編笠百合)は、満開と言っていいでしょう。今年は成長期に積雪もなかったので草丈も高くきれいに咲きそろっています。花に香りがないので甘い香りが充満しているということはありません。慎ましやかな薬草(毒草)です。

 少し冷たい風が吹いて貝母は揺れていました。週明けからは気温が上昇する予報です。4月の茶花なのでお茶をやっている方にはお馴染みの山野草です。ただかなり強い毒草なのでほとんど市販はされていません。

 貝母の群生地の中央にあるクマノミズキの根元の周りにオオズキンカブリタケ(大頭巾被り茸)がいくつも発生しています。アミガサタケの仲間です。

 食菌ですが、水溶性の微毒があるので、一度茹でこぼしてから調理します。ロケット燃料と同じ成分が含まれるとかで、気を付けないと調理中に具合が悪くなる人もいるそうです。醤油には合わず、バターやクリームに合うので、クリーム煮、リゾット、パスタなどに向いています。

 シロヤブケマンが咲き始めました。毒草ですが、5月中旬から陣場平で舞い始めるウスバシロチョウの食草です。

 クサボケ(草木瓜)も咲き初め。バラ科。別名は、ジナシ(地梨)。草ではなく、高さ50センチぐらいの低木ですが、鮮やかな朱色の花を咲かせるので意外と目立ちます。また、低木ににつかわしくない梅のような大きな実は薬用酒になり、貧血や疲労回復、不眠症に。煮だし汁は入浴剤になるそうです。

 陣場平の上の入り口。木々は若葉の季節。ヤマザクラとカスミザクラも咲き始めました。9時半前に来ると何種類もの小鳥のさえずりが聞こえます。 大ヒットした1971年のイギリス映画「小さな恋のメロディ」の劇中歌、ビージーズの「若葉のころ」を思い出します。

 その下の林道上に雨で立ち枯れの落葉松が倒れて掛かり木になってしまいました。山藤のつるが絡みついているのですぐ落下することはなさそうですが、危険なので次の作業で落とします。

 サンショウ(山椒)の若葉。摘んでいる女性がいました。佃煮にするそうです。いずれ私も作ります。

 これは花柄に毛が無く若葉が赤みがかっているのでヤマザクラ。

 こちらは林道の二つ目のカーブに咲くカスミザクラ。

 妻女山招魂社奥の駐車場から左へ林道倉科坂線から東の象山と皆神山。皆神山の山頂は桜が満開です。拙書でも紹介していますが、象山から鞍骨山、天城山を経由して陣場平から斎場山に寄って妻女山へ下るコースは人気です。

 所要の帰りに千曲川の岩野橋の左岸の堤防。菜の花(セイヨウアブラナ)と桃が満開です。菜の花かなと思うとハルザキヤマガラシだったりもするのですが。向こうにオリンピックスタジアムと長野パルセイロのUスタジアム。なんとリンゴの花も咲き始めました。

 妻女山と斎場山の眺め。遠く根子岳の雪もずいぶんと消えています。

 岩野橋の向こうに斎場山から薬師山、笹崎へとつながる長尾根。上杉軍が布陣した山脈です。その向こうに天城山(てしろやま)。左へたどると鞍骨山(鞍骨城跡)です。山腹のあちこちにヤマザクラとカスミザクラが咲いています。この時期の若葉は樹種によって色が異なります。自然が作る美しいタペストリー。

 畑に植えたタラの芽も2週間ほど早く出ました。これからどんどん出てきます。まず天ぷらに。

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