前日に続いて、6月10日の「たかじんのそこまで言って委員会」で取り上げられた話題についての感想を聞いて下さい。
<<裁判員制度の導入>>
私は裁判員制度の導入は基本的に反対だ。少なくとも今導入することは時期尚早だと思う。
Wikipeida によれば、導入の理由と背景として、
裁判員制度は、「司法制度改革」の一環として導入された。国民が刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、司法に対する国民の信頼向上につながることが目的とされている。
と説明されている。
<<裁判不信の原因>>
司法に対する国民の信頼向上につながることが目的とあるが、国民が今司法にたいして、不信感を抱いているのは、
1.一部弁護士の横紙破りのやり方と、それをコントロール出来ない弁護士会のあり方だ。
例えば、麻原裁判当時の新聞報道によると、
オウム真理教の麻原彰晃死刑囚(51)の控訴審を担当した弁護士二人について、「訴訟の迅速な進行を妨げた」などとして処分を求めた東京高裁からの「処置請求」に対し、日弁連は十五日、「裁判が終わってからの処置請求は認められない」として二人を処分しない決定をした。東京高裁はこの決定を強く批判、二人の所属する弁護士会に新たに懲戒請求する方針を明らかにした。
二人は松下明夫弁護士(仙台弁護士会)と松井武弁護士(第二東京弁護士会)。
両弁護士は、麻原死刑囚の訴訟能力の審理が不十分だと主張し、二〇〇五年八月末の期限までに控訴趣意書を提出しなかった。このため東京高裁は昨年三月、控訴を棄却。同年九月には最高裁が特別抗告を棄却し、麻原死刑囚の死刑が確定した。東京高裁はこの十日後、「弁護人は訴訟の進行を妨げ、被告の裁判を受ける権利を奪った」として日弁連に処置請求した。
日弁連は決定で「処置請求は審理中の裁判を迅速に進めるために助言や勧告をする制度で、懲戒請求とは異なる。裁判が終わった後に訴訟を遅らせた制裁として請求するのは不適法」と結論付けた。弁護士が取った行動の是非は「懲戒請求があれば判断する」とした。
東京高裁は「日弁連は弁護士の遅延行為について判断を回避した。同様の行為を防止するためにも処置請求は必要で、今回の判断は極めて遺憾」としている。
この報道について、国民の多くは二人の弁護士とそれを護った弁護士会の対応に怒りまたがっかりしたに違いない。
なにしろ最高裁が言っても、東京高裁が言っても結局は「今回の判断は極めて遺憾」と言うしか無いのだから。
裁判員制度でこのようなやり方がコントロール出来ると思います?
2.被害者が参加できない裁判
このような、被告人を護る為には手段を選ばない弁護士やそれをコントロール出来ない弁護士会に一番怒っているは、勿論被害者とその家族だ。
然し彼らは、裁判を傍聴することしか出来ない。
最近は彼らにも裁判で発言の機会を与えられたそうだが、それも限られた時間と範囲内だ。
被告側に立つ弁護士のやり方に対しては、歯ぎしりをして見ている他しかないのが現状だ。
私は裁判員として民間から起用する前に、被害者やその家族が裁判に参加できるようにするべきだと思う。
彼からが直接裁判に参加すれば大混乱が生じるだろうから、被害者側を代表する弁護士を立てれば良いと思う。
麻原裁判でもテレビで多くの弁護士の人達が、麻原側の弁護士の批判をしていた。
然し、被告側の弁護士から言えば彼らは犬の遠吠えをしているのに過ぎない。
これを見ている視聴者にの残るのは裁判への不信とストレスだけだ。
3.密室での尋問から生じる数々の冤罪事件
これこそ国民の大半が裁判に不信を抱いている一番大きな問題だろう。
素人の裁判員が検察側から提出したいかにも尤もらしい証拠を判断する能力は殆どないと思う。
それらの正否を判断する大きな材料は、如何にしてその証拠が集められまたは作られ、如何にして被告から供述を引き出したか のオープン化だろう。
この事は、最近良く言われているが、裁判員制度導入のに前提として、これらのオープン化、透明化が絶対条件だと思う。
<<素人の裁判参加の問題点>>
もう一つ私の反対の理由は、素人の裁判への参加は多くの問題点があり、それを克服する手段が取られて居ない事だ。
裁判員制度に似た制度として米国で採用されている陪審員制度がある。
Wikipdiaによれば陪審員制度のデメリットは、
・ 陪審員の感情や偏見に左右され易く、地域感情や歴史的経緯などの点で『よそ者』『嫌われ者』が不利になることも否定できない。
・陪審員の同情を引いたり心証を良くするために、芝居がかった裁判進行やプレゼン技術の優劣が競われがちとなる。
の他陪審員自身と国の負担の増加が上げられている。
昔読んだ米国の裁判に関する多くの小説の中で、検事と、弁護士が陪審員の同情を引く為の弄した権謀術数の数々を読んだ記憶がある。
小説なら面白く読めるが、いざ私が裁判員になった時、その際に正確な判断が出来るか否かの自信は全くない。
だから裁判員の候補として上がっても断りたいのは私だけではないと思う。
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