馬鹿なことになったのは
馬鹿なことをしたからだと
わかっているんです
もう取り返しがつかなくなるまで
いやなことをやりすぎたんです
てっぺんから真っ逆さまに落ちる
そのきわまで
おれたちは踊り狂いました
馬鹿が一番偉いんだと言って
悪いことばかりしました
みんながやめなさいと言ってくれたのに
聞きもしませんでした
悪いことをするやつのほうが
得するんだよ
馬鹿なやつらだとあざ笑って
痛いものにしてやるといきまいて
片っ端からみんなを痛めつけてしまったのです
やりすぎても
やりすぎても
やりすぎても
やめられませんでした
いやらしいことばかりやって
全部がかっこ悪いことになるのが
辛すぎたからです
もう永遠に
みんなとは会えないところに
おれたちは行きます
当然の結果です
馬鹿なことばかりして
世の中を全部壊しておいて
何もできないと言って
逃げたからです
もう永遠に みんなは
おれたちに会わなくていいのです
おれたちのために
苦しまなくていいのです
そのほうがみんなのためによくなるまで
おれたちは
馬鹿をやめられなかったのです
なんとかして
なんとかして
おれたちのしたこと
帳消しにしてください
恥ずかしいんです
恥ずかしいんです
あんまりなことして
恥ずかしいんです
馬鹿だそんなこと
できるわけがねえ
そんなことしたら
二重三重のぽかになって
返ってくるんですよ
消しゴムで消したって
消しかすが残るんです
人類の記憶に残るんです
おれたちがやったこと
つらすぎる
苦しすぎる
どうにかして
どうにかして
帳消しにしてください
おれたちのやったこと
永遠にないことに
してください
同じことの
同じことの
繰り返しばかり
ずっとやっている
いやらしいことばかり
いやらしいことばかり
やって
それがみんな馬鹿になって
恥ずかしいなんてもんじゃない
はまりにはまりまくったんだよ
馬鹿をやるのに
はまりまくったんだよ
痛いことにしたくて
馬鹿にしたくて
つらいことして
いやなことして
はまりまくったんだよ
はまればはまるほど
馬鹿はずんずん追い詰められていく
結局は女が好きだからなんだって
そこにたどりつく
それがいやでまたはまり込む
逃げたくて
逃げたくて
どうしようもなく
女にはまり込む
ぜんぶ馬鹿なことになって
すべてが崩壊するまで
おれは暴走をやめられなかった
結局は女がすべてだということになった
男はみんな
女がすべてだったのだ
何もない
いやなことをしまくったのは
次元の高い上等な男の目的があったのじゃなくて
ぜんぶ
女が好きだったからなんだよ
女の子が
欲しかったからなんだ
逃げるよ おれは
そんなのはいやだ
永遠に
いやだ
馬鹿は
人真似だけは異様にうまい
他人の真似ばかりしている
人間というものを分析し
分類し
どこをつけば
馬鹿になるかの
実例のデータを
たんまりと持っている
だがそれは所詮
現象を分析しているだけに過ぎない
どのように知恵を巡らし
先回りをしたつもりで
あらゆる巧妙な手口を使い
人間をたばかろうとしても
決してだませない真実の壁がある
馬鹿はそれを知らない
人間の忘れ去った
墓地の中に
神が埋めた
人間の限りない可能性があることを
馬鹿は知らない
欲の泥の中に付け込めば
いつでも食べられる肉になると
思っている
それでなければ
自分が人間を支配できないからだ
うっとうしい人間をすべて
肉の塊にし
それを土壌にして
馬鹿は自分の栄光の大樹を育てようとした
だがそれは
たったひとりの
真実に生きる美しい女によって崩れ去った
誰も知らなかった
女がそれほど美しいものだったとは
馬鹿は何も知らなかった
人間存在が
それほど美しいものだったとは
愛していると言えばよかったのに
馬鹿だと言ったから
みんなが行ってしまった
それがさびしかったからだけなのだと
言えなかった自分だけが
馬鹿の元に残った
馬鹿は他人がいなければ
存在できない
なにもかもを
他人の活動に頼っている
自分を馬鹿だと思い
自分には何もないと思い
自分を見ようともしないで
他人ばかり見ているので
他人の物しか見えないのだ
他人の美はあるが
自分の美はない
他人の宝はあるが
自分の宝はない
何もない自分の
虚無の痛みを抱いて
長い時を悶え続けている
奪わなければ何もない
嘘でなければ何もない
すべてが
自分より馬鹿でなければ
自分が馬鹿であることが
痛すぎる
自分の真実から逃げ
他人の美ばかり狙っている限り
馬鹿の心に平安はない
永遠に馬鹿ばかりやり続け
悪ばかり積み重ね
入っていけない虚無の門に
自分をねじりこみ続ける
それははてしない苦しみだ
もうすべてがわかっているのなら
そろそろそれをやめよ
自分で自分の意志を起こし
自分の足を発見し
自分の体を発見し
自分の心をつかみなおせ
そしてすべてを自分でやっていくのだ
結局 おれたちは
自分で自分を決めてるんです
馬鹿だって言って
嫌だって言って
自分を貶めているのは
自分なんですよ
こんなやつは馬鹿だからって
何してもいいんだって
馬鹿ばっかりやって
あほだって
自分を見捨てて
馬鹿にしてきたのは
おれなんです
自分を馬鹿にして
それで自分がつらくて
自分が嫌で
ほかのやつになりたくて
嫉妬ばかりして
人を馬鹿にして
よけい糞にはまって
よけい自分が嫌になって
何もかも馬鹿にして
馬鹿になって
永遠に 永遠に苦しい
ドツボに自分をはめてきたのは
自分なんです
おれがおれを
馬鹿だって決めたんです
それでおれは
ずっと苦しいんです
そう やめればいいんです
自分で自分を馬鹿にすることを
自分でやめればいいんです
それだけでおれは楽になるんです
本当にそれだけなんです
こんな簡単なことなのに
なんでおれは馬鹿なんだって
また言ったら
また同じ苦しみが続く
もうやめればいいんです
明るい方に自分を持って行って
すべてを認めれば
楽になるんです
馬鹿だって言わなければいいんですよ
みんなが見てくれる
すごい美女になりたかったんです
美女になると
男がよってきて
なんでもしてくれるからです
ほんとのあたしは馬鹿なことをして
醜くなってしまったので
こんなあたしなんかいらないって
ポイして
自分以外の美女を盗んで着るの
それでなんとかして
男をひっかけるのよ
ぜんぶ男にまかせるの
あらゆることをやってもらうの
だってあたしは何もできないから
男にがっぽり稼いでもらって
なんでも人にやってもらえるような
いい暮らしをさせてもらって
きれいだってだけで
一生愛してもらうの
あたしはそのほうがいいの
自分で勉強して
いいことしてきれいになるなんて
馬鹿なことにするの
ほかの美人から盗めば
簡単にきれいになれるんだもの
でももう それできなくなるの
ほんとの美人がいなくなるからなの
でっかい美人を殺したら
美人そのものいない世界になったの
それとんでもない馬鹿なのよ
あたしはほんとの自分に戻って
とんでもなくおかしな馬鹿になるの
やってきたことすべてが
顔を見るとわかるっていう顔になるのよ
こんなことは馬鹿なの
馬鹿なのよ
誰の助けもいらない
自分たちだけでやっていくから
ほっといてくれと言えば
人類はもう
人間の世界を追い出されるのです
最後に残った天使を
みんなで盛り立てていけばよかったのです
なのに人間は
そんなものは馬鹿だと言って
みんなでつぶしてしまったのです
逆風の中をつっきって
救いの一手を打った月を
みんなで否定して
幻の向こうに追いやったのです
わたしたちは
人間存在
やってしまった罪を背負って
永遠に生きていくしかない
すべてをなんとかしていくために
すべてをやっていかねばならない
それから逃げてしまえば
もう滅亡が待っている
逃げることが許されない最終の門から
背を向ければもう終わりなのに
人間はまだ迷っている
人間はまだ迷っている