釈尊・５

色あせが心配なので、また釈尊をしまった。

代わりに、「受諾」とタイトルを変えた、「涙の聖母」をかけた。

それが悪いわけじゃないけれど、またさみしくなった。

「釈尊」をしまいこむと、なんだか大切な誰かがそばからいなくなったような気がするんだ。

あの美しい人にまた会いたくなる。

しばらくは辛抱して、またあの絵を壁にかけようと思う。