昨日、湯河原での女子会から帰って来て、一気に
田口ランディさんの「リクと白の王国」を読みました。
原発事故後の福島の子ども達をテーマにした作品です。
私が読んだ、震災や原発事故に関するものの中に
これ程、心を晴れやかにしてくれるものはなかったと
思います。
読み終わったとき、私が元気になっていました。
子どもと自然とそこに関わる大人と、状況は変わって
いないのに、希望が感じられるのです。
ランディさんは2011年4月に始まった「ふくしまキッズ」
の活動に関わって来ました。
その5年間の活動を通して生まれたのが、この作品
です。
私たちは、福島と言うだけで勝手にイメージを
作り上げて見てしまうところがありますが、
ランディさんは「福島に生きる人と、福島を外から
見ている人の間には、ずいぶんと温度差があると
感じました。私は外の人間ですから、実際のところ
福島に暮らす方達のご苦労ははかりしれません。
ですが、福島で生きる、福島で子育てをしていくと
決めて、生きていらっしゃる方たちの、お互いを
思い合う優しさと、子ども達守ろうとする努力、
困難に立ち向かう勇気にとても心を揺さぶられ
ました」と書いています。
私は、この本を読み終わった時、写真家の
長倉洋海さんの「だけど くじけない
~福島の子ども達からの元気便~」という
写真と子ども達の言葉が入った本を思い出し
ました。
子供はどんな時も、前を向いて未来に夢を
持っている、その姿を見たときに大人たちは
生きる力を、元気魂を子ども達からもらうの
ではないでしょうか。
『私は今まで「ありがとう」なんて
何も考えずに言っていました。
でもこのしん災で、
とても深い「ありがとう」を知ったと思います。」
「地震があって考え方が少し変わった。
『日常』の価値は『非凡』で、
『日常』はパズルみたいに
ピースを集めると成立するんだと考えるようになった。
前は、ただ『日常』を、
だらだら同じことの繰り返しで、限りなくある物で、
それがやっと終わったら死ぬんだと思っていた。
私は、今生きていることが尊いと考えるようになれた。
それは、地震でゆいいつ得た物だと思う。」
長倉洋海 「だけど くじけない」より』