パブリック・ドメインになった録音を探しているとき、ときどき思いがけないタイトルを発見して、思わずうれしくなって音楽を聴く、ということがあります。今回、そんな思いをしたのが、ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の弦楽セクションによる、チャイコフスキーの「弦楽セレナード」です(*1)。
この曲は、LP時代にはドヴォルザークの「弦楽セレナード」とカップリングされることが多かったわけですが、始まりのキャッチーな魅力でチャイコフスキー、全曲が清新な魅力を持つドヴォルザークと、なかなか良いコンビだったのではないかと思います。当方、これまでカラヤン指揮ベルリンフィル盤と、アントルモン指揮のナクソス盤で聴いておりました(*2)が、オーマンディ指揮するフィラデルフィア管の演奏は、第1楽章と第4楽章に大幅なカット(*3)があるみたい。
■オーマンディ指揮フィラデルフィア管、(CBS-SONY、SONW-20037/38)
I=5'45" II=3'43" III=7'59" IV=4'17" total=21'44"
■カラヤン指揮ベルリン・フィル、(ドイツ・グラモフォン、POCG-9693)
I=8'43" II=3'56" III=8'43" IV=7'17" total=28'39"
■アントルモン指揮ウィーン室内管弦楽団、(ナクソス、8.550404)
I=9'29" II=3'50" III=9'07" IV=7'46" total=30'10"
おそらくオーマンディは、チャイコフスキーの弦楽セレナードを、速めのテンポで軽やかな演奏をしたかったのではないか。カラヤン盤は、低弦をやや早めにずらし気味で、ズザーっというような演奏をしますので、いかにも重厚なドイツ風味ロシア音楽の演奏になりますが、オーマンディ盤の場合は、まるでシンセサイザーのような一糸乱れぬ音で、快速の演奏です。しかも、大胆なカットのおかげもあって(^o^;)、スッキリさわやかなチャイコフスキーになっています。チャイコフスキー本人が聴いたら、目をむいて怒り出しそうな気がしますが、まあ、オーマンディ本人はそれが良いと考えたのでしょうね。演奏家が皆そのようでは困るのでしょうが、当方のような素人音楽愛好家は、オーマンディ流はそれはそれで一つの考え方ととらえることにしましょう(^o^)/
もしかしたらオーケストラ小品集として企画された当時、LPの収録時間の関係でカットを余儀なくされたという考え方もありえます。でも、どれか小品を一曲まるまるカットするという選択をせずに、曲の途中を部分的にカットしたわけで、最終的にはオーマンディの考え方に責任があるのはたぶん間違いないところでしょう。演奏はとてもステキですので、重々しくないチャイコフスキー「弦楽セレナード」をご希望の方には、おすすめです(^o^)/
YouTube にもありました。レコードプレーヤーの回転数の誤差の問題で少々ピッチが違うようですが、数秒間の空白の後に全曲をまとめて聴けるものを:
Tchaikovsky, Serenade for strings Op 48, Eugene Ormandy
(*1):チャイコフスキー「弦楽セレナード」:オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団~「クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~」より
(*2):チャイコフスキー「弦楽セレナード」を聴く~「電網郊外散歩道」2006年6月
(*3):覚え書き
この曲は、LP時代にはドヴォルザークの「弦楽セレナード」とカップリングされることが多かったわけですが、始まりのキャッチーな魅力でチャイコフスキー、全曲が清新な魅力を持つドヴォルザークと、なかなか良いコンビだったのではないかと思います。当方、これまでカラヤン指揮ベルリンフィル盤と、アントルモン指揮のナクソス盤で聴いておりました(*2)が、オーマンディ指揮するフィラデルフィア管の演奏は、第1楽章と第4楽章に大幅なカット(*3)があるみたい。
■オーマンディ指揮フィラデルフィア管、(CBS-SONY、SONW-20037/38)
I=5'45" II=3'43" III=7'59" IV=4'17" total=21'44"
■カラヤン指揮ベルリン・フィル、(ドイツ・グラモフォン、POCG-9693)
I=8'43" II=3'56" III=8'43" IV=7'17" total=28'39"
■アントルモン指揮ウィーン室内管弦楽団、(ナクソス、8.550404)
I=9'29" II=3'50" III=9'07" IV=7'46" total=30'10"
おそらくオーマンディは、チャイコフスキーの弦楽セレナードを、速めのテンポで軽やかな演奏をしたかったのではないか。カラヤン盤は、低弦をやや早めにずらし気味で、ズザーっというような演奏をしますので、いかにも重厚なドイツ風味ロシア音楽の演奏になりますが、オーマンディ盤の場合は、まるでシンセサイザーのような一糸乱れぬ音で、快速の演奏です。しかも、大胆なカットのおかげもあって(^o^;)、スッキリさわやかなチャイコフスキーになっています。チャイコフスキー本人が聴いたら、目をむいて怒り出しそうな気がしますが、まあ、オーマンディ本人はそれが良いと考えたのでしょうね。演奏家が皆そのようでは困るのでしょうが、当方のような素人音楽愛好家は、オーマンディ流はそれはそれで一つの考え方ととらえることにしましょう(^o^)/
もしかしたらオーケストラ小品集として企画された当時、LPの収録時間の関係でカットを余儀なくされたという考え方もありえます。でも、どれか小品を一曲まるまるカットするという選択をせずに、曲の途中を部分的にカットしたわけで、最終的にはオーマンディの考え方に責任があるのはたぶん間違いないところでしょう。演奏はとてもステキですので、重々しくないチャイコフスキー「弦楽セレナード」をご希望の方には、おすすめです(^o^)/
YouTube にもありました。レコードプレーヤーの回転数の誤差の問題で少々ピッチが違うようですが、数秒間の空白の後に全曲をまとめて聴けるものを:
Tchaikovsky, Serenade for strings Op 48, Eugene Ormandy
(*1):チャイコフスキー「弦楽セレナード」:オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団~「クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~」より
(*2):チャイコフスキー「弦楽セレナード」を聴く~「電網郊外散歩道」2006年6月
(*3):覚え書き