~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

米~辰巳さんと初女さん

2015-05-30 23:04:00 | 日記

テレビで辰巳芳子さんが出ていました。

辰巳芳子さんの言葉を聞いていたら、初女先生と

重なるところが、随所にありました。

食と向き合うとは、そういうことなのかと

改めて思いました。

『いのちを繋げて「食」を考えないと!

だから、簡単なことではありません。

家庭料理とは、時間と手間をかけ、家族の愛と

いのちの愛をかたちにするのです』

初女先生も「食はいのち」と共に生きてこられた

方です。

おむすび講習を受けた人が、すぐに「初女さんの

おむすび」と言って教えてしまうと、先生は

「そんなに、簡単なことではないんだよ」と、

淋しそうな顔をして言われます。

辰巳さんは「米と日本人は離れてはならない。

米は他の穀類とは違う」と、言われていました。

初女先生も講演会の冒頭で「日本は瑞穂の国と

言って…」とお米のことを、よく話されていました。

本当にお米とは、不思議な食べ物です。

毎日、毎日ご飯を炊くのに、毎日違うし、だから

蓋を開ける前は、いつも「今日のご飯は、

どんなだろう」と、どきどきするのです。

米の浸水も気温によって違ってくるし、ご飯が

炊き上がり蓋を開ける時は、祈るような気持ちが

自然に起ってくるのです。

ふっくらと炊き上がった時は、それだけで幸せな

気持ちになるし…

この国では、遠い昔から神事に米を供えて

来たのがよくわかる気がします。

きっと、生きることと直結して、「食はいのち」が

農耕民族の日本人の中にあったのだと思います。

今、米の消費量が減った上に、安い輸入米に押され

米農家が、米の生産で食べていかれなくなっています。

瑞穂の国に生まれた私たちが、こんなにお米を

食べなくなり、大切にしなくなったら、祖先から

受け継いできた農耕民族の心が、無くなってしまう

ような気がします。

外国人は、ご飯が味がないと言います。

この微妙な甘みがわかり、美味しいと思えるのは

米を食し、大切にしてきた日本人だからです。

辰巳さんは、毎日の調理を「単調な繰り返しだから

内面的なものをもたないと、やっていけない」と

語っていました。

本当に、直ぐに楽なほうに行こうとする自分が

います。

米について考えるだけでも、何かが変わってくる

気がします。

いくらパン食が増えても、私達の体の中には

農耕民族のDNAが歴然とあるはずですから…

 

 

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「THE WINDS OF GOD」~今井雅之

2015-05-28 22:00:01 | 日記

つい先日、長田弘さんが亡くなり残念です。と書いたら

今日は今井雅之さんです。

何年前になるでしょうか、友人に今井雅之氏の

「THE WINDS OF GOD」はいい芝居だよと

言われ観に行ったのが忘れられません。

若い時から、芝居は随分観てきましたが、その中で

心に強く残っているのが、

「THE WINDS OF GOD」です。

観終わった後で、直ぐに今井さんの原作本を買って

読みました。

私が観たのは横須賀公演で、今井さんは

自衛隊の時に横須賀に来ていたので、

そんなことを舞台挨拶で話されたのを今でも

覚えています。

戦車の中が一番きつかったと…

「THE WINDS OF GOD」それは神風

お笑い芸人の二人が、交通事故にあい

意識が戻ったら、なぜか特攻隊にいるという

ストーリーですが、突然突き付けられた「死」が

この芝居の骨格をなすテーマとなっていました。

そして、この芝居を書いた今井さんも又

突然の「死」、いのちの期限と向き合ったのは

何か深い意味を感じます。

 今、年配の人達が日本に戦前の足音が

聞こえてくるようだと言っています。

今井さんもいた自衛隊が、海外派兵が可能に

なる方向に向かっています。

自衛隊の幹部の人が「自衛隊は憲法9条によって

守られていた」と言っていました。

こんな世の中になって来たので、

「THE WINDS OF GOD」の上演の意味が

より深くなって来たと思います。

今井さんは、どんなに演じたかったことでしょう…

芝居のテーマであった「死」を自分自身に突きつけ

られた時に、何を思ったでしょうか…

あまりに早い、今井雅之氏の死が悼まれます。

戦争は理不尽な死です。

そのことをしっかり見つめないと、芝居のアニキと

キンタのように、気がついた時には理不尽な突然な

「死」を突き付けられる、そんな時代が直ぐそこに

着ている気がします。

今井さんが「「THE WINDS OF GOD」で

伝えたかったことを、しっかりと受け取らなければ…

 

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食はいのち

2015-05-26 22:52:42 | 日記

新聞に、終末期医療に取り組む大阪の淀川キリスト教

病院ホスピス・こどもホスピス病院では、土曜の夕食は

「リクエスト食」で、患者一人ひとりが望むメニューを

調理して出しているということが、書いてありました。

海鮮ちらしをリクエストした人は、娘さんに少しづつ

口に運んでもらい、「本当においしい。病院で寿司とは

しあわせ者やなあ」と穏やかに微笑み、その8日後に

亡くなったそうです。

初女先生が、帯津病院でおむすびを作られた時

もう食べることが出来ない患者さんが、枕元に

おむすびを置いて、見ているだけでいいと言われた

そうです。

去年、20代の若さで亡くなった私に知り合いは

口から水分もとることが出来ませんでしたが

いつもお料理番組を観ていました。

彼のおばあちゃんは、「テレビを観て、食べたつもりに

なっているのかね」と言っていました。

食は、心といのちを支えてくれているのですね。

「食はいのち」がちりばめられた、笑顔の記事に

心が洗われるようでした。

 

 

 

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幸せなお料理教室

2015-05-25 19:03:57 | 日記

昨日は、ランディさんのご主人のお料理教室に

行って来ました。

ランディさんが、ツイッターで「美味しい!」と

言っていたリゾットがメニューにあったので、

これは無理をしてでも行かねばと思いました。

人数が少ないということなので、友人に声を

かけたら、お嬢さんが行きたいとのこと…

Mちゃんは、創の幼馴染

息子のことを、「つくる」と呼んでくれる唯一の

女子です。

Mちゃんと一緒にお料理が作れるなんて…

それだけで、何だか胸が熱くなってしまいました。

前日、ランディさんのご主人に「明日は、亡くなった

息子の幼馴染の女の子と行きます。

こんな機会が与えられるなんて、感謝です」と

メールしました。

本当に考えても見なかったことです。

神様って、思わぬ時に贈り物を下さるのでしょうか

わいわい、がやがやおばさんトーク満載で

作っていたら

Mちゃんに、「おばちゃん達ってすごいね!

話しながら料理出来るんだね」と、言われて

ハッとしました。

もし、初女先生がお聞きになったら「Mさん

それは、おばちゃん達がいけないのですよ。

調理する時は、おしゃべりはしませんよ」と、

言われることでしょう。

でも、楽しく美味しいお料理教室でした。

途中、田口先生に「山崎さん、それは味見の

分量ではありません」って言われてしまうくらい

味見と称して頂いちゃいました。

創のお嫁さんと一緒にお料理する。なんて夢にも

思ったことはないけれど、Mちゃんがそんな

気分を味合わせてくれました。

幸せな一日でした。

 

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詩人 長田弘

2015-05-23 13:41:59 | 日記

大好きな詩人、長田弘さんが亡くなりました。

残念で残念でなりません。

長田さんは「時代は言葉をないがしろにしている」と

詩の中で書いています。

息子が、「お母さん、危ない時代になったから

こんなに平和、平和っていうのかな」と言って

いました。

本当に、積極的平和って本当に平和なのだろうか…

長田さんが言うように、時代が言葉をないがしろに

しているからこそ、私は言葉を大切にしたい!という

思いが強くなっています。

長田さんの「最初の質問」という詩を、自分自身に

問うてみよう…

  最初の質問 <長田弘>

  今日あなたは空を見上げましたか。
  空は遠かったですか、近かったですか。
  雲はどんな形をしていましたか

  風はどんなにおいがしましたか。
  あなたにとって、いい一日とはどんな一日ですか。

  「ありがとう」という言葉を今日口にしましたか。

  窓の向こう、道の向こうに、何が見えますか。

  雨の滴をいっぱいためたクモの巣を見たことが
  ありますか。

  樫の木の下で、あるいは欅の木の下で、
  立ち止まったことがありますか。

  街路樹の木の名前を知っていますか。
  樹木を友人だと考えたことがありますか。

  この前、川を見つめたのはいつでしたか。

  砂の上に座ったのは、草の上に座ったのは
  いつでしたか。

  「美しい」と、あなたがためらわず言えるものは
  何ですか。

  好きな花を七つ、挙げられますか。

  あなたにとって「わたしたち」というのは、だれですか。

  夜明け前に鳴き交わす鳥の声を聴いたことが
  ありますか。

  ゆっくりと暮れていく西の空に
    祈ったことがありますか。
 
  何歳の時の自分が好きですか。
 
  上手に年を取ることができると思いますか。

  世界という言葉で、まず思い描く風景は
  どんな風景ですか。

  今あなたがいる場所で、耳を澄ますと
  何が聞こえますか。

  沈黙はどんな音がしますか。

  じっと目をつぶる。すると何が見えてきますか。

  問いと答えと、今あなたにとって必要なのは
  どっちですか。
 
  これだけはしないと心に決めていることが
   ありますか。

  いちばんしたいことは何ですか。

  人生の材料は何だと思いますか。

  あなたにとって、あるいはあなたの知らない
  人々にとって、幸福って何だと思いますか。
  
  時代は言葉をないがしろにしている。

  あなたは言葉を信じていますか。

 

 

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自閉症の僕が飛び跳ねる理由~東田直樹さん

2015-05-22 23:55:43 | 日記

重度の自閉症者である、作家の東田直樹さんの講演会

の時に配られた資料を読み返して、再び衝撃を

受けています。

東田さんの本を読んだ時、話すことができない

重い障害がある彼が、これほど深いことを表現

出来るはずがないと思い、これはかなりお母さんの

手が入っているのではないかと、そんな思いで

読んでいたのです。

ところが、講演会に行ってみると壇上の東田さんは

不思議な音を発しながら、アルファベットの文字盤を

タッチして、思いを言葉に変換しているのです。

時々、訳もなく駆け出したり飛び跳ねたりしながら

又落ち着くと席に戻り文字盤に向かって

言葉を紡いでいくのです。

彼のその姿に、私は初めてあの本は東田さん自身の

言葉だったのだと知り、改めて驚きました。

東田さんの言葉

『多分多くの人は、自分が人であるとことに疑問を

持たず、成長するのではないだろうか。

僕の場合、人であるという事実を知った時の

事は、今でも心の傷として残っている。

幼い頃は、物に名前があることを知らず、

ただそこにいるだけの存在だった。

僕は、自然の一部だった。

僕が飛び跳ねている際、僕の目に映っているのは

人の顔ではない。

どこまで高く、いつまでも長く飛び続けたいと願う時、

僕は人であることを放棄しているのかもしれない。

周りから見れば、哀しい行動に見えるだろう。

しかし、本当の悲しみは、僕らしさを拒絶され

普通の人に近づくことだけを要求される社会の

価値観にさらされること。

自閉症者が飛び跳ねる理由は何か、皆さん

一人ひとりに考えてもらいたい。

その答えが見えてきた時、飛び跳ねることでしか

自分を表現できない人の気持ちをわかってもらえる

のではないか、』

東田さんの言葉に、

これほど深い思いが障害を持った人の心の底に

沈んでいることに、健常者である私は、今まで

気づこうともしなかったのです。

毎日、障害を持つ人たちと接している私が…

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ケセラセラ

2015-05-21 23:28:32 | 日記

先日、友人と電話で話していたときに、思わぬところで

共感となったので、ちょっと驚きました。

それは、「このところ5月病かと思った」という言葉に

です。

5月病なんて、若い人の特権かと思っていたので

私より年上の友人から、5月病という言葉が出た時には

「私も、そう思っていた」と言いながら、おばちゃんでも

5月病になるんだと、初めて知りました。

何とな~く、ガッツが出なくて、自分の中のエネルギーが

低くなっている気がするのです。

夕方、家路に急いでいると、ふっと息子のことが

浮かんで来たのです。

「お母さん、家庭科の買い物するからお金ちょうだい」

そう、あの時も夕方でこの場所だった…

バッタリ会った私に、嬉しそうに声を掛けてきた息子

こんな他愛のないことが、十年以上経っても

昨日のことのように、ふっと浮かんでくるのです。

人間の記憶とは、どのようになっているのでしょうか…

これも5月病のせいかしら…

5月病にもならずに、一気に天国にいってしまった息子

あなたの明るい笑顔しか思い出せません。

今頃、ケセラセラなるようになるさと、笑っているの

かしら…

 

 

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金木犀のいのち

2015-05-20 22:31:54 | 日記

私にとって大切な金木犀が、元気がないのです。

元気がないというか、葉っぱがほとんどないのです。

金木犀が小さな花をつけ、やさしい匂いに包まれる時

私は息子の命日が近づき、かなり落ち込んでいる時

なので、金木犀に随分なぐさめられてきました。

そんな大切な金木犀に、葉っぱがないのです。

毎朝、金木犀に頑張って!と言っているのですが…

2~3日前、心配して金木犀を見ていたら、大きな

大きな青虫が、ぺったり張り付いているのです。

この青虫が、葉っぱを食べてたんだ!と、怒りながら

割り箸で取って、殺してしまおうと思ったのですが

ふと、この青虫の中に金木犀のいのちがあるんだ

と、思ったら殺せなくなり、「他の葉っぱを食べて

蝶になってよ」と、草むらに放しました。

瀕死の金木犀に、今日も声を掛けました。

私の心に寄り添ってくれた金木犀

どうか、元気になって下さい…

 

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生きるとは

2015-05-18 22:47:42 | 日記

16日のイスキアの集いに、三浦半島でやった

初女先生の宿泊講演会に参加され

親しくなった人たちが何組か来てくれていました。

あの古い民宿で、合宿のような相部屋で過ごした

一泊二日が、こんなに繋がっているとは、

嬉しい限りです。

初女先生の「泊まりは深いから」の意味が、実感と

なって伝わってきます。

初女先生の集いは、初めてであった人なのに

いきなり深い心の底に抱えていたことが話せる

んです。と、皆さん不思議がります。

それは、やはり初女先生が繋いだご縁だからと

私は思ってしまうのです。

でも、こんなに何年も経っても繋がっていて

連れ立って講演会に来てくださるなんて…

それだけで、感謝で一杯です。

 初女先生と出会って間がない頃、先生が

「私が、動けなくなっても、動いていくのが本当なの」

と、二人きりのときに、ぽそっと言われたことが

今でも忘れられません。

先生は、「いのちとは生きること。

人のお役に立つように生きることです」と

何度も言われています。

先生の生きる姿を見ながら、私の生きるを

探していかねば…

 

 

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言葉を超えて…

2015-05-17 22:23:54 | 日記

昨日は、初女先生の講演会でした。

「イスキアの集い」として11回目を迎えました。

最初は、初女先生のお声掛けで集まった人たちが

スタッフとなりました。

私は、先生とめぐり合ってまだ、そんなに経って

なかったのに入れて頂き、毎回緊張しながら

学士会館のスタッフ会議に参加していました。

先生のお側にちょっとでも居られたら、と思って

いましたが、初女先生のお顔を見ると涙が溢れて

しまい、何年経った頃でしょうか、「直さん、泣かなく

なったね」と、言われ自分でもびっくりしました。

あの悲しみから立ち上がれたのは、初女先生に

支えて頂いたからです。

先生との出会いなくして、今の私はありません。

先生は、私達の希望にいつも応えて来て下さい

ました。

高齢で大変ではあるけれど、飛行機に乗って来て

下さる先生に感謝しながら、講演会を続けて

きました。

「言葉を超えた行動」と、言われるけれど

そこまでしなくても…と思ってしまいますが

先生は、どこまでも誠実で…

ある方が、初女先生は自分の魂に正直に

生きていると言われていました。

真実に生きるという言葉が、初女先生のお姿に

重なってきます。

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