このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
「ケアハウス虔十での運営推進会議の席上、I管理者が職員手製の防災頭巾を紹介していた。
大きめのタオルを適当なサイズに縫ってその両端にホックを取り付けただけの簡易なものだが、かぶっても、また防寒に肩へ掛けてもいい。
雛人形によく似た色白細おもてのIさんが実際に着用したところは、雪ん子のような可愛らしさだった。
僕の東日本大震災の記憶は、一緒にいた職員の髪に積もった雪と、自分の不甲斐なさだ。
灰色の汚辱に変わった白い雪は、どれだけ手で払っても払っても、決してぬぐうことができない。
あの時に、あんな頭巾があったら。
―いや、そういう問題じゃないね。」