3月15日、グループホームぽらん気仙沼が11周年を、社会福祉法人千香会さんのグループホームぽらんが12周年を、それぞれ迎えた。
一日も途切れることなく、ひとり夜勤をつないできた職員たちの地道な努力があってこその、毎年の記念日だ。
フランス遠征を企てた若きイギリス王ヘンリー五世。
数倍の敵軍と対峙したアジンコート(アジャンクール)の戦いを目前に控え、敗色濃厚と意気消沈している自軍の兵士たちを、雄々しく鼓舞する。
今日は10月25日、聖クリスピアンの祭日だ、
今日を生きのびて無事故郷(くに)に帰るものは、
今日のことが話題になるたびにわれ知らず胸を張り、
聖クリスピアンの名を聞くたびに誇らしく思うだろう。
今日を生きのびて安らかな老年を迎えるものは、
その前夜祭がくるたびに近所の人々を宴に招き、
「明日は聖クリスピアンの祭日だ」と言うだろう、
そして袖をまくりあげ、古い傷あとを見せながら、
「聖クリスピアンの日に受けた傷だ」と言うだろう。
老人はもの忘れしやすい、だがほかのことはすべて忘れても、
その日に立てた手柄だけは、尾ひれをつけてまで
思いだすことだろう。
そのとき、われわれの名前は日常のあいさつのように
くり返されて親しいものとなり、
王ハリー(注:ヘンリー5世)、ベッドフォード、エクセター、ウォリック、
トールボット、ソールズベリー、グロスターなどの名は
あふれる杯を飲みほすたびに新たに記憶されるだろう。
この物語は父親から息子へと語りつがれていき、
今日から世界の終わる日まで、聖クリスピアンの祭日が
くれば必ずわれわれのことが思い出されるだろう。
少数であるとはいえ、われわれしあわせな少数は
兄弟の一団(バンド・オブ・ブラザース)だ。
なぜなら、今日私とともに血を流すものは
私の兄弟となるからだ。
いかに卑しい身分のものも今日からは貴族と同列になるのだ。
そしていま、故国イギリスでぬくぬくとベッドにつく貴族たちは、
後日、ここにいなかったわが身を呪い、われわれとともに
聖クリスピアンの祭日に戦ったものが手柄話をするたびに
男子の面目を失ったようにひけめを感じることだろう。
「ヘンリー五世」ウイリアム・シェイクスピア
(小田島雄志訳:白水社版より)
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。