波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

「あと一周」

2017年02月10日 | 日記・エッセイ・コラム
生は、還暦までが『修行』で、それが終わると本番、だと思っていた。最近、「65~74歳、准高齢者」なる定義が突然に話題になっているが、立男は変な話だと思っている。難しい本に出ていた言葉を使うと「自由な精神に立脚すれば懐疑的にならざるを得ない」。理由は前に書いた。60歳定年後、5年働き、「60歳以後の歩み方は人ぞれぞれ」をつくづく実感する。ゴールだと思っていたら、監督から「あと1週、走って来い」みたいな感じで走らされ、「今度こそ修行終了だよな」と深々と息を吸う最近。出処進退は心身以上に、自分に続く人にタイミングよくバトンを渡せるかどうかが修行の最終課題。だがここらは、実に個人的で、立男は美意識の違いだと思う。
 
日の新聞に「綾小路きみまろさんに聞く 中高年よ、元気に頑張ろう」(2/9朝日 生活面)。きみまろさん(68)は「准高齢者説」賛成で、タモリ(71)、ビートたけし(70)、小倉昭(69)らの目標とする同世代ががんばっているからで、「皆、そうだと思いますよ」なんて言っている。実に特殊な業界の成功者が、もっと大成功した同業者を、『皆』が目標にしているなどというのはどういう了見なのだろう。どこの皆(みんな)だ?あのトランプも70歳なんだが。(次回に続く)
 


画像は「冥誕 加藤周一追悼」(大江健三郎。鶴見俊輔他:岩波書店)。人間らしさの拠りどころが「知性」。加藤周一の知性について、言葉・知識・信念そして美意識という知性の骨格を語る。日米共通の反知性リーダー(既に「的」は不要)に対峙する武器が半世紀前に示されている  こちらのブログに書かない分、公式裏ブログ「波風食堂、準備中です」を続けて書いている。ご飯のことばっかり。
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