電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

Windows利用者がLinuxに興味を持つとき

2010年10月16日 06時07分52秒 | コンピュータ
当ブログにときどきコメントをいただく 林 侘助。さんが、A5型パソコンに Linux をインストールして、使えるかどうかを試している(*)ようです。林さんは、もともとWindowsユーザーで、業務上でもMS-Accessを中心に、合理的に便利に使ってこられました。2010年10月の「音楽日誌」によれば、脳ミソに喝!!を入れるためと称して、UbuntuLinux にチャレンジ中。実際は、試してみた結果「やっぱりや~めた」となる可能性もないわけでもありませんが、意外性のあるレポートになっています。

そういえば、当方の身近にも、Linux に興味を示す方が増えているような気がします。景気が悪く収入もダウンする中で、なくてはならない存在になっているパソコン関係の経費圧縮という動機が大きな要因になっているのだろうと思いますが、もう一つ、Linux の側にも、使いやすさがだいぶ向上しているから、という面もあるからでしょう。

慣れ親しんだ Windows XP から、Vista や Windows7 に替えるべき時期ではありますが、操作性もだいぶ変わっています。どうせまたいろいろ覚えなければならないのなら、Ubuntuのような新しいものに挑戦するのも同じことだ、という割り切り方もあるかもしれません。

かつて、フロッピーディスクの抜き差しに際して、Linux ではマウントやアンマウントというコマンド操作が必要になるなど、敷居の高い面がありました。でも、今は USBメモリの時代です。「安全な取り外し」を選んで抜き取るという操作は、Windows も Linux も共通になっています。実は、どちらもアンマウントを実行しているのですね。そんなふうに、メールやWEB閲覧、ブログの更新やデジカメ写真の編集管理などを中心とする利用では、もはや OS の違いをそれほど意識しなくても良くなってきています。

長年、蓄積したテキストファイルがある場合は、文字コードを一括変換するなどの対策を取る必要があるでしょうが、たいへん興味深いところです。

(*): KechiKechiClassics~2010年10月の音楽日誌及びBBSより
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メンデルスゾーンの悩みの根源

2010年10月15日 06時02分36秒 | クラシック音楽
メンデルスゾーンの音楽は、ロマン派を代表するものの一つとして、その甘美な輝きを愛されてきていると思います。子供向けの伝記などには、裕福な銀行家の息子として英才教育を受け、何一つ不自由のない少年時代をおくったと説明されていることが多いようです。また、音楽のほうも、才能豊かなお金持ちの御曹司による幸福な音楽、という形容がほぼ定着しているかのようです。

ところが、メンデルスゾーンの音楽には、嵐のような激しさやメランコリー、苦悩の影などを感じさせるものが少なくなく、20歳で蘇演したバッハの劇的な「マタイ受難曲」への傾倒など、悲劇的な事件に対する共感の強さを示すものとして理解することができます。

メンデルスゾーンの苦悩の原因は、改宗ユダヤ人としての出自にあることはすぐ想像できますが、現代の私たちは、19世紀前半のドイツにおけるユダヤ人の社会的地位について、ほとんど手がかりを持ちません。多少の偏見はあったかもしれないが、ちゃんと市民権を持ち、普通に生活できたと考えがちです。

ところが、たまたまユダヤ人の法的地位について Google 検索しているうちに、興味深い論文(*1)を読むことができました。ドイツ都市部ではもう少し進歩的であったろうとは思いますが、市民権を付与すべきかどうか、州議会が長年議論するような時代であったということがよくわかります。若く才能豊かなメンデルスゾーンに対し、おそらく風当たりは相当に強く、腹立たしい思いにかられることも少なくなかったことでしょう。なるほど、オラトリオ「エリア」の作曲などは、そういう前提で考えると、よく理解できるように思います。

(*):割田聖史「ポーゼン州のユダヤ教徒の法的地位(一八一五-一八四五)に関する一考察 ポーゼン州議会における議論と一八三三年の暫定規定から」~国立情報学研究所論文ナビゲータ~「プレビュー」から全文を読むことができる
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チリの鉱山事故の救出に思うこと

2010年10月14日 06時02分16秒 | Weblog
わが家族もひそかに注目してきたチリの鉱山事故にかかる救出劇は、10月13日のお昼に、最初の一人が地上に戻ってきて、歓喜の幕を開けました。珍しくテレビのニュースでその場面を見ましたが、いや~、すごいものですね~。地下700メートルから2ヶ月ぶりの奇跡の生還というのですから、もう全世界の注目を集めているようです。
アフガニスタンから急遽チリに飛んだという、あの掘削を担当し救出孔を貫通させた人は、さぞや誇らしいことでしょう。その他にも、33人の生還に寄与した多くの人々の努力に、心からの讃辞をおくりたいと思います。
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「つや姫」は美味しい!

2010年10月13日 06時01分32秒 | 料理住居衣服
専業農家として生涯を終えた亡父は、お米の欠点は美味しすぎることだ、と言っておりました。たしかに、ご飯とみそ汁と漬物があれば、けっこう満足できてしまうものですし、栄養面はともかくとして、おにぎりなども、それだけで足りてしまう面があります。明治期まで蔓延した脚気病は、お米の欠点が如実に現れた例でしょう。

しかし、そうは言っても、美味しいお米はありがたい。山形交響楽団音楽監督の飯森範親さんも一押し(*)でしたので、この秋に一般販売されるようになった新品種「つや姫」を食べてみました。美味し~い!たしかに美味しい!少しもち米を加えて炊いた時のような歯ごたえと、ご飯だけでも食べられるような味です。これはやみつきになりそう。おにぎりにして、さめてもけっこう美味しく食べられます。



先日のメニューは、徹底した田舎料理で、

(1) 「つや姫」のごはん、ナメコと豆腐のみそ汁
(2) 間引いた青菜と厚揚げの煮物
(3) 干物ワラビと油揚げと糸こんにゃくの煮物
(4) 枝豆「秘伝」と数の子
(5) 秋ナスの砂糖漬け
(6) ピリリと辛い「ぺそら漬け」

というものでした。質素ですが、好物ばかり。きわめて満足度の高い食事でした。うーん、幸せ!

(*):正直申し上げて~「指揮者 飯森範親 Official Blog マエストロ、出番ですよ」
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山形Q第37回定期演奏会でハイドン、モーツァルト、シューマンを聴く

2010年10月12日 06時01分52秒 | -室内楽
体育の日の夜、山形市の文翔館議場ホールで、山形弦楽四重奏団(*)の第37回定期演奏会を聴きました。幸いにお天気でしたので、日中は自宅の裏の果樹園に今年最後の肥料散布で汗をかき、シャワーを浴びてゆっくりしていたら、ゆっくりしすぎて居眠りをしてしまい、会場にぎりぎりセーフ。茂木さんのプレトークが終わるところでした。あぶないあぶない(^o^;)>

本日の曲目は、

◆シューマン生誕200年記念◆
(1) F.J.ハイドン/弦楽四重奏曲 イ長調 Op.20-6 ~太陽四重奏曲~
(2) W.A.モーツァルト/弦楽五重奏曲 第5番 ニ長調 K.593
(3) R.シューマン/弦楽四重奏曲 第3番 イ長調 Op.41-3

となっています。

最初に、ハイドンの弦楽四重奏曲イ長調Op.20-6~太陽四重奏曲から。
第1楽章:アレグロ・ディ・モルト・エ・スケルツァンド。娯楽音楽として始まったはずのハイドンの弦楽四重奏曲も、バロック様式と立ち向かうこの時期ではかなり抽象的な響きの楽しみに変化しているようです。
第2楽章:アダージョ。1st-Vn が旋律を歌い、3人がゆったりとリズムを刻みながら、響きを支える形でしょうか。中声部のくすんだ響きが魅力的です。
第3楽章:軽やかで優雅なメヌエット。
第4楽章:アレグロ、三声のフーガ。ハイドンは、バロック様式をずいぶん研究した模様。でも、三声のフーガとはいってもバッハ風ではなくて、あくまでも柔らかく健やかなハイドン風のフーガです。

続いて、ヴィオラの田中知子さんを加え、モーツァルトの弦楽五重奏曲第5番、ニ長調K.593 です。
第1楽章:ラルゲット~アレグロ~ラルゲット。チェロが問いかけ、他が答える形で始まります。チェロが、澄んだいい音です。この頃モーツァルトは、人気が低迷し、経済的にも行き詰まっていて、ハイドンのトスト四重奏曲に名前が出てくるトストの依頼で作曲したのだそうな。どうやらモーツァルトは、「音符が多い」などと文句を言われることのない依頼主の注文にこたえて、思い切り腕をふるったようです。
第2楽章:アダージョ。こんどは逆に、Vn,Vlaから始まり、チェロが簡潔に答える形で始まります。途中のチェロのピツィカートのあたり、響きがとてもきれいです。ヴィオラは1人がヴァイオリンと、1人がチェロと一緒に奏するなど、細かく工夫された響きになっています。
第3楽章:メヌエット、アレグレット。2nd-Vn と Vla 2本と Vc のピツィカートの中で奏でられる 1st-Vn が気持ちよさそう。音程を取るのは大変そうですが、いかにもモーツァルトらしい、軽やかで美しい音楽です。
第4楽章:アレグロ。印象的な 1st-Vn のフレーズ。これを Vla と Vc が迫力で繰り返すとき、対比のおもしろさに思わず「なるほど!」と納得します。円熟期のモーツァルトの工夫なのでしょう。いかにも終楽章!という緊密な音楽に、五人のメンバーは集中しています。

ここで15分の休憩です。次回、新年正月の16日に開かれる第38回定期の前売券を、早々と購入してしまいました。(んー、受付の人ならわかっちゃうかな~(^o^;)>poripori まあいいか。)



三曲目は、私の好きなシューマンの弦楽四重奏曲第3番、イ長調Op41-3 です。
第1楽章:アンダンテ・エスプレッシーヴォ~アレグロ・モルト・モデラート。ああ、シューマンだ。いいなぁ~。思わず聞き惚れました。この曲は「間」が大切なのですね。絶妙の間のとり方に、シューマンらしい、夢見るような感じが出てきます。
第2楽章:アッサイ・アジタート~L'iestesso tempo~ウン・ポコ・アダージョ~テンポ・リゾルート。何者かに追い立てられるような焦燥感、それとも不安感を感じさせます。スケルツォのようですが、途中、フーガのような部分も。アダージョのところになると、変奏も悲しげで、最後に近い激しさは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の研究の成果でしょうか。ゆったりしたテンポに戻り、緊張感を保ちながら静かに終わります。
第3楽章:アダージョ・モルト。ヴィオラの響きが重要な役割を果たす楽章です。1st-Vn の甘美な旋律が、いいなぁ。2nd-Vn の刻みが、なにか運命的なものの歩みのようで、ちょっとコワい。チェロのピツィカートのところもステキです。
第4楽章:フィナーレ。アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ~クワジ・トリオ。立派なシューマンの音楽です。テンポは速すぎず遅すぎず。リズムのノリは力強く、気合の入った音楽、演奏です。全曲を貫く共通したイメージが感じられます。

ああ、良かった。聴衆の皆さんの拍手も盛大です。これにこたえて、アンコールがありました。メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第2番の第3楽章。2nd-Vn,Vla,Vc がピツィカートを刻む中、1st-Vn がどこかジプシー風・民謡風の旋律を奏します。「屋根の上のヴァイオリン弾き」の風情です。途中、Vla の細かいリードで Vn も痙攣するような速いリズムに転じます。4人の息のあった演奏が続いた後で、最初のジプシー風の主題が回帰して、洒落たエンディングです。

最後に、次回のコメンテータらしい駒込綾さんが次回の案内を話しておしまい。

次回は、1月16日(日)、17:45開場、18:30開演だそうです。曲目は、

(1) ハイドン 弦楽四重奏曲 変ロ長調 Op.50-1~プロシャ王四重奏曲~
(2) ベートーヴェン 大フーガ 変ロ長調 Op.133
(3) ドヴォルジャーク 弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 Op.51

とのこと。今から楽しみです。

(*):山形弦楽四重奏団ホームページ
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チリ鉱山事故の救出が近づいて

2010年10月11日 06時02分29秒 | Weblog
今年の8月初旬に、チリの鉱山事故で33名の鉱夫たちが地下700メートルに取り残された事故から、およそ二ヶ月が経過しました。33名の生存もびっくりでしたが、当初、この深さからの救出は絶望的なのではないかと危惧しました。ところが、報道によれば、直径70cmの救出坑が貫通し、鋼管による補強を行った後、一両日中に救出作業に入る見通しとのことです。

鉱夫たちの家族は、同僚・友人たちは、この間、さぞや心配したことでしょう。いやはや、すごいものです。地球の裏側の話ではありますが、思わず応援したくなる話です。最後の最後まで安心はできないと思いますが、なんとも劇的な救出のドラマに注目しています。



さて、今日はお休み。夕方から、文翔館議場ホールにて山形弦楽四重奏団の第37回定期演奏会を聴く予定。プログラムは、

◆シューマン生誕200年記念◆
R.シューマン/弦楽四重奏曲 第3番 イ長調 Op.41-3
W.A.モーツァルト/弦楽五重奏曲 第5番 ニ長調 K.593
F.J.ハイドン/弦楽四重奏曲 イ長調 Op.20-6 ~太陽四重奏曲~

となっております。楽しみです!
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山田隆司『名誉毀損~表現の自由をめぐる攻防』を読む

2010年10月10日 06時05分13秒 | -ノンフィクション
岩波新書で、山田隆司著『名誉毀損~表現の自由をめぐる攻防』を読みました。著者は読売新聞の記者で、在職中に大阪大学大学院法学研究科博士後期課程を修了した法学博士だそうです。多くの実例をもとに、名誉毀損と表現の自由との関わりを考察しています。

本書の構成は、次のようになっています。

第1章 名誉毀損とは何だろうか
第2章 表現の自由をめぐる攻防
第3章 判例の枠組み~「相当性」の基準とは何か
第4章 名誉毀損の救済手段とは
第5章 名誉毀損裁判のこれから

内容はなかなかハードです。新聞記者らしく、わかりやすく説明する努力は十分に感じられますが、なにせ当方は理系の石頭ですので、法律の文章にはなじみが薄い。とかく怠けたがる脳みそに鞭打って(^o^;)、ようやっと読了しました。いや~、脳みそのスポーツ的快感ですなぁ(^o^)/

簡単に言えば、公人による名誉毀損訴訟は、判例における「相当性」の基準があいまいで、表現の自由を、もっと言えば報道の自由を萎縮させるおそれがある。そこで、米国等に見られるように、名誉毀損だと訴える公人の側に、「報道側に現実的悪意が存在した」ことを立証する責任を負わせることで報道の自由を保障しようという、「現実的悪意の法理」を導入してはどうか、という提案です。

なるほど、現職の新聞記者が書いた本らしい内容だなぁと感じました。ただし、第2章に取り上げられた、「ネット上の中傷をどうするか」という内容は、経緯を紹介するだけで、とくに解決法を示しているわけではありません。その意味では、一般の人がネット上で遭遇する名誉毀損がらみの事件を解決するために参考になるかというと、必ずしもそういうわけではないようです。
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日本人のノーベル賞受賞者の生年から色々なことを考える

2010年10月09日 06時04分33秒 | 手帳文具書斎
今年、2010年のノーベル化学賞は、鈴木章氏と根岸英一氏に決定したとのことです。またまた化学賞で、日本の化学研究の厚みを感じます。
もう一つ、お二人の生年が1930年と1935年ということで、ふと体系的な化学に接したのは戦後なのだな、と考えました。まてよ、これまでの日本人受賞者の修行時代、体系的な学問に接した時代はいつなのだろうと疑問に思い、Wikipedia で調べてみました。考え方としては、生年に15~25年を足せば、高校から大学院、すなわち体系的な学問に接した年代とみなすことができるだろうとしました。この期間に、その学問を志すことがなければ、後のノーベル賞はなかっただろう、という見通しです。便宜上、15を加えた年齢から受賞までの期間を表示してみることとします。(南部洋一郎氏は、現在は米国籍ですが、志を立てたのは日本ででしょうから、この中に加えています。)



その結果、圧倒的に多いのが戦後~1960年代に青春時代、学生時代をおくった人たちです。なるほど、戦前・戦中の暗い時代を乗り越えた斯界の泰斗たちが実際に教科書を執筆し、混乱の中でも科学技術と若者に国や将来の希望を託していた時代です。若者は湯川秀樹氏や「鉄腕アトム」のお茶の水博士のような科学者に憧れ、科学者の声明や行動が社会的に注目され、尊敬を受け、一定の影響力を持っていた時代だったのでしょう。

現代のように、お金を握っている人が実際の力を持ち、学問や専門家としての力はさほど尊敬を受けないという状況では、科学者は若者の憧れの対象にはなりにくいのかもしれません。例の事業仕分けの映像は、力関係を見事に表しています。科学者たちは、仕分けされるほうの存在だったわけです。

「水を飲むときは、井戸を掘った人を思え」という言葉がありますが、例えば自分が飲んでいる薬が、鈴木氏らによるクロス・カップリング反応によって作られていても、そのことを知る機会は少ないでしょう。ノーベル賞のような形で顕彰されることで、「井戸を掘った」人たちに感謝する機会となりますので、その意味でも意義深いことだと思います。
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秋の夜長に読む本を探す

2010年10月08日 06時01分17秒 | 読書
すっかり夜が長くなってしまいました。やや風邪ぎみの最近は、夜九時すぎにはもう寝てしまいます。先日から平岩弓枝さんの『はやぶさ新八御用旅』シリーズを読み始めたのですが、毎日一章ずつと決めて読みはじめた本も、ちょいと中休み。
でもこうなると、また続きに取りかかるのに、なかなか腰が上がりません。たしかに最近は、勢いで読破するようなことは少なくなり、再読三読し味わいをかみしめるような読書が多くなりました。ある意味、これは気力の減退の兆候なのかも。
作者の想定に不自然な作意を感じて、小説をありのままに楽しめない。そういうときには、むしろお堅いノンフィクションに取り組むのが良いのかもしれません。とすれば、これは岩波新書に限ります(^o^)/

(1) 山田隆司『名誉毀損~表現の自由をめぐる攻防』
(2) 藤森照信『近代日本の建築(上)~幕末・明治篇』
(3) 竹内敬人『人物で語る化学入門』

今、手元にあるものでは、こんなところでしょうか。



写真は、最上義光の居城だった、山形城二の丸の東大手門の夜景です。風流ですね~。いやなに、先の酒席がこの近くだっただけの話(^o^)/
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BUN2をきっかけに来年の手帳を準備する

2010年10月07日 06時03分33秒 | 手帳文具書斎
久々に行きつけの文具店に立ち寄ったところ、BUN2 Vol.32 が置いてありましたので、一部いただいてきました。今号の特集は「今から選ぶ2011年の手帳」というものです。「編集部おすすめ、今年の注目手帳はこれだ!!」という特集ページを見ると、どうやらカバーノートもしくはその系統のカジュアルなものが流行している模様。あとは、手帳に便利な付箋やラベルといった周辺グッズが紹介されています。

なるほど、ヲジサン御用達の黒い能率手帳や、毎度おなじみシステム手帳などは、トレンドにはあらず、いわゆる定番商品という扱いなのでしょう。結局、今年も購入したのは

Bindex 月間ダイアリー1(時間メモ入りタイプ)商品番号:No.041

という、見開き一ヶ月、土日祝日が色分けされていて午前・午後・夜の区分のある、いつものやつでした。



なんともはや、毎度かわりばえのしない選択ですが、今のところこれが一番慣れ親しんだものですので、しかたがありません(^o^;)>poripori

(*1):BUN2「今から選ぶ2010年手帳」をきっかけに~「電網郊外散歩道」2009年10月
(*2):2009年のシステム手帳用マンスリー・リフィルを購入する~「電網郊外散歩道」2008年11月
(*3):来年の手帳のこと~「電網郊外散歩道」2008年10月

ところで、BUN2 の連載記事の中では、おなじみの樋口健夫さんの「書きも書いたり」が面白かった。オーストラリアに留学中の三男坊クンが、今まで父親からエイプリルフールでやられっぱなしだったのを、担任を巻き込んで国際的に仇を取る話(^o^)/
思わず爆笑しました。それをちゃっかりネタにする父君も立派です(^o^)/
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荒木源『ちょんまげぷりん2』を読む

2010年10月06日 06時01分36秒 | 読書
小学館文庫で、荒木源著『ちょんまげぷりん2』を読みました。前作では、江戸時代の侍である木島安兵衛が現代の東京に出現し、遊佐ひろ子・友也母子の家で熱心にお菓子づくりに取り組むお話(*)でしたが、さて今度の作品はどうか。

物語の始まりは、中学生になった友也が、なんとコンビニエンス・ストアで万引きをするというところからです。店員に追いかけられて、いつものスーパー前で江戸時代にタイムスリップ。はじめは安兵衛さんに会いにいけば大丈夫と軽く考えていたのが、安兵衛が営んでいるはずの菓子屋「時翔庵」はつぶれており、友也クンは途方にくれてしまいます。さらに、頭髪や身なりから紅毛人に間違われて追いかけられる始末。逃げ込んだ神社で、勝麟太郎という少年に会います。連れていかれたのは、麟太郎の従姉妹のせんという少女の屋敷でした。で、友也クンは色白で長身でイケメンであることから、歌舞伎の女形に化けて、芝居小屋で人気者になります。ところが、人気に舞い上がって瓦版屋にぺらぺらとしゃべった内容が江戸時代には禁句だったようで、御用の筋につかまってしまいます。間の悪いことに、なんと腕時計と携帯電話と塾の英語のテキストも見つかってしまい、容疑は鎖国の禁令を破り、紅毛人と通じたという疑いをかえられます。牢の中で安兵衛さんに再会できたのは良いけれど、この取調べというのが、現代風に言えば「検察のストーリーに合わせて自白させられる」というもの。偶然ですよね(^o^)/

せっかくの物語ですので、あらすじの続きは省略したしますが、大豆を原料にして豆乳からプリンを作るのに、大豆のえぐみを除去する方法がわからず苦労する、という点がポイントです。そしてその解決法も、なるほど、そうきたか!というほどに合理的。勝麟太郎といえば、後の勝海舟ですね。勝海舟の時代を越えた広い視野は、実は現代っ子・友也との友情に由来するというところが、タイムトラベルものの意外な面白さでしょう。そして、やや軽薄に育ちつつあった遊佐友也クンの成長ぶりも、ビルドゥングス・ロマンの王道を行くものであるとも言えます。

(*):荒木源『ちょんまげぷりん』を読む~「電網郊外散歩道」より
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J.S.バッハ「ヴァイオリン協奏曲第2番」を聴く

2010年10月05日 06時03分31秒 | -協奏曲
J.S.バッハの「ヴァイオリン協奏曲」を、CDからパソコンに取り込み、小型のアンプと自作スピーカで、デスクサイドで再生しております。定位のよい音がふわりと立ち上がり、幸福な音楽を奏でます。今日は、第2番ホ長調BWV1042を聴いております。第1番に続き、西崎崇子(Vn)、オリヴェル・ドホナーニ指揮カペラ・イストロポリターナの演奏、NAXOS の 8.550194 という型番のCDです。



第1楽章:アレグロ、合奏協奏曲ふうの出だしです。ソロ・ヴァイオリンが出てきますが、後の時代の協奏曲のように、名技性を前面に出したものではないようで、弦楽合奏との連続性を重視したものと感じられます。
第2楽章:アダージョ・エ・センプレ・ピアノ。荘重な出だしに続き、バロック音楽らしく、長く長く連続するヴァイオリンの美音にしびれます。これに続くソロ・ヴァイオリンの魅力は、ヴィヴァルディとは確かに違う、バッハの魅力的な旋律です。この演奏では、通奏低音としてチェンバロが用いられているようですが、冒頭部の通奏低音が印象的。
第3楽章:アレグロ・アッサイ。この楽章には、ソロ・ヴァイオリンの見せ場があります。当方、楽器の演奏にはまったく疎いのですが、素人目にもけっこう難しそう。

全体に、ロマン派のヴァイオリン協奏曲などと比べると、いたって地味めな印象にもかかわらず、よく聴くとけっこう華やかさを備えた音楽です。たとえはあまり適切とは言えませんが、秋の入り口で地味~に咲くにもかかわらず、よくみると華麗で繊細な曼珠沙華の花みたいですね~(^o^)/

そうそう、NAXOS 添付のリーフレットの英文解説、第2番のほうはずいぶん手強い。

The rather more complex Concerto in E major opens with a movement in which the first figure assumes considerable important in what is to all intents and purposes a da capo aria. There is a slow movement of sustained beauty over a repeated bass figure, and a lively final rondo.

試しに excite 翻訳(*)にかけてみました。

E少佐におけるかなり複雑なConcertoは第一格がかなりの重要なコネがどの点から見てもdaマフィアの支部長アリアであるものであると仮定する動きで開きます。 繰り返されたバス図、および活気がある最終的なロンドの上に持続している美の動作緩慢があります。

思わず爆笑!バッハのヴァイオリン協奏曲の説明が、マフィアの支部長の話になっちゃったよ!こういうのは、機械翻訳に適さない実例でしょう。音楽用語だけでなく、複雑な構文が、まるで大学入試の試験問題みたいです(^o^)/
えっ?私の翻訳?いやいや、赤恥をかくと悪いので、原文だけにしておきたいと思いまする(^o^;)>poripori

(*):エキサイト翻訳~英中韓仏独伊語ほか一般的な短文ならばかなり正確
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雨が近い予報なので果樹園の肥料散布をする

2010年10月04日 05時43分17秒 | 週末農業・定年農業
山形交響楽団のモーツァルト定期を楽しんだ翌日の日曜日は、よく晴れて絶好の農作業日和でした。週間天気予報では、雨も近いとのことですので、果樹園農業最後の作業として、肥料散布を行いました。窒素、リン、カリに加えて、苦土とホウ素が含まれているという肥料です。これを、背中に背負うタイプの赤い散布機に移し替え、サクランボの樹の根回りにまんべんなく散布します。収穫後の7月と、落葉前の10月初旬の2回、肥料を与えます。来年も良いサクランボが実りますように。

作業の中休みに、リンゴの皮をむいて食べました。亡父がやっていた頃は、みずみずしいリンゴがたくさん実ったものですが、勤め人の週末農業では、リンゴまではとても手が回りません。消毒もせずほったらかしですので、虫食いだらけです。でも、中には偶然に虫もつかない実があり、表面がつるっときれいなものを選んで食べると、けっこうおいしく食べられます。時期がきたら、ちゃんと剪定もし、摘果も消毒もして、おいしいリンゴを収穫してみたいものです。

さて、肥料散布はもう一ヶ所、自宅裏の園地にも実施する必要があります。こちらはまた次の機会になるかな。老母は、女学校の同級生たちとお泊まりだそうで、いそいそと温泉に出かけました。80歳を越えてかくしゃくとしている人は少ないのかもしれません。毎日、趣味の畑仕事を楽しんでいるのが、健康の秘訣なのでしょう。規則的な生活、適度な運動、確かに健康的です。写真は、生垣の手前に老母が植えた曼珠沙華です。その奥には、ムスカリの紫の花が見えます。


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山響モーツァルト定期で交響曲2つとヴァイオリン協奏曲第4番を聴く

2010年10月03日 06時04分15秒 | -オーケストラ
しばらく低温が続いたのが嘘のように晴れてぽかぽか陽気になった土曜日、山形テルサホールで、山形交響楽団モーツァルト交響曲全曲定期演奏会を聴きました。八年がかりでモーツァルトの交響曲全曲を演奏しようというこの企画、今年はもう第四年にあたります。通算するとVol.11すなわち第11回目にあたる今回のプログラムは、

1. 交響曲第9番 ハ長調 K.73
2. ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K.218
3. 交響曲第20番 ニ長調 K.133
 鈴木 舞(Vn)、飯盛範親指揮山形交響楽団

というものです。妻と二人、今回は二階席に陣取ります。例によって、飯森さんのプレ・コンサート・トークですが、今回は山形県期待のお米の新品種「つや姫」の話題から。なんと、山響音楽監督の飯森さんは、実は「つや姫大使」なのだそうです(^o^)/

それはともかく、曲目の解説は交響曲第9番から。作曲年代は1769年だそうで、J.C.バッハの影響を受け、イタリア風の3楽章形式で交響曲を作っていたモーツァルト、ウィーンでハイドンの影響を受けて流行り始めた4楽章構成の交響曲を作曲します。フルートが第2楽章だけ使われ、これは後で演奏する第20番と同じとのこと。もう一つ、プログラム・ノートにある楽器編成にはファゴットがないけれども、当時はチェロ、コントラバス、ファゴットで通奏低音を受け持つのが通例だったため、ファゴットを加えているとのこと。この件、以前に私も不思議に思っておりましたので、な~るほど!と納得できました。
第4番のヴァイオリン協奏曲では、オーケストラが独奏ヴァイオリンの邪魔をしないように、注意深く書かれている名曲とのこと。ソロは鈴木舞さん、東京芸大の三年生、21歳。チャーミングかつ大胆なヴァイオリンを奏する優秀な若手ヴァイオリニストとのことです。
交響曲第20番は、イタリア旅行に関連した七曲の交響曲の中では、唯一トランペットを用いた祝祭的な曲とのことで、量産のためか、お父さんのレオポルドがオーケストレーションを手伝ったような気配もあるそうです。
最後に、山響が高音質音楽配信で著名な e-onkyo music とタイアップし、モーツァルト全曲演奏会をインターネット配信する(*)そうです。第1回として、交響曲第39番、ヴァイオリン協奏曲第5番、交響曲ヘ長調の三曲の録音をまるまる配信するとのことでした。



さて、演奏が始まります。コンサートマスターの高木和弘さんのもとで、まずは交響曲第9番から。第1楽章:アレグロ。トランペットとティンパニが活躍する、明るく晴れやかな音楽です。第2楽章:アンダンテ。フルート2人が立ち、2本のフルートがハモりながら協奏します。オーケストラは優雅なアンダンテ。オーボエはお休みです。第3楽章:メヌエット(トリオ)。活発なメヌエットが途中がらりと変わり、第1・第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのトップが奏する弦楽五重奏ふうに。このとき、指揮者の飯森さんは棒をおろし、じっと演奏に耳を傾けます。そして再び活発に主部が回帰します。第4楽章:モルト・アレグロ。元気で躍動的、舞曲風のフィナーレです。
うん、この曲の第2楽章、2本のフルートが起立し、ハモりながらオーケストラと協奏するところがたいへん印象的で、お気に入りになりました。

そして協奏曲です。白いドレスに身を包み、ストレートの黒髪を後ろでとめて、ソリストの鈴木舞さんが登場。聴衆の拍手を受けている間に、一緒に出てきたはずの飯森さんがステージ袖に引っ込んでしまいました。あれ、どうしたのかな、と思ったら、なんと指揮棒を忘れてきたみたいで、楽員に対し「ゴメン!」風にちょこっと挙手敬礼(^o^)/

楽器の編成は、Ob(2),Hrn(2)に、弦楽5部、すなわち 1st-Vn,2nd-Vn,Vla,Vc,Cb がそれぞれ 8-8-6-6-3 の対向配置です。(ただし、独奏者の立ち位置を確保するために、第1ヴァイオリンの後部を少々横にずらしておりました。)

第1楽章:アレグロ。オーケストラに続きヴァイオリンのソロが入ってくると、パッと放射するような外向性の美しい音です。ああ、これはソリストの音だなぁと感じました。カデンツに入ると、音量も豊かで、度胸の良い音楽の運びです。第2楽章:アンダンテ・カンタービレ。柔らかなオーケストラの音に、そっと独奏ヴァイオリンが加わり、次第に存在をするかのように顕在化してきます。それにしてもオーケストラのバランス、ハーモニーが素敵です。第3楽章:ロンド。アンダンテ・グラツィオーソ~アレグロ・マ・ノン・トロッポ。独奏ヴァイオリンのナマの低音が力強く響きます。華やかな高音と思い切って対比する、若いヴァイオリニストの活きのよさでしょう。終結部のしゃれた味わいも、若いモーツァルトの工夫でしょうか。

ここで15分の休憩が入ります。トップの写真は、休憩時の客席の様子。後半は交響曲第20番です。
楽器編成がまた少し変わり、Fl(1),Ob(2),Hrn(2),Tp(2),Fg(1) 弦楽5部は 8-8-6-5-3 というもの。飯森さんのトークにあったように、通奏低音の役割をファゴットに持たせ、チェロを1つ減らした形です。プログラムノートではフルートも2本になっていますが、今回は足立祥治さんが一人で座ります。このあたりも、飯森さんのバランス的な工夫なのでしょう。

第1楽章:アレグロ。トランペットが華やかに活躍する、晴れやかな音楽です。フルートはお休みで、ファゴットが参加。第2楽章:アンダンテ。フルートの足立さんが立ち上がり、最初から登場。なんともメルヘン的というか、童話的というか。低弦はピツィカートで。終わり近くなって、ファゴットがボッポッポッと参加するところなど、とても面白い、楽しいセレナードみたいな音楽です。Ob,Hrn,Tp はお休み。第3楽章:メヌエット&トリオ。こんどはFlがお休みで、Hrn,Tp,Fg も加わり、元の編成で演奏されます。活発なメヌエット。一転して優しくなごやかなトリオ部では、金管がまたお休み。活気のある音楽に戻ると再び金管も加わり、晴れやかな雰囲気が戻ります。二階席からは、終わりの音が自然減衰して、ひじょうに澄んでいることがよく感じられました。第4楽章:アレグロ。舞曲風のフィナーレです。低弦は量感を感じさせますが、速くリズミカルな低音が求められるからなのでしょうか、ファゴットがしっかり頑張って、快速の低音を構成していることがわかります。このあたり、楽器の特徴を生かしたものになっていると感じました。

ああ、良かった。本日も、良い演奏会でした。終演後のインタビューでの鈴木舞さんの応答も、とても好感の持てるものでした。山響のサウンドの質の高さ~澄んだ音~に感動しておられたようで、機会があればチャイコフスキーの協奏曲なども演奏してみたい、とのことでした。なるほど、似合うかもしれない、と思いました。飯森さんのインタビューでは、われらが飯森+山響が、韓国の音楽雑誌に4頁も取り上げられているとのこと。思わずへぇ~でした。うれしいことです(^o^)/



(*):飯森範親&山形交響楽団配信開始!~e-onkyo music
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秋の日差しに誘われて

2010年10月02日 06時03分57秒 | 散歩外出ドライブ
秋の日差しに誘われて散歩をすると、たいへん気持ちの良い気候です。草花も黄色い色のものが増え、木々も一部にうすく色づき始めています。秋風が梢を揺らすと、葉擦れの音がサヤサヤと聞こえ、涼しげに通りすぎて行きます。



先日、某弓道場のわきを通る機会があり、立ち止まって写真を撮りました。声からすると、年配の女性たちが練習しているようでした。市民教室か何かでしょうか。勝ち負けにこだわらず、のんびりゆっくり弓を引くというのも、良い趣味なのかもしれません。

さて、本日はわれらが山響モーツァルト定期です。鈴木舞さんのヴァイオリンで、モーツァルトの協奏曲第4番を聴ける予定。あとは、交響曲を二つ。楽しみです。
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