電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

この事態が2年間続いた場合どうするかを考えるべきだろうか

2020年04月16日 06時02分16秒 | Weblog
※この記事は4月5日に書いたものですが、少々不穏当かなと懸念し、寝かせておりました。どうやら現実の事態のほうが進行してしまい、同様の発表がなされているようですので、日の目を見ることになりました。



新型コロナウィルスによる感染症のニュースが連日続いており、世界中で大変な事態になっているようです。まさにパンデミックの様相を呈しています。国際的に見れば、日本は感染爆発をなんとか抑え込んでいるように見えますが、さてこの事態はいつまで続くのだろうかと不安になります。

そんなときに参考になるのが、「歴史の教訓」でしょう。Google で「スペイン風邪 終息」で検索してみた結果をいくつか読んでみましたが、1918年に発生し、軍隊を中心に感染が拡大し、多くの感染者と死亡者を出して終息した国が多かったようです。1920年にはほぼ流行が止まったようで、日本国内では人口が約5,600万人であったときに、約35〜45万人、中を取って約40万人が死亡したと推定されているとのこと。この死者数は、東京大空襲の10万人、日露戦争の9万人という犠牲者の数をはるかに上回ります。この比率を現在の人口1億2千万人に単純に当てはめれば、86万人の死者数を出して社会が集団免疫を獲得し、終息することとなります。

もちろん、現代では医学や情報技術が進歩し、また衛生意識の水準もはるかに高くなってはいますが、その反面、人の移動が格段に容易になっているため、当時は有効であった「隔離」が難しい面があり、免疫を持たない新たな感染症の爆発的流行に直面したという点では、当時と同じような状況になることは充分に考えられます。

では、第一次世界大戦を結果的に終結させるほどのこの事態が2年ほど続いたと仮定して、それに対応する方策を考えておかなければいけない、ということでしょうか。食料は、ライフラインは、医療は、子供の教育は、仕事と収入の道は、いかに確保していけるのか。おそらくは世界大恐慌に匹敵する経済的インパクトがあるでしょうし、食料輸出国の貿易制限の動きも出てくるかもしれない。産業構造が変わるほどの影響があるということでしょう。

現在の対策が功を奏して、なんとか流行が食い止められればありがたいところですが、思惑通りには進まないこともありますので、さてどうなることか。本当に怖いのは、危機を危機と思わず、集団が「みんなで渡れば怖くない」とばかりに「正常化バイアス」に頼って日常を送ることなのかもしれません。

コメント (2)