普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

親の理不尽な要求、抗議に学校苦慮

2007-06-19 06:29:18 | 教育問題

親の理不尽な要求、抗議に学校苦慮…読売調査 (6月18日  読売新聞)
によれば、
 子供の通う学校に理不尽な要求や抗議を行う親に、全国の公立小中学校や教育委員会が苦慮している実態が、読売新聞の調査で明らかになった。

 具体例の中では、
・「自宅で掃除をさせていないから、学校でもさせないでほしい」
・「(子供同士で小さなトラブルになった)相手の子を転校させるか、登校させないようにしてほしい」
・「子供が精神的に傷ついた」と抗議したり、子供が起こした自転車事故なのに、「学校の指導が悪い」と主張したりする例もあった。
中には
・「うちの子は家で掃除をさせていないので、家でもさせないで欲しい」
などの極端な例もあったそうだ。

 親からの継続的なクレームに対応するため、教師が部活動の指導やテストの採点作業の時間を奪われたり、精神的なストレスを抱えたりすることも多く、「教育活動に支障を来している」との声が出ている。

 一方、教委では、クレームを想定した対策として、
・「管理職と教務主任を対象に研修を実施」
・「教委に親対応の専門職員を置いている」
・「目に余る時は警察と連携する」
・問題行動を起こす親を精神的にサポートする必要があるとして、「臨床心理士と協力して対応する」
・「学校が弁護士に相談できる制度をスタートさせる」
など上げている。
 教育再生会議も今月1日に公表した第2次報告の中で、精神科医や警察官OBなどが学校と保護者の意思疎通を手助けする「学校問題解決支援チーム(仮称)」を各教委に設置するよう提言している。
そうだ。

<<権利と責任>>
前に何度か書いたが私の昔経験したことを聞いて頂きたい。
息子が学校から持って帰った試験の答案を見ました。
「お母さんからお菓子を二つ貰いました。弟がそれを見て一つ呉れと言いました。貴方はどうしますか」と言った問題でした。
息子の解答は「弟に一つ別けてやると」書いていましたが、[×]がついていました。
つまり二つ貰ったのはその子の権利だから、それを主張すべきだ と言うのです。
私は驚いて、学校がそう言うのならそう覚えるしか仕方がないが、うちの家だけは権利より兄弟への思いやりの方が大切なので、 息子の書いた通りにしなさいと言いました。

私がこれをブログで紹介したところ、「そんな嘘を書くのは止めろ。」とコメントが来たことがある。
つまり今の人が嘘だと思うような教育が行われていた例だ。

また昭和50年ころデパートで見た、「憲法には権利の記述はあるが、義務の記述は全くないのである」書かれた中学の社会の教師用の指導書(これには当時教科書裁判で名を馳せていた、某大学教授の推薦がついていた)などから考えて見ると、戦後間もなくは学校で、民主主義の基本的な権利重視の教育が行われていたのだろう。

Being able to exercise one's rights is fundamental to democracy.
(権利を行使できるということは,民主主義 にとって基本的なことだ。)

と言う言葉がある。

最近、「学校の地域への開放」が良く言われている。

これは如何に過去は学校と言う閉鎖社会で、権利の行使を中心とする、中途半端なデモクラシーの教育が行われていたことを示している。

一方、地域社会では敗戦以来の自信の喪失と米国型教育の浸透で、学校で教わった事やマスコミの報道などから次の二つの人達が出て来たようだ。

1.私たちのように昔の思いやりなどの古い日本的な価値観を捨てきれずに、自信ないながらも、子供にもそれを伝えた(多分)多くの人

2.中途半端な民主主義を、そうだそうだと、そのそのまま呑み込んだ(多分)一部の人達
それは私たち70~80歳の年代の人達の言動を見れば想像出来る。

2.に分類される親に育てられた子供達は当時の学校教育をそのまま受け入れ、権利の主張こそ民主主義だと思って育ったのに違いない。

そして、権利の一方にある責任は、他に対して要求するものだと思ったのだろう。

そしてその子が大きくなり、親になり、子を産む、その子が親になり子を産む。
その負の連鎖が現在の、戦前から戦後直後では全くいなかった、学校にとんでもない要求を突きつけくる一部の親となったのだ。

そして、学校は父兄への対処に悩まされているのだ。
つまり学校は自分達もそれを産むのに一部貢献した、過去の負の遺産の処理に追われているのだ。

<<父兄の再教育>>
私は前記の読売の報道にも似たような対策もがあるが、父兄を再教育をする必要があると思う。

現在は学校側に父兄へのクレーム対策の一貫としての再教育らしいことを細々とやっているほか父兄の再教育など放置したままだ。
しかも、これは明らかに学校の業務の範囲外だ。

具体的には、教育委員会に父兄教育の専門の部署を儲けることだ。
そして、学校で対処出来ないこと、例えば良く言われる、給食代の不払いとか、とんでもないクレームの処理を引き受ける。

その担当者は、しっかりした考え方や経験を持ち、父兄を説得できるような人 を選ぶ。

教師へのクレームに対しては、親の言う事そのままにして、教師の処分ばかり考えずに、親の責任についても親にはっきりさせる。
これで過去から現在に至る日教組と教育委員かの対立から協力の方向に進める一助になると思いませんか。

入学、進学などの時期に父兄の教育を行う。
有名人の講演会の開催。
教育に参加出来ない父兄にはその資料を送る。
など多くのやる事があると思う。

これには父兄やマスコミの反対など多くの障害があるかも知れない。
また安倍さんが抑えている教育予算の増額の問題もあるだろう。
然しこれらの努力と費用は、今までおざなりにしてきた、教育問題の放置のつけ と思って処理するしかないと思う。

参照:
責任を問うこと、責任を負うことと自己責任 
教育委員会にやって貰いたいこと 

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