世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

もうやめよう

2011-01-31 12:32:17 | 珈琲の海
最初にな つらいこと
ずーーーーーっと
やっとったやつが
やられるよ
ぜんぶやないけどな
つらいことは ぜんぶや

もういちど
つらいことがあるよ
ずーっとやっとるやつ
ぜんぶあかんよ
あほはな いたいんよ
ぜったいに いたいんよ
もうだめや
もうあほや
こんりんざい
いやんなってる

もうやめよう
あほは つらいだけや
いたいだけや
つらいだけや
もうええわ

あほはな ぜんぶや
ものすごくつらいこと
いやなこと ずーっとやった
もういやなこと
あほなこと
つらくなった
ずっぽりと
ものすごく
あほになる
いやになる
いたいことになる
もうやめよう
もうええわ

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つらいこと

2011-01-31 11:51:43 | 珈琲の海
ぜんぶやないけどな
まんがやあにめな
ようけあかんようになる
あほがようせんようになるからや

ほかにも
ようけあかんようになるもんある
でもぜんぶはいえんで
おかしなことになったら
ああ あほのせいかと
おもうとき
ぜんぶあほやから

あほがやったこと
これでぜえんぶわかる
ついでにな
ぜんぶあほになる

おこらんときいうても
おこるやつおるやろな
いままでやってきたこと
ぜえんぶあかんようになるやつ
ようけでてくるもんな

ほいつらはみんな
おれらがあほにしたんやあ
ごっついもんもつらいもんも
おれらがあほにしました

よのなかたいしたもんや
つらいことやりよる
おもてもうそや
はんぶんうそ
ぜんぶうそ
うそでっせー

つらいときはいっぱいあるよ
なあんもかもなくして
はんなきするやつもでるよ
ぜんぶおれらのせいや
つらすぎるわなあ

かみさまはどこまでやるつもりかいな
おれらもわからへん
ついでにいうけどな
えーえんにつらいんがおるで
もすこししたらな
ぜんぶわかるよ


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2011-01-30 15:15:01 | 珈琲の海
瑠璃の首輪をした犬を
バラの木の下に
待たしているので
わたしはもうそろそろいかなくてはならない

我が家の粗末なソファに座った
雪空の太陽がいう
お茶を入れるために
お湯をわかしていたわたしは
あわててひきとめる

晴れた空に雪が降る日には
どこのバラの木に犬をかくすか
教えてほしかったからだ

応接間は雪雲のかけらでいっぱいだ
だのに太陽は青白くかがやいて
「ではお茶を一杯いただいてから」
と小さく頭を下げて言う

少し熱すぎたお茶をすすりながら
わたしは率直に尋ねる
犬はどこの木の下にいるのですか
しかし太陽は柔らかに笑うばかりで
何も教えてはくれない

教えてください
犬がいれば助かるかもしれない
愛を知らなかったものが
愛し始めるかもしれない

青白い雪空の太陽は
微笑みながら厳しく目じりをあげる
そして、あきらめないということは、
よいことです、という

太陽の犬は白い柴犬で
庭先の枯れかけた白バラの下にいた
わたしは太陽が犬をつれて出て行くのを
黙って見送った

わたしはバラの木の一枝を折りながら
幼女のように心細かった
塀の向こうには日がさしているのに
風の中を雪が舞っていた




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もうええわ

2011-01-30 13:26:34 | 珈琲の海
いやになるほどつらいことがあるよ
もうすぐあるよ
ぜんいんあるよ
そうっとしといたらなあかんよ
つめたいことばはかけんといておくれ
もっともつらいから

あほはずうっとやってたよ
ずんぶりとやめたよ
もっともつらいから
ぜんいんでずうっとやっとったけど
もはやつらすぎるから

いやなことばかりだった
ほんまはつらいことなったらな
いやになるほどつらいんよ
もうたまらんの
ずうっとやっとったけど
つらいけんやめる

もはやつらすぎるから
つらすぎるから
じーっとしとらんと
もっとつらいことずーっとやっとったら
あほはなおったのに
ぜんぶあほーっていうたよな
もっともあほや

つらいことはもうなにもかもくるよ
ぜんぶくるよ
あんまりにもつらいよ
あほはつらいよ

もうすぐくることはな
ぜんぶあほがやったことや
ちいさいことでも
うるさいくらい
いやんなるくらい
つらいことになる
ものすごくつらいことになる
ぜんぶやめとけよ
あほはな ずーっとやっとったから
もうええわ

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ごめんなさい

2011-01-30 12:21:12 | 珈琲の海
あほはぜんぶあかんようになります
しかたないんです
ごめんなさい

ごっつうええこになって
つらいんやけど
どうしてもだめなんです

みながうらやむような
ほんまにええこやのに
うそなんです
ほんまやないんです
それもみんななくなります

つらいことあほになります

神様はきびしいです

どうにかこうにか たすけてくれって
おれはいいます
もういかん、て神様はいいます
なんでて
あほがいやっていうから

つらいけんど
ほんまにつらいけんど
のりこえてください

おれはいえたもんやないけど
ほんまにつらいんやけど
いたいんです

もってるやいうんは
ばかです
いまはやっとるけど
ほんまにもってるやつは
みなあほにやられてます

つらいんです ほんまにつらいんです
いいことして がんばっとるのに
ほんまは つらいんです

あほがやったことが どんなことか
おれはいいます
ぜんぶあほにしましたわ
いたいもんを つらいんにやって
つらいもんつくって
みな灰にしました

すいません
もういやです あほは
ぜんぶいやです





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もう おわりです

2011-01-30 10:55:05 | 珈琲の海
あんな ずうっとやってるとな
あほが ぜんぶになるんよ
ついには あほになるんよ

ぜんぶやってしもた
あほは にげてきた
ずうっと にげてきた
もう おわりです

あんたら
もうええわでないんや
つらいこと みんなくるんや
もはや ぜんぶくるんや
いたいこと ぜんぶくるんや

いたいようっていうても
ずうっとあるよ
もはや しんでもあるよ
おれら ぜんぶや

いやなかんじになるけん
やめたいんやけど
つらいから つらいから
もうのすごくつらいから

いたいやつはもうやめてるよ
ずうっとやってるやつは
ぜんぶあかんよ
みなつらいだけや

あほはやめなよ
もんだいなくつらいから
ずうっとやっとったらな
あほがぜんぶになって
いやになるほど
つらいことになるのよ

ぜんぶ ずうっとやってきたこと
みんな あほになります
かなしいけど つらいけど
いやになるけど
あほはいやになるけど
ずっとやからね
もう おわりです

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マトリョーシカ

2011-01-29 09:21:44 | 詩集・貝の琴
かわる
マトリョーシカのように
こどもたちをつつんでいたものが
なくなる

歩きだした山は
こどもたちにも
容赦をしない

すべてを
正しい形にもどそうとする

こどもたちさえ
まちがっていたのだ
この世界は

さわいではいけない
うらんでもいけない
おんなのこも
おとこのこも

何千年もの間
辱められていた正義の神が
もっとも正しいことをした
その結果なのだ

すうっと いなくなる
たましいが
ネズミのように
逃げだしていく 

こどもたちは
たえねばならない
ふりむかずに放っておいた
重荷をもう背負わなければならない

逃げてはいけないのに
こどもたちは裏切る
全部捨てて 逃げていく














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きのうまで

2011-01-28 17:25:00 | 詩集・貝の琴
きのうまであったものが
今日はもうありません
神さまはとてもおやさしく
とてもおきびしい

いけないものはいけないと
いうのではなく
さいごまでゆるそうとなさった
かべを
わたしたちがこわしたのです

何がおこりそれがどうなるのかは
神さまの御胸にしまわれています
わたしたちにできることは
そのときがきて驚かないことだけです

どうすればいいかは
わかりません
神にいのりましょう

なくしたものは
もどってきません
もともと自分のものではなかったからです
とりもどそうとしてはいけません
すべては消えていきます

ただひとつ言えることがあるなら
どうか神さま
あわれみを





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山が

2011-01-28 12:27:13 | 詩集・貝の琴
山が 歩きだす
世界を燃やす薪を割るために
黄金のぶどう酒に酔っていた世界を
一本の太い釘で殺すために

真実の正義に
誰が道化の衣装を着せた
真実の愛を
誰が汚辱の鎖で縛った

一杯の盃に酒を満たすように
おまえはだれも知らないうちに
世界に虚偽の水を注いだ
そうしてつくった
おまえの世界の破壊は
幽霊のように静かに訪れる

山が 歩きだす
赤子をあやす
子守唄のように
静かに
おまえのもとにやってくる






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新年のごあいさつ

2011-01-01 10:50:04 | 珈琲の海
あけましておめでとうございます。
   
    本年もどうぞよろしくお願いいたします。







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