~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

光の中に

2016-11-29 23:39:51 | 日記

12月が目の前になり、喪中の葉書が届くように

なりました。

今日、家に戻ると喪中はがきがポストに入って

いました。

『義姉 佐藤初女が二月一日に九十四歳で永眠

いたしました。』

葉書に目を落とし、初女先生がいないことが

改めて突き付けられた気がしました。

私は、初女先生に年賀状として毎年、お茶の入った

お手紙を送っていました。

それに書く言葉は、毎年「新しき年が光の

うちにあるように」と書いていました。

今、初女先生のいらっしゃらない新年を

迎えることに少し狼狽えている自分がいます。

喪中はがきを手にしながら、心から敬愛する方を

失い、私も喪中を出したいよ。なんて思って

しまいました。

新しき年、困難はあっても初女先生が天に

いらっしゃるなら、光は今まで以上に

輝かしいものになるかもしれません。

淋しいけれど、前を向いて歩いていかなければ

初女先生の言葉を自分の体に落として、一歩一歩

光の中に初女先生がいることを信じて…

 

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料理家 高山なおみさんと初女さん

2016-11-28 18:39:51 | 日記

佐藤初女さんと自然食のレストランで食事をした時

美味しいにんじんスープが出て来て、初女さんは

シェフに、どうやって作るのですかと尋ねられ

ミキサーを使って作ると聞いたとき、初女さんが

少しがっかりしたのを私は感じました。

初女さんがスープを作る時は、ミキサーは使わず

すりこぎでつぶすのです。

そのことが思い浮かび、私は心の中で「レストランで

すりこぎでスープは、無理ですよ」と呟いていました。

でも、新聞に載っていた料理家の高山なおみさんの

文章をを読んだら、初女さんに宿っている

調理の心を感じあの時、「無理ですよ」と呟いた

自分が恥ずかしくなりました。

高山さんは『電子レンジなどの器具は使わない。

素材の変化してゆく様子が、肌に伝わってこない

から、素材に無理をかけたくないから…

だからみじん切りや面取りをして形を整えるよりも

手でちぎったり、すりこぎで丹念に潰す方が好きと。

時間をつづめようとしないこと。操るより待つこと

時間というのは、自分の力ではない何かだと

私は思う』と書かれていました。

さすが、森のイスキアに初女さんを訪ね

初女さんの調理する姿を見つめた人だけあります。

初女さんの心が、高山なおみさんの中で

確かなものとして生きているのを感じました。

今、お料理番組を見ていると、殆どの番組で

時短を一番にしているのです。

初女さんは「その人の為に、どれだけ自分の

時間を差し出せるか…」と言われていました。

時短調理で出来た時間を、私達は何に使って

いるのでしょうかね…

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初女先生の暮らし

2016-11-27 16:58:23 | 日記

テレビのニュースで「ブラックフライデー」の映像が

流れ、唖然としました。

感謝祭翌日午前0時からの米国流の年末セールで、

激安のため商品を奪い取る人の目が尋常では

ないのです。

日本の量販店も始めたそうです。

人間の欲望を見せられたようで、恐ろしくなり

ました。

消費の力強さが足らないと言っている政府に

とっては、このブラックフライデーは歓迎すべき

ことなのかもしれないが…

世界自然保護基金が最近まとめた報告書に

世界中の人々が日本人と同じ生活をしたら、

地球が2.9個分いると記されているそうです。

(それぞれの国の森や海、農地が供給できる資源と

産業活動や移動、生活などで使った実際の消費量

を国民一人当たりではじいいたもの)

6年前は2.3個分だったそうです。

これは国内で資源を生み出す力を弱め、消費を

増やしてきたからだそうです。

どこかで、私たちは豊かさというものを

はき違えてきたのでしょうか…

初女先生は食材も物も、本当に大切にされました。

「私って、つましいのよ」と、言われていたことが

心に残っています。

森のイスキアのゴミの少なさには、行くたびに

驚いていました。

「どうして、こんなにゴミが少ないの」と言うと

スタッフが「先生、捨てるとこがないのよ」と

教えてくれたけれど、不思議でした。

「初女さんのお漬け物」の本の中で、スタッフが

「にんじんの白和えの時の、にんじんを煮た

少し残った煮汁も捨てられないの、あとから

「あの煮汁どうしたの」って言われて…

その煮汁を煮物の最後に入れると、ツヤが出て

美味しくなるの」と言われているのを読んで

イスキアがゴミが出ないわけを納得しました。

初女先生から「私、つましいの」と、言われた時

あ~こんな美しい日本語があったのだと、

ちょっと感動しました。

昔は、倹しい生活が当たり前でしたが、

いつの頃からか私達は、消費は美徳だなんて

言葉に向かってまい進してしまったのですね。

それが進歩であり、発展だと思ったのでしょうね。

今、景気が上向かないのは消費が足りないからだ

と、言われています。

消費する社会

それが、私たちの望むことなのでしょうか…

世界中の人が米国人のように暮らせば、

地球4.8個を費やすことになるそうです。

初女先生の「つましい暮らしの美しさ」が

心に響いてきます。

 

 

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いのちが大切にされる社会を

2016-11-25 23:40:03 | 日記

新聞を開くと、いじめ・虐待・過労死…

本当にいのちが大事にされてないような気がします。

先日、新聞に夫が40歳で過労死した妻の言葉が

載ってました。

『お父さん、あなたが生きた時代は日本にとって

どんな時代なのでしょうね。

命を、人の生活の営みを、これほど大切にできない

日本はひょっとしたら戦争をした時代同様、

病んでいるのではないでしょうか』

父親が過労死で自殺した小学1年生の男の子が

書いた詩

       「ぼくの夢」

  大きくなったらぼくは博士になりたい

  そしてドラえもんに出てくるような

  タイムマシーンをつくる

  タイムマシーンにのってお父さんの

  死んでしまうまえの日に行く、

  そして『仕事に行ったらあかん』ていうんや

 

1億総活躍社会というけれど、それが本当の豊かさ

なんだろうか…

私たちの求めているものはなんだろう…

 

      

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雪が降りました

2016-11-24 21:34:13 | 日記

11月に雪が降るなんて…寒い一日でした。

2014年の11月24日、初女さんとランディさんの対談

「深き森の語らい」が行われました。

あの時、ランディさんの「お会い出来て」の言葉を

かぶせるように「嬉しいですね~」と言われた

初女さんの声が今でも私の中で、鮮やかに

のこっています。

初女さんの嬉しさがこみ上げているのが分かる

そんなお声を聞いて、「あ~この対談をやって

良かった~」と心から思いました。

5~6年お会いしてなかったというお二人

ですが、深いご縁があったから、再び出会い

ランディさんは、初女さんのことを書き

初女さんはご自分の伝えたいことをランディさんに

託していったのですね。

この対談も、初女さんとランディさんの話を聴いて

みたいという私の直観から、始まったのですが、

もしかしたら天の方で、決めていたこと

かもしれません。

私は、ちょっぴりお手伝いさせてもらっただけ

なのかも…

初女さんが旅立ってしまった今、あの時間が

どんなに尊いものだったかと思います。

あの時、初女さんが会場に集まった人を見て

「これだけの人が、ちょっと変われば大きく

変わるね」と言われたことが忘れられません。

その初女さんのお言葉を聞いた私が、

変わっただろうか…

まだ、初女さんがいないことに、淋しがったり

戸惑ったりしています。

でも、初女さんが生きてきたように、小さいことも

大切に…と思って今ここを生きています。

たまらなく会いたくなる時もありますが…

11月に雪が降るなんて、今年は寒い冬なので

しょうか。

森のイスキアが深い眠りに入り、自然にかえって

行く季節がきたのですね。

初女さんのいない初めての冬を迎えるんだ…

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脳とのつき合い方

2016-11-23 23:13:57 | 日記

若い人と話していると、「脳を過信しすぎてない?」

と、思うことがあります。

「脳って、意外と頼りにならないのよ」と言ったら

ひどく驚かれたことがあります。

ひょっとして脳イコール自分って思っているのかな

田口ランディさんは「自分が主人で、脳が家来。

そう直観した瞬間から、悩みはほとんどが悩みでは

なく、脳とのゲームになった」と言われています。

脳が考えることなんて、大したことじゃない

くらいに思っていたほうがいいです。

若い人は、経験が少ない分、考えてしまうのか

脳が考えたことに引っ張られ、生き辛くしている

ように思います。

脳って賢くないけれど、案外素直なんだと思います。

ランディさんは『人間の脳って「ジョークが

通じない真っ正直な人」だと思うといいのね。

「いつか大金持ちに」って思ったら

「いまじゃないんだな」って作動するわけ。

「いい人になりたい」って思ったら

「いまはダメなんだな」って作動するわけ。

「死んでしまいたい」っていうのだけ抵抗するのね。

思っても死なないから』と、言われています。

これを読んだとき、本当にそうなの!と思わず

拍手を送りたくなりました。

脳が頼れないなら、何を頼りにするのか

私は、直観です。

初女先生の本の中に、「直観というのは突然

出てくるものではない。普段から自分の中に

入っていて、ふさわしい時にそれがぱっと出てくる

それが直観だと思う」と龍村監督もおっしゃって

いたと書いてありますが、この文章に出会った時

直観のチカラを納得しました。

私は、大切なことは殆ど直観で決めています。

脳にあんまり考えさせないことが、悩まない秘訣

です。

脳は素直だからね。

ランディさんは『目覚める前ってとっても大事。

「今日はいいことあるぞ、あるぞ、あるぞ」って

呟くと、脳が「そうか!」って目覚める。

眠るときも「いい一日だった、いい一日だった、

いい一日だった」って言い聞かせると、

脳は「そうか……」って安心するんです。』

と、言われています。

余り、脳を頼りにすると、脳も期待に応えようと

一生懸命考えちゃうから、悩みが深くなって

しまうんだよね。

ランディさん流に言うなら、脳は家来。

それなら、この素直な脳の特性を理解して

末永くつき合っていけばいいんじゃないかな。

 

 

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まだ終わっていない…

2016-11-22 23:42:46 | 日記

今朝、地震がありました

テレビをつけると、「津波が来ます。高台に避難して

下さい」という緊迫した声に、3・11のあの日が

蘇って来ました。

今朝のM7.4の地震は、東日本大震災の余震という

気象庁の発表を聞いて驚きました。

5年も経っているのに余震とは…

自然の時間というのは、そういうものなのかも

しれません。

私たちは、5年も経ったという言い方をして

過去のこととして、原発事故にしても何も解決

してないのに、新しいことに目を向け

次に向かって歩き出すことが、この国の未来だと

思っていました。

でも、M7以上の余震は、15年を除き、毎年

発生していると知り、あの大震災が終わって

いないことを、今朝の地震で突き付けられた

気がしました。

新聞に『「津波上昇」「冷却停止」。

苦い記憶をかき混ぜる言葉が耳と心を打つ。

備えは、と列島は鳴動して警告する。』

と、書いてありました。

これだけ地震の多い国に、本当に原発が必要

なんだろうかと、再び考えさせられました。

 

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初女先生のお漬け物が食べたい~

2016-11-21 18:35:03 | 日記

淋しい気持ちがするのは、晩秋のせいでしょうか…

今日も初女先生のお漬け物の本を見ていました。

どのページを見ても、先生の「小さいことも大切に」

という心が伝わってきます。

先生のお漬け物が食べたくなるのと、先生に

会いたくなるのが一緒になって、淋しい気持ちで

一杯になってしまうのです。

森のイスキアで初めて食べた、みずのお漬け物

美味しくて、行く度にみずが食べたいと言って

リクエストしてました。

先生のこまか漬けは、他におかずがいらないくらい

美味しくて、イスキアの食卓に出ると、最初は

皆さん遠慮しているのですが、自分の小皿に取る

量が、どんどん多くなって、あっと言う間に

なくなってしまいました。

白菜漬けは、ゆずや昆布やたかのつめなどを

入れると思っていましたが、初女先生のは

塩だけだったんですね。

お漬け物の声が聴こえるから、塩だけで

美味しい美味しい白菜漬けとなるんですね。

お漬け物は、他のお料理と違うものがあります

いきなり母の胸に抱かれるような、そんな

お料理のような気がします。

初女先生のお漬け物を食べたいと思ったら

どうしようもなく、先生に会いたくなって

しまいました。

そうだ、初女先生が私に教えて下さった

最後のお料理がぬか漬けだった…

先生は、ぬか漬けの漬け方ではなく、もっと

大事なことを伝えようとしていたのだと思います。

まだ、その大切なものが何かが分からないんです

この本を見て、お漬け物を漬けてみよう

「初女さんのお漬け物」がぼろぼろになる頃

初女先生が伝えたかったことが

分かるかもしれない…

 

 

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初女さんのお漬け物

2016-11-19 16:40:19 | 日記

ポストを覗くと、黄色い封筒は目に飛び込んで

来ました。

見ると主婦の友の編集の方からでした。

もしかして、初女先生の本が出来たの?と急いで

封を開けると、ぬか漬けをしている初女先生の

お写真が…

初女先生のお漬物の本を作りたいと、聞いていた

けれど、先生が亡くなりその話は途切れて

しまったかと思っていました。

田口ランディさんの「いのちのエール」の

講演会で編集の方ににお会いした時、

先生がいなくなり、作っていいのか…と言われて

いたので、是非作って下さい!と言葉を

交わしたのが最後になっていましたが、

形にして下さったんだと思うと、

本を持っただけで胸が熱くなりました。

最初の『初女さんの生前の思い』を読むと、

ぬか漬けが生物多様性だと気が付いた時のことが

書いてありました。

私は、読みながら「先生、東京って書いてる

けれど、あれは横浜なんですよ」と心の中で

初女先生とお話していました。

夜を徹して話したという言葉に、ご主人を

亡くした後のkさんに、寄り添われていた

先生のお姿が浮かびました。

先生の自筆の「佐藤初女」の字を観た時は

涙が溢れてしまいました。

この初めの言葉だけでも、色々な思い出が

立ち上がって来ました。

先生のお料理は、美味しくなるようにと工夫と

創意で進化し続けていました。

梅干しは、以前は青梅を塩水で漬けていたそう

ですが、近年は熟した梅になっていたようです。

去年は、先生の体力もかなり落ちていたので

違った漬け方をしたと聞きました。

去年の1月、ご自宅でランディさんと一緒に

教えて頂いたぬか漬け、あの日のことは

大切な宝物のように私に中でのこっています。

ぬか床の味見をしてみてと、言われたとき

え~ぬか床って食べていいんだと驚いた

自分の浅はかさも忘れられません。

息子が、先生の赤かぶの漬物が好きだったので

いつもお土産に頂いていましたが、この本を

見ながら、これからは自分で漬けてみようと

思いました。

「初女さんのお漬け物」

何だか天国の先生からのプレゼントのようです。

ご飯にはお漬け物がなくちゃね…というお声が

聴こえて来るようです。

 

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いのちの躍動を感じるとき

2016-11-18 07:50:55 | 日記

昨日、友達が息子が書いたの~と言って半切に書いた

臨書を見せてくれました。

習字も習ったことがないけれど、高校の選択授業で

書いたそうです。

すごい集中力と、最後まで通っている深い呼吸を

感じました。

この子の中にある、いのちのエネルギーを見た気が

しました。

かなりの人が、自らの中にあるいのちのエネルギー

を知らないまま過ごしているのではと、思います。

私も、生まれて初めて畳1畳くらいの書を

書いたとき、こういうエネルギーが自分の中に

あったのかと、本当にびっくりしました。

子どもを亡くし、死んだら息子に会えるんだと

自分の軸足が「生」の方になかった時期でした。

自分の意識とは別に、このいのちのエネルギー

が、私を生きるというところに踏みとどまらせて

いてくれたのです。

この体験で感じた感覚は、一生忘れることが

ないと思います。

スポーツ選手は運動する中で、役者は芝居を

やるなかで、お百姓さんは土と向き合う中で

このエネルギーを感じるのかもしれません。

私の所属する墨人会の創始者・森田子龍先生は

『書は、文字を書くことを場所として、

内なるいのちの躍動が外におどり出て形を

結んだものである。』と言う言葉を遺されて

います。

誰もが、ひとり一人の中にある「いのち」と

出会って欲しいと、切に思います。

自分では気づいていない、いのちのエネルギーが

あることに…

 

 

 

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