このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
優しく聡明な妹は、死の床にあってなお、他者のことを思いやっていた。
「うまれでくるたてつぎはこたにわりやのごとばかりでくるしまなあよにうまれでくる(今度生まれてくる時は、我がことではなく、他者のために苦しむひとでありたい)」
まがったてっぽうだまのように病室から外へと駆け出た兄は、松の枝からすくい取ったふた碗の雪に心から祈った、
「どうかこれが天上のアイスクリームになって
おまえとみんなとに聖い資糧をもたらすように
わたくしのすべてのさいはいをかけてねがふ」と。
他者のために自分のすべてのさいわいを捧げてから9年後、同じように病に倒れた兄は小さな黒い手帳にその願いを書きつける。
「慾ハナク
決シテ瞋(イカ)ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ」