電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

香月美夜『本好きの下剋上』第5部「女神の化身IV」を読む

2021年01月04日 06時01分07秒 | -香月美夜
12月に刊行されたばかりの新刊で、香月美夜著『本好きの下剋上』第5部「女神の化身IV」を読みました。中学生になった孫も夢中で読んでいるらしい物語に、山形のジイチャンも面白くハマっております。この冬休みには ZOOM で話をしようかなどと構想中(^o^)/

それはさておき、第5部第4巻は粛清の余波が漂うエーレンフェストのカルステッド家の様子から。さすがにエルヴィーラは切れ者です。ライゼガングの長老たちの策動をちゃんと把握し、ボニファティウスの加担も見抜いています。でもローゼマインは別世界。旧ヴェローニカ派の母を持つ異母弟ニコラウスが気にかかります。領主である義父ジルヴェスターが言い出した「貴族院での成績はもう上げなくても良い」発言の背景にライゼガング派の圧力があることを把握し側近たちと対策を練りますが、妹シャルロッテの協力は得られても、兄ヴィルフリートの疑いと不満を晴らすことはできません。

エーレンフェストの派閥争いを収束の方向に転換させたのは、側近の一人ブリュンヒルデがジルヴェスターの第二夫人に名乗りを上げたことでした。なるほど、それは考えなかったなあ。まるで戦国時代の姫の役割のような展開に驚きます。親をなくした子供たちを孤児院に迎え入れ、弟メルヒオールとともに神殿の地位向上を目指すローゼマインは、加護の取得という切り札を使ってボニファティウスの理解を得ます。そこに押しかけ側近クラリッサがダンケルフェルガー的勢いで来襲、ハルトムートも大変です(^o^)/

閉ざされたままのキルンベルガの国境門を前に伝承を聞いた「他国の勢力と結び王の追い落としを図った旧アイゼンライヒのエピソード」は今後の展開の重要な伏線ですし、ギーべ・キルンベルガが息子アレクシスに諭した話はなかなか意味深い。この巻では徹底的にヴィルフリートがダメ兄であると描かれ、ヴィルフリートびいきの人には面白くない展開かもしれません(^o^)/



さて、これまで年に四冊のペースで刊行されてきた書籍版ですが、様々な事情で年三冊のペースに変更される模様です。たしかに、コミックもあればアニメ化も続き、海外版も版を重ねる状況では、作者の仕事量もかなり増えていることでしょう。そんなわけで、次巻はおそらく4月刊行か。それまで楽しみに待つことにいたします。


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