今、筋ジストロフィーの詩人岩崎航さんの番組を
観終えたところです。
筋ジストロフィーは、全身の筋力が衰えていく病気です。
岩崎さんは人工呼吸器をつけ、食事はお腹に
チューブを入れる胃ろうで、24時間全介助の生活を
送っています。
岩崎さんを見ていると、むき出しのいのちがそこに
あるようです。
彼は五行歌という五行からなる詩を書いています。
いのちに直結した言葉が詩となり、紡がれて行く
五行歌と向き合うと、自分の生きる姿を問われて
いる気がします。
岩崎さんは、「自分に書けるのは、命の奥にある
生きたいという気持ち」と語っていました。
きっと誰の心の奥にも「生きたい」という気持ちは
あるのだと思います。
でも、生きていることが当たり前のことだから
この心の奥の声が聞こえない…
岩崎さんの五行歌を読むと、自分の心の奥の
声に耳を澄ませてみようという気持ちに
なるのです。
青春時代というには
あまりに重過ぎるけれど
漆黒とは光をうつす
色のことだと
自分の力で
見いだした
ことのみが
本当の暗闇の
灯火(ともしび)となる
囚われていた心
闇の中より
方途を求めて
覚悟の祈りは
光を見いだす
鳴呼僕も
生きているんだ
青空の
真っ只中に
融け込んでいる
岩崎 航