発行日に予約入手し、すぐに読了していましたが、発売直後のネタバレはまずいだろうと寝かせていたら、1ヶ月以上もすぎてしまいました。もうそろそろ良かろうと、香月美夜著『本好きの下剋上』第5部「女神の化身」第6巻を取り上げます。
領主会議を終えた後、ローゼマインはヴィルフリートとの婚約を取り消し王の養女となるという秘密を持って、領主ジルヴェスターと妻フロレンツィアとの会話から物語は始まります。ジルヴェスターの放任主義は息子の場合はうまくいかなかったけれど、ローゼマインの場合は逆にうまくいっていることが、フロレンツィアの思惑や発想と対比されて、よくわかります。そして、領地エーレンフェストに戻っての報告会では表面的なことしか話せませんでしたが、領主一族だけの会合では婚約解消が発表され、ヴィルフィリートと妹シャルロッテは驚きますが、祖父ボニファティウスは孫娘ローゼマインとフェルディナンドとの仲を疑います。おじいちゃん、それ、今は正解じゃないけれど、後でよーくわかるから(^o^)/
一年後に王の養女になるからには、アウブの第二夫人となるブリュンヒルデはともかく、他の側近たちも一緒に中央へ移動するのかそれともエーレンフェストに残るのかという選択を迫られます。名捧げ組は文句なしに移動するにしても、未成年組は悩むところです。とくに身近に生活を支える側仕えの不足は困ります。先を読む貴族の母エルヴィーラは、リーゼレータの事情も踏まえた上で、しっかりと手を打っておりました。ローゼマインからリーゼレータへのお願いは、女性読者にとっては胸キュンなのでしょうか(^o^)/ このあたりは古希の爺サン読者にはナゾの世界です(^o^)/ そしてダームエルとフィリーネの関係は不器用に、でも少しずつ進歩します。
いやいや、興味深いのはハルトムートとクラリッサの協力を得てフェルディナンドからの依頼に応え、「最高品質の魔紙づくり」に取り組む過程とカラーのイラストの内容でしょう。木札の下がった試薬びん、試験管、乳鉢、乳棒、蒸発皿、三脚など、この絵柄でイメージするのはもう化学実験以外にはありえません。わーお! 元理科少年は、妙なところで大興奮です。このイラストを描いた椎名恵さんは、たぶん昔の化学実験の経験を踏まえて錬金術師のイメージをふくらませ、これを描いたのだろうな、と想像しています。
もう一つ、子供たちがお茶会を開くと何かが起こるのはすでに定番のようで、このあたりは作者の子育てに基づく実感のような気もしますが、今回はライゼガングの古老たちの軽挙妄動で、実は背後に思いがけない策動があったようです。
下町組のほのぼの感や孤児院での志の立て方などのエピソードの一方で、アーレンスバッハでも動きがありました。領主の死去でディートリンデが領主となるわけですが、これが実にヒドい。王命で婚約者にされたフェルディナンドはお気の毒ですが、本人はゲオルギーネを牽制する一方でアーレンスバッハの実務を担い、家臣団の信頼を得つつあります。そこへランツェナーヴェ国の使者がやって来てディートリンデに取り入り、不穏な動きはしだいに現れつつあるようです。
◯
WEB 版ではすでに完結しており、これからどうなるのかは承知しているわけですが、次巻はいよいよあの場面か。期待しつつ、冬の第7巻の発売を待ちましょう。
領主会議を終えた後、ローゼマインはヴィルフリートとの婚約を取り消し王の養女となるという秘密を持って、領主ジルヴェスターと妻フロレンツィアとの会話から物語は始まります。ジルヴェスターの放任主義は息子の場合はうまくいかなかったけれど、ローゼマインの場合は逆にうまくいっていることが、フロレンツィアの思惑や発想と対比されて、よくわかります。そして、領地エーレンフェストに戻っての報告会では表面的なことしか話せませんでしたが、領主一族だけの会合では婚約解消が発表され、ヴィルフィリートと妹シャルロッテは驚きますが、祖父ボニファティウスは孫娘ローゼマインとフェルディナンドとの仲を疑います。おじいちゃん、それ、今は正解じゃないけれど、後でよーくわかるから(^o^)/
一年後に王の養女になるからには、アウブの第二夫人となるブリュンヒルデはともかく、他の側近たちも一緒に中央へ移動するのかそれともエーレンフェストに残るのかという選択を迫られます。名捧げ組は文句なしに移動するにしても、未成年組は悩むところです。とくに身近に生活を支える側仕えの不足は困ります。先を読む貴族の母エルヴィーラは、リーゼレータの事情も踏まえた上で、しっかりと手を打っておりました。ローゼマインからリーゼレータへのお願いは、女性読者にとっては胸キュンなのでしょうか(^o^)/ このあたりは古希の爺サン読者にはナゾの世界です(^o^)/ そしてダームエルとフィリーネの関係は不器用に、でも少しずつ進歩します。
いやいや、興味深いのはハルトムートとクラリッサの協力を得てフェルディナンドからの依頼に応え、「最高品質の魔紙づくり」に取り組む過程とカラーのイラストの内容でしょう。木札の下がった試薬びん、試験管、乳鉢、乳棒、蒸発皿、三脚など、この絵柄でイメージするのはもう化学実験以外にはありえません。わーお! 元理科少年は、妙なところで大興奮です。このイラストを描いた椎名恵さんは、たぶん昔の化学実験の経験を踏まえて錬金術師のイメージをふくらませ、これを描いたのだろうな、と想像しています。
もう一つ、子供たちがお茶会を開くと何かが起こるのはすでに定番のようで、このあたりは作者の子育てに基づく実感のような気もしますが、今回はライゼガングの古老たちの軽挙妄動で、実は背後に思いがけない策動があったようです。
下町組のほのぼの感や孤児院での志の立て方などのエピソードの一方で、アーレンスバッハでも動きがありました。領主の死去でディートリンデが領主となるわけですが、これが実にヒドい。王命で婚約者にされたフェルディナンドはお気の毒ですが、本人はゲオルギーネを牽制する一方でアーレンスバッハの実務を担い、家臣団の信頼を得つつあります。そこへランツェナーヴェ国の使者がやって来てディートリンデに取り入り、不穏な動きはしだいに現れつつあるようです。
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WEB 版ではすでに完結しており、これからどうなるのかは承知しているわけですが、次巻はいよいよあの場面か。期待しつつ、冬の第7巻の発売を待ちましょう。
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