馬鹿に邪魔をされてスランプ状態に陥っているので、毎日解脱の指導ばかりしているが、それに新しいわざを編み出した。
まず、ここにいる馬鹿の霊たちにこういうのだ。
「自分の鼻を見る感じで、『俺』て感じにしてみな」
馬鹿がそれに素直に従うと、つらい感じがなくなって楽になるという。
「じゃあ次、それで、『自分の自分』ていってみな」
すると馬鹿はしばらくして、ものすごい幸福感を味わう。
これだけだ。これだけで、馬鹿の霊は万年の迷いから覚めて、新たな自分として活動を始めるようになる。
自分の鼻を見ながら、「俺」って言ってみな、がミソである。こちらがわに生きている人間にも応用できるかもしれない。