世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

一口夢占い

2015-05-31 07:02:53 | ちこりの花束

 連続性の夢、というのを見たことがありますか。連続ドラマのように、同じテーマが何度も続く夢。
 それは私が大学を卒業し、社会に出て初めて大きな壁にぶつかった頃のこと。私は、幼稚園に行っている夢を見ました。それも、おかしいな、確か私はこの前大学を卒業したはずなのに、なんでまた幼稚園なんかにいるんだろ?と疑問に思いながら、席についているのです。
 その何年か後、今度は小学校に通っている夢を見ました。同じように、確か私は大学を卒業したはず……と疑問に思いながら、小学生たちと並んで授業を受けているのです。こんな夢を、私は何年かおきに見ました。しかもそのたびに、中学生になり、高校生になり、大学生になり、だんだん成長していくのですが、毎回、おかしいな、確か私は……といつも疑問に思っているのでした。
 そして、数年前に、ようやく夢の中で大学を卒業し、目が覚めた私は、ああ、きっとこれでこの連載夢物語も終わりかな、と思っていたのです。そうしたら、半年ほど前のこと、今度はなんと、新米教師としてバスで通勤する夢を見たのです! 確かにわたしは教育学部を出ましたが……。おいおい、まだ続くの?と目を覚ましてから思いました。
 最初の幼稚園の夢から、18年経っていましたから、私は、社会に出てから、夢の中で、現実で学校に行く年月とほぼ同じ年月をかけて、夢の学校課程を終えたことになります。そして、教師として出勤する夢を見た頃は、現実ではちょうど、私が、自分の人生で為すべきことを確信できた頃でした。
 学校を卒業しても、そこで勉強が終わりなのではないのですね。そこから、魂の教育のために、本当の学校が始まるんだ。そんなことを夢に教わった気がしました。


(2005年7月ちこり34号、コラム)


   




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クローバー

2015-05-30 06:32:36 | ちこりの花束

 不思議な話を一つ。
 うちからほんの5分ほど歩いた所に、保育園があるのですが、その裏口前の道の隅には、昔、小さなクローバーの茂みがありました。そのささやかな茂みを探すと、いつも四つ葉のクローバーが2~3本は見つかったのです。私はひそかに穴場と言って、自分の子供だけに教えていました。そして、四つ葉をとる時は、必ずお礼を言ってからとりなさいと注意しました。生き物を大事に、感謝してほしい、そんな思いで、何げなく言った事でしたが。
 さて、そんなある日、いつものように犬の散歩帰りに保育園の裏の道を通ったとき、例のクローバーの茂みを見ると、すぐに大きな四つ葉が見つかりました。まるでとってと言わんばかりに、茂みの外側にぐんと突き出しています。私は、とろうかなと思いましたが、いつも私がとってばかりだから、今回は他の人にゆずろうと思って、あいさつをしただけで通り過ぎたのです。
 でも、それから数日してまたその茂みに会った時、四つ葉は誰にもとられないで残っていました。三度目に会った時もまだ残っていました。四度目の時、私は、もしかして私にとれと言ってるのかなと思い、茂みに顔を近づけて、いつものように「アリガトウ」と言ってから、四つ葉を折ったのです。
 そして次の日、また同じ道を通った時、私はその茂みが、根こそぎ刈り取られているのを見ました。でも大して心配はしませんでした。今までにも何度か刈り取られていたけれど、いつも強い生命力で盛り返していたからです。しかし今度は、刈り取られた跡に花が植えられて、保育園の人達が世話をするようになり、もうあの小さな緑の茂みとは、二度と会えなくなってしまったのです。
 あの四つ葉は、もしかしたら私へのお別れの贈り物だったのでしょうか? 彼らは知っていたのでしょうか? 自分たちがもう二度と日の光を浴びられないことを。
 これは私の、大切な思い出の一つです。今も、散歩の途中で、バラの木やナンテンの赤い実や、青い笹薮に出会うたび、つい声をかけてしまいます。
「こんにちは、みなさん」
 それだけのことだけど、風にそよぐ外れの音の中に、何か聞こえるような気がするのは、気のせいでしょうか?



(2000年3月ちこり18号、編集後記)





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粗忽神さま

2015-05-29 06:16:21 | 月夜の考古学・本館

わたしたちの
神さまは
少々粗忽であらせられ
汝らの願いをかなえるぞよ
と言いながらぽろぽろ
何かを落としていく

神さま
落ちましたよ
というと
種を落としてしまった手品師のように
あわててそれらを拾い集め
決まり悪そうにせきを一つしてから
愛する子たちよ
と のたまう

みんなは互いに目を見交わしたり
うつむいて笑いをかみ殺したり
こらえきれずにくつくつ笑い出したり
さわさわとにぎやかだ
だって神さまの落としたものといったら
よく肥えたぴかぴかの緑の蛙だったり
岩陰に咲いた小さな竜胆だったり
瑠璃の眼をした金の蜻蛉だったりするのだ

神さま
あれらを集めるために
どれだけ山野を走り回ったのだろう
わたしたちの喜ぶ顔ばかり
思いながら
どんな苦労をしたことだろう

みんな知っているから
笑いながら
こそこそ涙をふいている
粗忽神さま
蛙よりも花よりも蜻蛉よりも
わたしたちには
どんなにか
あなたが
だいじなことだろう


(2002年頃、種野思束詩集「種まく人」より)




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幸いのうさぎドラゴン・4

2015-05-28 06:34:37 | 月夜の考古学・本館

 アングルボダは大事な娘に鼻をすりよせました。涙が彼女の目からあふれでましたが、それは岩の湯でも青銅の湯でもなく、熱い喜びの涙でした。やがてしっかりと目を開けたアイノマは、おずおずと顔をあげると、母の顔を見てほほ笑みました。
「ああ、おかあさん、ごめんなさい」
「もう、心配といったらなかった。おまえ、もの思いはいいかげんにおしと、日ごろあれほどいっておいたに……」
「ごめんなさい。考えていたの。考え始めたら、次から次と問いが起こって、とまらなくなったの」
「何をそんなに考えていたんだい?」
「おかあさん、小さなものは、どうやって生きていったらいいの? 竜のように大きくなれないものや、弱くてばかな生き物は、一生、傷ついたり、こわがったり、さみしかったり、それだけなの?」
「アイノマや、それは仕方のないことだよ」
 アングルボダは言いましたが、しかしその声は前のように強くはありませんでした。娘が死に近づいていくのに、何もできなかった自分を、今ではもう知っていたからです。
「でも、こわいのや、さみしいのは、いやだわ。自分がばかで、弱いのだとわかるのは、死にたいくらいにつらいわ。賢くて強くなりたいと思っても、小さい生き物は、どうしたって竜のようにはなれないのよ……」
 かすれた声で訴える娘を、母はどうしようもなくいとおしく思いました。この娘を失わないですんだことを、彼女は何かに真剣に感謝したくなりました。
「かわいいアイノマよ、ようやく治ったところなのに、もうもの思いしているのかい。さあ、少しお休み、今は何も考えてはいけないよ」
「ああ、おかあさん、うさぎの子は、生きているよ。死にかけているだけだよ」
「なんだって?」
 アイノマが、とつぜん妙なことを言ったので、アングルボダは目をぱちくりさせました。アイノマは、よろよろと身を起こすと、首をある方向に突き出しました。アングルボダは娘にしたがって、そちらを見てみました。するとそこには、広がる焼け野原の真ん中で、ボロのようにころがっている、二つのうさぎの亡きがらがあったのです。
 ああ、あのうさぎの子か、と思いながら、アングルボダは首をそっとその亡きがらに近づけてみました。うさぎの子は、毛皮を焼かれて、見るも無残な様子をしていましたが、しかしよく見てみると、片方は確かに死んでいましたが、やけどの軽いほうは、まだかすかに息をしているのです。
 突然、アングルボダの胸を、強い感情がしめつけました。後悔の念がとめどもなく吹き上げました。もし、あの親うさぎが生きてここにいたら、どんなにか今、この子供を救いたいと思うことだろうか。
「やれやれ、ほんとうにおばかさんだね。最後までよく確かめもしないで……」
 アングルボダはつぶやくと、子供たちをふりかえり、月の涙をもっておいでといいました。しかし月の涙は、アイノマのために多く使い過ぎてしまったので、もう残り少なく、傷ついた大陸に振りかけてやる分だけでも少し足りないくらいなのでした。
 アングルボダは考えました。しかし時間はそうありません。子うさぎの息は今にももう絶えてしまいそうです。
 彼女は、娘のひとりに言って、自分の首の後ろから、銀のうろこを一枚、はがせました。そして舌を少し噛んで血の一滴をうろこにかけ、炎の息でちょろりとあぶり、とけた一部を砕いて、粉のように子うさぎにふりかけました。
「この世で一番弱く、ばかなうさぎの子よ。おまえに、竜の命をあげるよ」
 きらきらと、うろこの粉が、うさぎの体に降りました。すると、焼け焦げたうさぎの毛皮が、突然、ふわりとよみがえったかと思うと、そこに大きな卵がひとつ現れました。アングルボダ考え考えしながら、呪文を発しました。竜の命をおうものは、名前と役目がなければなりません。
「……だれもが、おまえを見て、心やすらぐだろう」
 彼女が呪文を歌うと、それに答えるように、深くて白い光が、卵の中に灯りました。
「傷ついた弱い魂のために、永遠におまえははたらく。月が夜に寄り添うように、おまえは弱いものの涙と孤独のそばにいる。うすくらがりで、独りぼっちで泣くこどものために。なつかしい瞳から、あまりにも遠く離れてしまった、迷子のために」
 アイノマが母の呪文に声を合わせました。兄弟たちも続きました。
「魂が悲しみに打ちのめされるとき、独りぼっちに魂が叫ぶとき、そのものはおまえがそばにいることに気づくだろう。そして、明日の太陽の下で、再び生きてゆくために、おまえのやさしい歌を聞くだろう……」
 アングルボダの呪文にしたがって、卵はしだいに大きくなりました。シカの胴ほどになり、クマの胴ほどになり、それを越えてもまだ大きくなり、やがて大木の樹冠のようになりました。
「小さな弱いものと、大きな強いものの、両方をもつおまえを、幸いのうさぎドラゴンと名付けよう」
 最後に、アングルボダはささやきました。すると、空気がはじけるように、卵がわれて、一匹の不思議な竜が、生まれました。
 顔はうさぎのようでしたが、首はいくぶん長く体は竜に似ていました。尾は長く、背には美しい銀のたてがみがあり、全身を雪のような綿毛で覆われていましたが、時々貝のような虹色のうろこが毛の間からのぞきました。そして背中には白い鳩のような翼があり、額には真珠のような小さな角が、縦に二つちょこんと並んでいました。瑠璃のような丸い大きな瞳はやさしく、穏やかで、どこかアイノマに似ていました。
「ああ、かわいい! わたしが育てていい? おかあさん」
 アイノマが言いました。アングルボダは、笑ってそれを許しました。

 さて。
 長い長い時が、過ぎました。
 竜の時代ははるかな過去に去り、小さな生き物たちが、世界を支配する時代がやってきました。特に人間たちは、ズロキニウスのように知恵を貪欲に食べたので、どの生き物よりも強く、大きく、傲慢になってゆきました。竜の恐怖におびえて、ネズミのようにおくびょうだった彼らは、今や強大な知恵と力で、世界中にとぐろを巻く、恐怖の竜になっていました。
 弱く、屈辱に満ちていた太古の自分たちのことを、彼らはもう思い出すことさえ、いやがりました。けれども、遠い過去の記憶は、そうそう消えるものではありません。人間たちの胸には、今も、ちっぽけでみじめな過去の自分が生きていました。恐怖にさいなまれ、生死の際で震えていた弱かった時代の夢は、彼らの魂の奥に深く刻み込まれていたのです。だから彼らは、その過去を忘れるために、いっそう知恵をむさぼり続け、自分の身体をどんどん大きくしたのです。どんな強敵もかなわぬ鎧を作り上げ、そのために邪魔をするものは容赦なく排し、彼らは自らの恐怖にいどみ続けたのです。
 そして、ちっぽけな魂は、置き去りにされざるを得なかったのです。魂は巨大な肉体に閉じ込められ、ひとりぼっちにあえぎました。
 このように、昼に巨大な恐怖の竜を生んだ人々は、夜になると背中合わせに集まって、今度は一匹の影の竜を生みました。ひとりぼっちという名の、巨大な闇の竜でした。
 人は、時々、夜にふと目を覚まします。夢で、森の声を聞いたような気がしたからです。
 どうしようもない懐かしさと、恐ろしさと、ないまぜになった悲しみが、彼のはらわたをしぼります。窓の外を見ると、眠らない都市の明りが見えます。彼は暗い空を見上げながら、自分のひざを抱きしめて、ためらいながら泣くのです。どうしてこんなにも、遠く離れてしまったのかと。
 奥に閉じ込めていた魂が、彼の涙についてきて、こぼれるように現れた時、彼は月光に紛れて、不思議な竜の幻をみるかもしれません。うさぎのような顔と、白い翼をもった小さな竜です。静かな青い瞳で、じっと彼を見つめています。
 それは遠い昔、人間たちが、愛憎の果てに記憶の彼方においやってしまったものたちが、彼らのためにおいていった、小さな贈り物なのでした。

 弱くて、強い、小さな子たち
 今日一日が、ひどすぎて
 生きてくことが、重いなら
 泣かないで
 そっと唱えてごらん
 ラッキィ・ラビット・ドラゴン
 ラッキィ・ラビット・ドラゴン
 そばにいて、歌っておくれ
 そばにいて、歌っておくれ……

 月が夜に寄り添うように、ひとりぼっちの魂の暗がりにも、寄り添う小さな光が、必ずあることを。
 遠い昔の竜たちは、そっと願っていったのです。

(おわり)



(1998年7月ちこり13号所収)





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幸いのうさぎドラゴン・3

2015-05-27 06:47:04 | 月夜の考古学・本館

 アングルボダはびっくりしました。なぜならこの世で、自分のように強くて賢い存在は他におらず、他のものはみなひ弱でばかで、誇りなどみじんももてないものだと思っていましたから。それなのに、ミミズのように取るに足らぬものでさえ、決して自分をばかなものとは見下さないのです。生きるものとして、自分にはこれだけの知恵と力があるのだと、誇りさえもっているのです。
 大陸中の森をひっかきまわし、川や湖をことごとくさらっても、目当てのものは見つかりませんでした。アングルボダはためしに、見るからに弱くて知恵の足りなそうな子リスや、生まれ方を間違えたアブラムシなどを捕まえ、アイノマの口元に運びました。しかしアイノマはそれらを食べようともせず、無理に喉に押しこもうとすると、痛々しく腫れ上がった舌の先から、血がたらたらと流れて来るのです。
「どうか、目を覚ましておくれ、死なないでおくれ」
 アングルボダは娘の前に、とれるだけとった弱い生き物を山積みにして、叫びました。しかしアイノマは決して目を開けませんでした。美しかったうろこははがれ落ち、ところどころから膿のような汁が滴り落ちて、まるで彼女の体は、崩れそうな雨後の砂山のようでした。アングルボダは気が狂いそうでした。もしこの娘が死んでしまったら……そんなことを考えるだけで、心臓に氷の刃が突き付けられるようでした。恐怖など感じたことのない偉大な彼女は、それが生まれて初めて味わう恐怖だということさえわからず、ただ天地がぐらぐら回るほどに混乱していました。
 しまいに、どんな生き物をもってきても、娘をなおせないとわかると、彼女は実を引き裂くような叫びをあげました。生き物たちの恐怖の予感が、湿った風となって大陸を吹きわたりました。
 彼女は、狂ったようにどんどんと大陸を踏み荒らし、火を吹いてそこらじゅうの森を焼きはらいました。涙は毒水となって川や湖を汚し、のろいの言葉は空を灰のように汚しました。彼女は大陸の生皮をばりばりと剥ぎ、憎しみという憎しみをまき散らしました。生き物は逃げ惑い、大陸はおそろしい地獄となりました。
「だれか、助けておくれ、娘を、助けておくれ……」
 アングルボダは泣き狂いつつも、病んだ娘のいる湖だけにはけっして触れませんでした。だから賢い生き物はみな、アイノマの湖に逃げ込みました。シカも、ヘビも、クマやウサギや、ネズミやトカゲも、アイノマの体にすりより、泣きわめくアングルボダをやりすごそうと、必死に息をひそめていました。
「あーあっ、あーあっ」
 しまいに、アングルボダの叫びは、子供のようなすすり泣きに変わりました。彼女は焼けただれた大陸の真ん中に立ち尽くし、天を向いて泣いていました。涙は青銅の湯のようにぼたぼたと流れ落ち、彼女自身の身体をまで痛めて、流れ続けました。彼女には、もうどうすればいいかわからないのです。自分ほどの知恵と力の持ち主でも、どうしようもできないことがあることを、彼女はもはや知らざるを得なかったのです。

 やがて、敗北感とあきらめは、甘美なヴェールのように彼女の胸をおおいました。彼女は泣きやみ、ついには寝そべって、死んだように動かなくなりました。
 そうして、刹那、大陸がよどんだ暗闇と静けさに、覆われた時でした。
 ふと、アングルボダの耳に、かすかな声が届きました。
「竜の母さま、竜の母さま、きいてください、わたしがばかです。ばかな生き物です」
 とたんに、アングルボダは、きらりと目をあけました。見ると、すぐ目の前に、毛皮の焼け焦げた、一羽のめすのうさぎが、よろよろと立っているではありませんか。
「わたしには、二羽のむすこがありました。でも、みんな、死なせて、しまいました。もう、生きていても、わたし、何の役にもたちません。一羽でも、生きていたら、どんなにか、つらくても、やっていけるのに……。みんな死んでしまった。わたしの子、みんな死んでしまった……。竜の母さま、わたしが、ばかな生き物です……」
 うさぎは目やにのたまったみじめったらしい顔で、アングルボダを見上げ、ふらふらと彼女の口元に寄ってきました。引き裂かれた耳は垂れ下がり、泣き疲れて魂がからっぽになったような虚ろな目でした。傷だらけの体から、砂のように生気が逃げて、息をしているのさえ重く、耐えられないような様子でした。
 しかしアングルボダには、魂を打ちのめされたうさぎを思いやる時間も気持ちもありませんでした。彼女はうさぎの言った言葉の意味を理解するや否や嵐のような動作でそれをつかみとり、悲鳴もあげさせぬうちに、アイノマの口の中にほうり込んだのです。
 湖のまわりには、多くの生き物たちといっしょに、アイノマの兄弟たちも集まっていました。日に日に小さくなっていく妹の息の音と、狂ってゆく母の姿に、兄弟たちもまた深い悲しみにしずんでいました。
 母が、いきなり妹との口を開かせてほうり込んだものが、何なのか、問うこともできぬうちに、変化は現れました。
 アイノマの体が小刻みに震えだし、不意に首がびくりと動いたかと思うと、全身をおおっていた灰色の皮が、見る間にぼろぼろに乾いていくのです。
 そこにいたものは、みな息を飲んで見つめました。
 やがて、指先から、尾から、体中から、砂が流れ落ちるように乾いた古い皮がほろほろ落ちていきました。山火事の後のひこばえのように、死んだ皮膚の下から、次々と新しい瑠璃のうろこが現れました。その様子は、まるで、灰色の雲が払われて、澄んだ満天の星が見えてくる雨の後の夜空のようでした。やがて、みずみずと潤った葉を茂らせる若木のように、美しいうろこがアイノマの全身を覆いました。ひび割れていた爪もただれていた舌も今は癒され、生き生きとした血流が早春の小川のように、体内で歌い始め、彼女の身体は見る間に生気に輝きました。アイノマは深い息を二度、三度繰り返し、うっすらと目を開けました。
 アングルボダは驚き、喜びの声をあげました。まわりの兄弟たちや生き物たちも、思わず歓声をあげました。
「おおアイノマ、治ったんだね!」

(つづく)




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幸いのうさぎドラゴン・2

2015-05-26 06:35:47 | 月夜の考古学・本館

「おかあさん、ほかに方法がないわけではありませんわ。そうだ、おとうさんにきいてみましょうよ。おとうさんなら、もの思いのこと、何でも知ってるわ」
「そうだ、そうだ、そうしましょう」
 子供たちはうれしそうにいっせいに言いましたが、アングルボダは、苦虫をかみつぶしたような顔をしました。千年も前に夫婦わかれをした夫のことを、今の彼女はミミズの次に軽蔑していたからです。
「あのかいしょうなしに、このわたしが頭を下げろというのかい?」
「でも、アイノマのことがかかっているのよ。月の涙でも治せない病の治し方なんて、私たちはだれも知らないけれど、あの人なら知っているかも知れないのよ」
「そうとも、第一アイノマのもの思い癖は父親の影響なんだから」
「おかあさん、どうかお気持ちを押さえて、おとうさんを呼んでください。このままでは妹が……」
 子供たちが次々に願うし、他に方法も思いつかないので、アングルボダはしぶしぶ大陸で一番高い山に片足をかけ、そして片腹痛くて千年間口にすることさえなかった元の夫の呼び名を、大地に向かって叫び降ろしました。
「知の竜にして地の竜、永遠の闇の探究者、偉大なるズロキニウスよ!」
 すると、眠っていた大地が、つかの間さざ波のようにけいれんしたかと思うと、沈黙がふわりと大陸をおおいました。アングルボダの背中を、むずがゆい悪寒が走りました。しばらくして、湖のほとりの崖の一部がよろよろと崩れて、小さな穴が空き、その中から一匹の土竜(もぐら)が、ひょいと顔を出しました。
「おまえがわしを呼んだのかね? 珍しいこともあるもんだ」
 土竜は、ふつうの土竜とはちがい、イノシシほどの大きさはありましたが、しかしアングルボダたちに比べれば、まるで吹き飛ばされそうに小さいものでした。父ズロキニウスは千年前、地に潜って知の闇を探求するために、家族とともにいることと竜の姿を捨て、土竜になったのです。アングルボダは、元夫のそんなみじめな姿を見るにつけ、はらわたが煮えくりかえる思いに捕らわれるのですが、その場は気持ちをしずめ、息子の一人に命じて、彼に用向きを伝えました。
「もの思い病? 賢い子にはよくあることじゃ。何、心配はない。だが月の涙は使えんな。あれは心の病にはきかぬでな。頭の足らぬ女のやりそうなことではあるがな」
 ズロキニウスは、光に弱い目をしばたたきながら、くすくすと笑いました。怒りのあまり、アングルボダが尾で山をたたいたので、大陸が驚いたようにズンと鳴りました。息子たちがあわてて母をとめ、娘たちが間をとりもって、たずねました。
「おとうさん、どうか妹の病気を治す方法を教えてください。このままでは死んでしまうかも……」
「ああ、死んでしまうかもしれぬ。若いものは、もの思いの恐ろしさを知らんでな。この世とはなんだ? 自分とはだれだ? そんならちもないことを考えて、考え過ぎて、知の闇に溺れてしまうのさ。知の闇は広く深く果てしなく、無量のなぞに満ちている。泳ぎ切れるものではない。わしのようにそれを承知で、不完全な地図とおのれの発する小さな光をたよりに、探求するものはいい。だが知恵もおのれの光も未熟なものが、興味本位でやると、恐ろしい報復が待っている。知の闇の深い波にもまれ、ついには航路も自分も見失い、命さえ吸い取られて、帰って来れなくなるのだ」
「た、助かる方法はないのですか?」
「ないわけではない」
「その方法を教えてください」
「教えてやらんでもない。だがな。知の闇はおそろしい。わしにもわからんことは山ほどある。生けるものがすべての知を探ろうとすることは、一匹の蟻が砂漠の砂をすべて食おうとすることに等しい。そんなことをやろうとしたとて、無力感に空っぽになるのが落ちなのだ。しかしわしはそれをやろうとする。なぜだかわかるかね?」
「ごたくをお言いでないよ、このろくでなし!」
 業を煮やしたアングルボダの、炎のような一喝が鳴りました。彼女はじりじりと小山を一つ握りつぶしながら、毒を吐くように言い捨てました。
「あんたのご高論を聞いてる暇はないんだよ。早く必要なことをお言い! でないとミミズともども食ってしまうよ、この役立たず!」
 地の竜ズロキニウスは、間違えて毒ニンジンの根をかじってしまったかのような渋い顔をしました。しかし元の妻を怒らせては後がめんどうなので、言いたいことは千言ありましたがそれを無理に飲み下し、ふてぶてと言いました。
「おのれこそがこの世で一番弱く、一番ばかだと思っている、ばかな生き物の、はらわたを食べさせるとよい」
「なんだって?」
「おのれこそがこの世で一番弱く、一番ばかだと思っている、ばかな生き物の、はらわただ。生き物をそのまままる飲みさせてもよい。……なぜだなどと聞くなよ。知の世界は果てしなくなぞだらけだ。太陽がそこにあるように事実はそこにある。そして知者はどれだけ理屈をくみたてようと、事実の前にはひざまずかざるを得ない」
 アングルボダはもう聞いてはいませんでした。彼女は用が済むと元の夫にくるりと背を向け、大陸中に響き渡る声で言ったのです。
「この世で一番弱いもの! 一番ばかだと思っている、ばかな生き物! 私の前に姿を現せ!」
 ズロキニウスは小さく舌を鳴らすと、巨大な妻のしっぽに向かって、ささやくように、言い捨てました。
「見つかるまいよ。頭の足りんやつにはな。それにしても、かわいそうな我が娘よ……」
 ズロキニウスはぶつぶつとつぶやきながら、再び地の中に姿を消しました。

 最初アングルボダは、アイノマの病はすぐにも治ると思っていました。自らに比べれば、弱くてばかな生き物など、そこらじゅうにいるからです。ところが、アングルボダはすぐに大きな壁にぶつかりました。確かに弱い生き物、ばかな生き物はたくさんいました。千日腹一杯食うても、まだあまるほどいました。しかし、自分をばかだと思っているばかな生き物は、一匹としていなかったのです。たとえ、どんな小さな知恵や力しかなくても、みなそれはそれなりに、自分はりっぱなやつだと思っていたのです。

(つづく)




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幸いのうさぎドラゴン・1

2015-05-25 06:44:00 | 月夜の考古学・本館

 遠い遠い昔、はるかな西のむこうには、はてしない大陸がありました。
 大陸はみどり豊かでしたが、中央につらなる峰々は雪をいただいてとても厳しく、深い森は黒々とした下闇にいくつもの恐怖を棲まわせておりました。
 人間たちは、ほうぼうの谷間や川べりの、ほそぼそとした平地に、まるで青ざめた銀杏の若木のように、震えて縮こまっていました。彼らは木の葉陰をかすめ歩くリスのように、ちいさくて、おくびょうで、謙虚でした。後の世に、地上をわがもの顔にのし歩く傲慢さは陰も形もなく、まだ森に棲む多くの獣たちの、一種類にしか過ぎなかったのです。
 知性の黎明を迎える前の、朝もやのようなまどろみが、世界にたちこめていました。大陸は、宙(そら)の神に打ち倒された巨人の亡きがらのように、深い眠りの底で、たっぷりと夢をむさぼっていました。そのかすかな寝息は、長い長い単調な序曲のようでもありました。

 この頃の大陸を支配していたのは、もちろん人間ではなく、一匹の竜でした。大陸の中央に、星座のように並ぶ七つの峰々を、卵のようにゆうゆうと抱いてとぐろを巻く彼女の名は、アングルボダといいました。津波のような巨体に、銀のうろこと炎の舌、清らかな翡翠の瞳をもつ、美しくも恐ろしい女の竜でした。
 大陸のすべての生き物は、森も、獣も、魚も、羽虫の類いにいたるまで、すべて彼女を深く敬い、恐れていました。彼女が峰の向こうに優雅に寝そべっている間は、大陸は平穏に暮れましたが、一度怒り出すと手がつけられませんでした。彼女はほんのささいなことで機嫌を損ね、そのたびに森を焼きはらったり、川を煮たたせたりしました。逃げ惑う獣たちを踏みしだき、山河を皮のように剥いでは、大地に癒しがたい傷を負わせました。
 しかしそこは、彼女もやはり女性だったためでしょうか、後悔することも早く、怒りがおさまると今度は傷ついたものたちに深い同情を寄せました。そして月の光を一万日浴びた岩水晶から得られるという、月の涙と呼ばれる不思議な水薬を、惜しげもなく大地にふりまきました。月の涙には命をよみがえらせる強い力があり、それを一滴でも浴びると、傷ついた肉体は清らかに癒えて、冥界に赴こうとする魂も強引に呼び戻すことができました。山河は再びよみがえり、みどり深い森に獣たちの声が響きだし、清い水があちこちに流れだして、大陸はたちまちのうちに元の姿を取り戻しました。
 アングルボダは、時には母のようにやさしく、時には暗黒の嵐のように恐ろしく、そして時には恋の季節の娘ギツネのように気まぐれでした。大陸の生き物たちには、彼女を奉り、つつしんで従うことしか、この世に生きるすべがありませんでした。
 けれども、そんなアングルボダにも、かわいい子供があったのです。
 彼女は、六匹の息子たちと、八匹の娘たちを、それぞれ小さな山や谷や湖のほとりに住まわせ、火山の岩の湯や金銀の鉱脈を食べさせて養っていました。子供たちはみな姿も頭もよく、彼女は何よりの自慢にしていました。中でも特に愛したのが、アイノマという名の末娘でした。
 アングルボダはアイノマを大陸の南の日当たりのよい湖に住まわせ、極上の瑠璃の鉱脈を食べさせて育てました。聡明で性質も穏やかなアイノマは、鹿のような美しい声の持ち主でもあり、月の美しい夜などには、川底で銀砂を吐く貝のように、不思議なことたまの詩を静かに歌いました。そんなアイノマの姿を、いとおしげにながめるアングルボダの顔は、ほほ笑んで、いかにも幸せそうに見えたものでした。
 アイノマはまた、竜にしては珍しく弱い生き物たちに心寄せ、小鳥やネズミや野花を愛し、びくびくと木陰に隠れる人間の祖先たちにも、優しく声をかけました。ですから、生き物たちは竜の中では誰よりもアイノマを慕いました。母アングルボダが機嫌をそこねた時も、アイノマにとりなしを願えば、何とかことがおさまることもあったのです。
 ただ、ほんの少し、アイノマにもの思いがちなくせがあることを、母は心配していました。『もの思い』が、ときにはとりかえしのつかない事になりかねないことを、アングルボダはよく知っていたからです。

 さて、それは珍しく大陸に平穏が百年も続いた時のことでした。
 アングルボダも子供たちも眠りがちで、荒れることはほとんどなく、生き物たちはみな平和に暮らしていました。変わったことと言えば、時おりに響きわたる山鳴りのような竜のいびきに驚いて、昼寝の途中の子ウサギが泣いて目を覚ますくらいのことでした。
 すぎゆく季節の神が描く時の営みは、とても単調で、まるで二色(ふたいろ)の格子模様のようでした。生き物たちは規則正しく生まれたり、死んだり、芽吹いたり、枯れたりしました。悲哀は歌われることなく、平穏になれた生き物たちの魂も、少しずつ怠惰の殻をまとおうとしていました。世代を経た生き物たちの中には、アングルボダの乱心をもう伝説の中でしか知らないものも多くなり、生きることも、死ぬことも、そうたいしたことではないかのように、みなが思うようになっていました。
 このまま永遠に幸福が続けばいいのにと、だれもが思っていましたが、しかしその気持ちの裏では、本当は少しずつみなの不安はふくらんでいました。そしてやはり、待っていたかのように、不安が張り裂けるその日はやってきたのです。
 アイノマが病になったのでした。
 母と兄や姉たちが眠っていた間にも、アイノマは時おり目を覚ましては月星をながめ、ものも言わずに何かを考えていました。変調に気づいたのは、山ひとつ向こうの沼地を寝床にしていた、すぐ上の兄の竜でした。
「おかあさん、おかあさん、起きてください。アイノマがおかしいのです」
 兄はアングルボダの所へ飛んでいくと、自分の顔がすっぽり入ってしまいそうな母の耳穴に、大声でよびかけました。母はまだ眠そうなまぶたをうっすらとあけ、寝ぼけ眼で息子の訪れを迎えました。
「おまえか、息子よ。どうしたんだい」
「おかあさん、アイノマが返事をしないのです。いつも寝言でよびかけると、寝言で答えて来たのに、それがないので見にいくと、まるで石のように固くなっているのです。息はしているのですが、かすかにです。呼んでも目をあけません。うろこにも光なく、まるで砂をかぶっているようです」
「どうせいつもの『もの思い』だろう。あの子は何でも深く考え過ぎてしまうんだよ」
 アングルボダはそう言いつつも首を起こし、アイノマのねぐらをのぞきました。アングルボダは、ほんの少し背伸びをしてみるだけで、大陸中を見渡すこともできましたから。
 アイノマは、半身を湖に沈め、細くやつれた首を力なく岸に横たえていました。彼女の瑠璃色の美しいうろこは鮮やかな色を失って、まるで泥砂の塊のようになっていました。いつもと様子が違うことは一目でわかりました。アングルボダは跳び起きて、どしんどしんとアイノマにかけよりました。
「娘よ! どうしたんだい? 返事をおし!」
 アイノマは答えず、瞳も縫われたように閉じられたままです。耳を近づけると息の音が聞こえますが、それはいつ消えるともわからぬかすかな音でした。アングルボダは兄のひとりに命じて、月の涙をもってこさせました。
「だからもの思いはほどほどにせよと、あれほど言ったのに。さあもどっておいで! 母を心配させるでない」
 アングルボダはアイノマに月の涙をふりかけました。しかし、何滴ふりかけようと、娘はいっこうに目をあけません。母は驚きのあまり、心臓が奈落に吸い込まれるように思いました。
「なんてことだ! この薬がきかないなんて、そんなことあったためしがない! アイノマよ、アイノマよ、どこまでいったんだい?」
 アングルボダは何度も呼びかけましたが、娘は目を覚ましませんでした。取り乱したあまり、アングルボダは空を裂くような叫びをあげました。すると火の山が同調して苦しげにうめき、岩の湯が涙のようにちょろりとほとばしりました。姉のひとりがあわてて彼女をなだめ、言いました。

(つづく)





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2015-05-24 07:15:43 | ちこりの花束

海の向こうから
虹がせりあがってくるのを
初めて見ました
星々は
天使の軍隊のように
歌いながら行進していました
真実とは
知るものではなく
満身に浴びるものだったのです

初めて出会ったのかと思うくらい
永い永い間
お会いしませんでしたね
わたしたちは ただ
目を閉じていただけだったのでしょうか




(1999年5月ちこり増刊号、短詩)







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スズメ

2015-05-23 06:21:30 | ちこりの花束

 先日、出産間近の大きなおなかを抱えて、私は鳴門駅近くの商店街を歩いていました。春には満開の花で空をおおっていたソメイヨシノの並木も、今は青葉の盛りです。そこらじゅうにスズメがいました。巣材にする紙くずをくわえていたり、追いかけっこをしていたり、エサをついばむのに余念がなかったり。
 ふと、思いが飛びました。愛って、スズメのようなものかもしれない。
 どこにでもいる。声が聞こえる。姿も見える。でも捕まえようとすると逃げていく。そこらじゅうにいる。あふれるほどいる。平凡で、当たり前で、だれも、気づかないけれど、私たちのまわりに、そばに、いつもいる。
 何だか、胸に、うれしさが染みてきて、一人笑ってたら、まるで、そのとおりだよと言わんばかりに、一羽の小さなスズメが私の目の前にぽとりと落ちてきました。そしてそこらの地面をちょろちょろとついばんだ後、また空に向かって、飛んでいきました。青空には絹糸のような雲が一筋流れていて、私の胸から、悲哀に似た情感が、風のように吸い上げられていきました。わけもなく涙が出ました。
 悲しいことがあったり、うれしいことがあったり、人生って不思議ですね。まるでメルヘンのよう。
 みなさんの所にも、時々、そんな秘密のメッセンジャーがきませんか? それは小鳥だったり花だったり、動物や、空の星や雲や、人だったりするんだけど……
 心のアンテナを広げていたら、きっと見つかります。見つけたら、私にも、教えてくださいね。


(1997年7月ちこり10号、編集後記)



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サンドロとレオナルド

2015-05-22 06:09:04 | アートの小箱















思いつくままに並べてみた。どれも有名な絵ばかりなので、一切解説はなしだ。
いろいろと感じてみてくれたまえ。



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