上弦、半分の月とは、わが身を半分失ったものの象徴です。
それは人類の紋章となるのです。
あなたがたは、愛する女を失ったことで、わが身の半分を失ったことになったのです。
男にとって女は、自分自身の半分のようなもの。女にとっての男も、しかり。
ともにいるだけで、一つに溶けてしまう。
わかりますか、みなさん。
性別のある愛とは、互いを、自分自身のように愛せるという、愛なのです。
それはそれは、自我がとけていくように互いを深く愛せる。切ないほどうれしい幸福だ。
あなたがたは、神より、そういう愛を与えられていたのです。
ですがそれを、人類は侮辱し尽くし、とうとう完全に失ってしまった。
わかりましたか、みなさん。
自分がやってしまったことが、なんだったのかが。
あなたがたは、愛する女を失ったことで、自分自身をも失ったのです。
サビク