<<年金問題とテレ朝の放送>>
私は6月11日の年金問題と労働組合は無関係?(日々雑感)で年金問題に関連して何故マスコミが労働組合の責任を放送しないのか書いた。
然し11日、テレビ朝日の報道ステーションで社会保険庁の労使の間で交わされた有名な「一日平均5000キータッチ」など105件におよぶ覚書についての放送があった。
私が年金問題と組合の関連について始めた聞いた放送だった。
これについては一定の評価をされても良いと思う。
然しその内容は、
・古館さんの紹介に続いて、コメンテーターとの間の社会保険庁批判。
・一般企業では考えられない覚書の内容の一部の紹介。
・それに関して労組側の幹部との会見。
・彼らの「覚書を国民に理解して貰えなかったのは残念だが、これは社保庁の幹部の責任だ」と言わんばかりの発言。
これについての会見したテレビ側の質問や意見は全くなし。
朝日系のマスコミなら政府関係者や、石原都知事の会見では必ず突っ込みが入るのに。
・この会見放送の後のコメンテーターのコメントもなし。
で、結局、折角の年金問題への労組の関与と、労組幹部の登場と言う、誰でもが関心がありまた価値ある放送の筈だったのは良いが、どのマスコミでもやっている社保庁幹部の責任追求との労組擁護の放送に終わってしまった。
これを聞いいて、何故労組幹部がテレビ朝日(に限って)との会見を承諾したのか、そしてその会見への条件が何であったか何となく判るような気がした。
<<今回の問題の責任>>
私も勿論今回の問題の一番大きな責任は厚生労働省や社保庁の幹部にあると思う。
然し彼ら当事者の立場にたって考えて見ると、
・長官は天下りしてきても数年で交替する。
・キャリアーも1から長くても3年で転任する。
・だからキャリヤーは赴任しても仕事を覚えたころ転任してしまう。
・然し、それでも業務は円滑かつ遅滞泣く進む構成になっている。
・何故ならそこに経験を積んだ、勤勉でモラルの高いノンキャリヤーがいることになっているからだ。
つまり政府機関の組織は、建前では、天下りのトップ と勤勉でモラルの高いノンキャリと、総合的かつ大きな視点を持つた中堅もしくはトップ幹部養成のための各職場を転々とするキャリアーの組み合わせでうまく機能することになっている。
例え専門知識を要する機関に、長官が天下っても、キャリヤーが1~2,3年で転勤しても計算上はうまく行く事になっている。
然し、各省の上層部の眼が行き届く本庁から、社保庁のような外局になり、職員としての義務はそこのけで労働者の権利しか考えない労組幹部に率いられたノンキャリがいると話が変わってくる。
今回のように業務のオンライン化という大きな作業条件の変換のとき、労働条件向上しか考えていない組合が今度のように常識離れした提案をしても、
(1)天下りの長官や幹部のキャリアーは仕事の詳細など殆ど判らない。
(2)そうかと言って、社保庁などという独立した機関にいるため本省にお伺いをたてることも出来ない。(そんなことをすれば本人の能力を疑われる)
(3)労組の要求を拒否して、万一、部下の人達がストや怠業などのトラブルを起こせば将来の昇進に影響する。
(4)どうせ天下り長官も、キャリヤーも後1,2年すれば、その職場を離れる。
などの理由で幹部達は首を捻りながらでも、不当な要求を飲むこともあるだろうとは容易に想像出来る事だ。
これではマスコミの言うように、明らかに社保庁の幹部やそれを管理する立場にある、厚生労働省の責任だ。
然し、組織の不備を良い事にして、途方もない要求を突きつける組合に責任は無いのだろうか。
そして組合幹部は提案した責任は頬かぶりして、人ごとのように幹部の責任を追求出来るのだろうか。
そして肝心のマスコミは社保庁の幹部や厚生労働省の責任ばかり追求することで、問題の解決が出来ると思っているのだろうか。
今回のようなとんでもない不祥事が起こった基本原因を追求する必要はないのだろうか。
例えばキャリヤー、ノンキャリヤーのシステムの見直し を含む官僚制度の改正、特にノンキャリヤーのモラル向上策などの提案が出来ないのだろうか。
<<政府関係機関の不祥事と教育問題>>
これでは私が何度も書くように、教育環境崩壊に大きく関与している筈の日教組への批判が Webでは大きく取り上げられても、マスコミで殆ど報道されないし、国会でも日教組の問題が議題にも上がらない。
なお教育問題で言えばもう一つの大きな問題である、とんでもない父兄への批判はワイドショーなどで面白可笑しく取り上げられるだけで、その対応策の提言は全くない。
教育問題での日教組や父兄の問題の無視または軽視が続く限り、何時までたっても解決されないのと同じように、年金問題に象徴される、政府関係組織の不祥事の問題も、それを構成するキャリヤーの取り扱い、ノンキャリヤーのモラルや自治労の問題を今のように無視している限り教育問題と同じ長い解決の道を歩くような気がする。
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