このところ、通勤の音楽として聴いているのは、モーツァルトの弦楽五重奏曲第6番、変ホ長調K.614です。モーツァルトが世を去る8ヶ月前に作曲されたという最晩年の作品ですが、ハイドンに通じる明るさとユーモアを感じさせる曲です。
第1楽章:アレグロ・ディ・モルト、変ホ長調。出だしがヴィオラのひなびた音で、でもリズミカルに始まります。この第1主題が全体を通して印象的で、続くヴァイオリンとチェロによる第2主題は明るい響きなのですが、よく似たリズムのせいでしょうか、どうしても第1主題に印象が引っ張られてしまうようです。
第2楽章:アンダンテ、変ロ長調。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のような主題が、様々に変奏されていきます。ここはヴィオラではなく第1ヴァイオリンが主体です。チャーミングですが、コーダでは不協和音も使われており、これは明らかに意図的なものでしょう。
第3楽章:メヌエット。アレグレット、変ホ長調。ヴァイオリンが、丘の上からスキップで降りてくるような旋律を奏でます。このリズムの形を保ちながら、様々な声部に受け渡されて行きます。中間部はゆるやかに変わりますが、再びもとの旋律とリズムに戻ります。
第4楽章:アレグロ、変ロ長調。軽快なロンドですが、そこは最晩年のモーツァルトの曲らしく、複雑なフーガ風の響きと進行も聴き取ることができます。ここは実に見事なところで、「ジュピター」交響曲の終楽章でも感じられるような、五人の奏者がそれぞれ独立に動きながら、全体として見事な調和と統一見せる、といった風情を感じさせるものです。
演奏は、スメタナ四重奏団にヨセフ・スークがヴィオラで加わったもので、LPでよく聴いた1981年夏のDENONによるPCM録音をCDで買い直した、COCO-70514という型番のものです。この頃になると、デジタル録音技術もすっかり安定し、安心して聴くことができます。
■スーク(Vla),スメタナ四重奏団
I=8'22" II=7'41" III=4'21" IV=5'19" total=25'43"
第1楽章:アレグロ・ディ・モルト、変ホ長調。出だしがヴィオラのひなびた音で、でもリズミカルに始まります。この第1主題が全体を通して印象的で、続くヴァイオリンとチェロによる第2主題は明るい響きなのですが、よく似たリズムのせいでしょうか、どうしても第1主題に印象が引っ張られてしまうようです。
第2楽章:アンダンテ、変ロ長調。「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のような主題が、様々に変奏されていきます。ここはヴィオラではなく第1ヴァイオリンが主体です。チャーミングですが、コーダでは不協和音も使われており、これは明らかに意図的なものでしょう。
第3楽章:メヌエット。アレグレット、変ホ長調。ヴァイオリンが、丘の上からスキップで降りてくるような旋律を奏でます。このリズムの形を保ちながら、様々な声部に受け渡されて行きます。中間部はゆるやかに変わりますが、再びもとの旋律とリズムに戻ります。
第4楽章:アレグロ、変ロ長調。軽快なロンドですが、そこは最晩年のモーツァルトの曲らしく、複雑なフーガ風の響きと進行も聴き取ることができます。ここは実に見事なところで、「ジュピター」交響曲の終楽章でも感じられるような、五人の奏者がそれぞれ独立に動きながら、全体として見事な調和と統一見せる、といった風情を感じさせるものです。
演奏は、スメタナ四重奏団にヨセフ・スークがヴィオラで加わったもので、LPでよく聴いた1981年夏のDENONによるPCM録音をCDで買い直した、COCO-70514という型番のものです。この頃になると、デジタル録音技術もすっかり安定し、安心して聴くことができます。
■スーク(Vla),スメタナ四重奏団
I=8'22" II=7'41" III=4'21" IV=5'19" total=25'43"