電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』を読む

2018年05月12日 06時02分11秒 | 読書
文春文庫で、三浦しをん著『まほろ駅前多田便利軒』を読みました。だいぶ前に、図書館で単行本を借りて読み終えています(*1)ので、今回は再読になります。なんとなく記憶にありましたが、まったく忘れているところもありました。構成は、

第1話:「多田便利軒繁盛中」
第2話:「行天には、謎がある」
第3話:「働く事は、満身創痍」
第4話:「走れ、便利屋」
第5話:「事実は、ひとつ」
第6話:「あのバス停で、また会おう」

というものです。

主人公:多田啓介は、子供を亡くし離婚歴のある、中年とまではいかないがもう若いとは言い難い年齢の便利屋稼業。曽根田のバアちゃんを見舞うという「仕事」を請け負い、帰りに高校時代の同級生・行天を拾います。この行天君、なんとも仰天な性格と言動ですが、やっぱり離婚歴があり、子供が一人いるみたい。

で、東京の南西部、神奈川県に接する架空の街まほろ市で、多田と行天の同級生コンビが様々な依頼を請け負い、なんとか解決していくという流れになっています。登場するのが娼婦やチンピラ、ヤクザ、可愛げのない小学生、偏屈老人に行天の元妻の医師、というもので、いずれも一筋縄ではいかない顔ぶれです。

これがパブリックドメインになっている作品ならば、盛大にネタバレでも良いのでしょうが、現行作品ならばそういうわけにもいかないでしょう。なかなかおもしろかった、とだけ記しておきましょう。



個人的には、タバコを意味ありげに描くシーンはあまり好きではない。若い頃、長く続く咳に苦しんでいる時に、もうもうと紫煙うずまく部屋での会議を強制され、会議中禁煙を提案してもあっさり否決された(*2)のを根に持っているわけではない……いや、あるな(^o^)/
このシリーズの表紙にタバコの絵が登場するのは、某タバコ会社から宣伝費用でも出ているのでしょうか(^o^)/

(*1):自分で購入する本と図書館から借りる本〜「電網郊外散歩道」2014年5月
(*2):岩波新書で小林博著『新版・がんの予防』を読む〜「電網郊外散歩道」2009年3月
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