電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

旧暦は農作業に役立ったか〜「種まき爺さん」など雪形の役割

2024年03月03日 06時00分56秒 | 季節と行事
この2月は4年ぶりに29日まである「うるう年」でした。これは、地球が太陽の周りを一周するのに365日と6時間ほどかかるために、2年では12時間と半日の誤差が生じ、3年で18時間、4年で24時間で1日分になってしまうために、4年に1回「うるう年」を設けて調整しているのだそうです。これが、現在の太陽暦の場合。

これに対して、いわゆる旧暦、太陰暦は月の運行を基準にしているために、1ヶ月は29.5日で12ヶ月では354日となり、実際よりも11日ずつ前にずれてしまいます。そこで、19年に7回の割合で「うるう月」を挿入し、季節のずれを調整するというやり方(*1)でした。ただし、この「季節感」は「都」を中心としていますから、南北に細長い日本列島では、例えば東北地方では全くずれてしまいます。

そこで、農作業に従事する百姓が経験的に指標にしていたのが、「種まき爺さん」等の雪形(*2)の出現時期でした。これは、太陽の周りを回ることによって生じる季節の変化をとらえているわけですから、大雑把に言えば経験的な太陽暦の簡易指標と言えましょう。おそらく、太陽の運行を基準にした春分や夏至などは農作業に役立つでしょうが、2月の後にまた「うるう2月」が来るような旧暦を、百姓たちはあまり信じていなかったのではなかろうか。

(写真は2006年3月に撮影した月山、撮影場所不明)

(*1): 「旧暦」は現在の暦より季節に合っているの?〜国立天文台ホームページより
(*2): 山形県の主な「雪形」


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