ブログ上で9条を中心とする改憲論議が盛んだ。
私は基本的にはその個々について批評する気は全くないが、皆にこれだけは考えて居て欲しい事がある。
私の考え
なお最初に言っておくが私の考えは、憲法は基本的に現実に合わせて変えた方が良い。
然し、9条やそれについての改憲については、超党派のシンクタンクを設置し、あらゆるケースについて時間をかけて十分に討議し、その結果を国民に周知した後、討議決定すべきだと考えている。
1.9条があったから日本は戦争しないでおれたと言う議論
私は日本は既に戦争に加わっていたと思う。
つまり、
(1)湾岸戦争のときの一方の側のみへの資金提供
これは正式な戦争行為には当たるかどうかは私も判らない。
(戦後の機雷の掃海作業は戦争行為に入らない)
(2)アフガニスタン、イラク戦争の時の後方支援
米国や連合軍に反対する勢力からみれば、明らかに明らかに戦争行為だ。
(3)イラク戦争の時の自衛隊派遣
米国に反対する勢力からみれば、明らかに利敵行為だ。
(特に現在も続いている米軍用物資などの空輸は完全な戦争行為)
水関係などの救援作戦の場合は幸いにも、一人の死傷者も出さず、発砲せずに済んだ。
もしそう言う事態になれば、誰の眼にも戦争状態にあると言うだろう。
然し、もしこの様な事態がもし起こっても、小泉さんは絶対に自衛隊の撤退をしなかっただろう。
そうすれば、世界中のもの笑いの種になるからだ。
これ等の事が戦争行為であることは、もし米軍またはその連合軍の敵が今までのように圧倒的に弱い国でない時のこと、例えば第二次世界大戦を考えれば判ることだ。
日本が支援しているA国の敵国は、A国の戦力を弱める為に、あらゆることをしてくるだろう。
第一に後方支援する日本の艦船を潜水艦、戦闘機、ミサイルで攻撃してくるだろう。
また場合によれば、日本に厭戦思想を起こらせるように、直接爆撃をしたり、ミサイルの攻撃をするかも判らない。
これは明らかに戦争だ。
つまり今までは弱小国相手だったから、戦争に加担していても、自衛隊は安全でいただけの話だ。
逆説的に言えば、日本がもし独自でも十分に国を護れる軍事力があれば、国連憲章を引っ張りだして、米軍の支援と言う戦争行為をしなくても済んだのだ。
ここで私たちが考えなければならないことは、改憲反対論者は、自衛隊派遣のときは、戦争に参加するものだと反対していたのに、改憲論議になると9条が日本を平和にさせてくれたと言う。
なお困った事に改憲論者は、今まで日本が中東でやってきた事を戦争行為など絶対に口に出さない。
何が戦争行為かはっきりしなければ、9条の論議など全く意味が無くなってしまう。
それから、今盛んに論議されている集団的自衛権の論議の仮想敵国は、今までのような弱小の国でない可能性もあるかも知れないことも考えておく必要があることだ。
2.憲法や国連憲章の解釈で戦争行為に加担することになるかも知れない自衛隊を派遣できるのか
今まで日本は、自衛隊の派遣に際しては、度々憲法の解釈を変えてきた。
そしてそれでも派遣の理由がたたないときは、国連憲章まで持ち出してきた。
平和憲法を戴く日本が、戦争行為に加担することになるかも知れない自衛隊の派遣をこんなあやふやなことで、決定して良いのか。
改憲問題と中曽根、若宮さんの意見で書いたが、
テレビ朝日のサンデー・プロゼクトで護憲運動の先頭を走る朝日新聞の若宮啓文論説主幹が、9条に関連して、「日本は今までアフガン、湾岸戦争、イラク問題等を憲法解釈を変えて処理して来た。それで今更何故憲法を変える必要があるのか」と言うのだ。
私の意見は、このような重大な問題こそ政権によって適当に解釈されないように、憲法にしっかり明記して置くべきだと思う。
まして、日本の重大な方針を決定するのに、憲法にないからといって国連憲章まで持ち出すなど、独立国として恥ずかしい事だと思う。
3.現実と遊離した憲法の前文
9条問題の基本となる前文には
平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
とあるが、現実は
拉致事件と言う国家犯罪を犯したり、武力による恫喝外交をするするなど、その国民の公正と信義に信頼出来ない国。
敗戦のどさくさに紛れて、日本領土を侵犯したままの国。
基本政策に反日を掲げている国。
多くのストレスを抱えた国。
これは憲法前文で想定した前提と明らかに違っている。
平和主義は私も賛成だが、憲法で想定していなかった、このような国が出てきた時の日本の対応も憲法で示して置く必要はないだろうか。
4.如何にして日本を護るか。
今の憲法論議、特に9条については、改憲、護憲の双方とも、日米同盟をなんとなく未来永劫のものとして考えているような気がしてならない。
私たちは、米国の現実の把握とその将来の予測をして改めて如何にして日本を護るべきかを考えてる必要があると思う。
米国も多くの不安要因を持っている。
世界からみれば必ずしも好感を得ていない。
歴史の中で、米国は最悪の国として描かれる可能性もある。
二次大戦後、世界で一番余計によその国で戦争をした国。
国連で一番拒否権を発動し、いまのテロ行為を誘発、拡散させた国。
若しその様な評判の悪い米国がぽしゃった時、それに頼りきった日本の世界における立場や防衛問題ははどうなるか。
私たちは、過去、現在の現実を直視し、長い眼で将来を予測した上で、憲法の論議をすべきだと思う。
どうか改憲、護憲論者とも自分の都合の悪い事に眼を瞑らないで頂きたい。
その憲法が日本の行方を決めるのだから。
参照:
憲法改正論議と現実
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