志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

アイデンティティー・クライシスだなんて、どこにも溢れている!

2012-05-10 13:27:38 | グローカルな文化現象
           (5月はデイゴと伊集の花々)    
(触発されたのは、沖縄芝居役者/舞踊家と創作舞踊をいっしょに考えようということで、久しぶりにモスバーガーでおしゃべりしたのだった。また大学でおしゃべりなかまの先生方との話題の中で出てくることがらが昨今面白いと思っている。それぞれの日々の物語が編みこまれる時、それぞれのクライシス!)



≪おしゃべりは肝(チム)文化≫

       何歳でこうで何歳でああなる
       だなんて統計のパターンをすべて当てはめるなんてね
       おかしいわよね

       死ぬ直前まで意識の波間に漂っているのよね
       生きている間、アイデンティティーはさまよっていて
       おかしくはないし
       すべてを数値で分かったふりしたあの方のご本のように
       いかないわよね

     ねーねー、見た?例の彼女いつも
     ファッションショーよね
     こぎれいにしているけど、プライド高そうだけど
     でも意外と品格がなかったりしてね
     お連れ合いは県庁の部長らしいわね
     ソクラテスの妻も悪妻で有名だけど、有能な男のそばに
     試練の悪妻ありという定説を描いたようなカップルが
     いるのよね。ノーベル賞受賞者のイタリアのピランデルロの妻は
     狂っていたらしい

     作家の妻と比べようがないかもしれないけど
     身近に狂を抱える日常はいたたまれないものがあったはずで
     でも彼は優れた小説を劇を書いた。昇華させた!
     まねたいけどーー

     彼女の表情を見るとこわばっていて、何かびくびくしているような
     ある種の隙間がぽかーっと口を開いているような
     愛想よく挨拶するのでもなく
     なぜか冷たいまなざしを投げつける

     ゆとりのある気持を抱けない何かがあるのね
     渇きのようなものがあの顔に凝縮されていて

     だからといって彼女は離婚なんてしないわね
     つかんだ紐を離さないタイプ

     話物語できるいいパートナーがほしくはないの

    離婚したいのだけれど、離婚できないジレンマの矛盾を 
    生きているから、なんとなく気持はわかるとHさん
    仮面夫婦は多いに違いないね
    と50代で独身のM先生
     
    周りを見ていると、仕方なく結婚続けている夫婦は多いのかもね
    仮面夫婦で夫婦ではない
    夫婦って何だろうね
    結婚そのものがおかしいのかもしれない
    一緒にいて不幸せを感じながら一緒にいる結婚なんてね
    やはりおかしい

    それより見た?
    同じ男の人の告別式の案内が二つも出ていて喪主はそれぞれ
    違うのよ
    一つは内縁の妻でもう一つは離婚の判子を押さない本妻だったのか
    あんまり不思議でね
    それぞれ子供もいて
    法的な契約より実際に愛情を共にした二人が応援されるべきでしょう

    違うわよ、結婚は神や仏への誓いだから、本妻の立場が守られるべきなのよ
    愛がなくても、本妻は妻の権利を主張できるということね、どうかな
    砂漠の関係とオアシスの関係ならオアシスを正当な関係の綾と認めるべき
    よね

     クリスチャンの彼女はあくまで契約を実行すべきだといい、実質的な愛を
     求めるその同僚は愛人や内縁の妻と呼ばれる女を擁護する

     愛のない砂漠や草原でもそのシステムを維持することは国家としても
     正当だとする   
     「私は輪廻転生を信じているから、まっすぐに歩いていくね」
     と語る彼女の揺らぎのなさにこうして生きていける人は幸いなのかもしれない
     と思いながら聞いた

     臨床心理学者は統計数値をもってくる
     数値からこぼれるものがある
     
     一人の自由な境界を彷徨う魂の在り処
     統計数字からこぼれ流れる見えない滴にひかれる
     嘘偽りの分だけ見えない川が大きく流れている

     不慮の事故によりの告別式の通知は、
     あれほとんど自殺でしょう
     自殺か事故だよね
     ああそういうことか
     あまり告別式のコーナーを意識して見ていないから
     気がつかなかった
     次から毎日目を通してみようかな
 
     でもおそらくまめに見ることはない
     一人一人と消えていく存在がある
     明るい光の下で消えていく、宙に吸い込まれる
     命の束があり、太陽の熱に炙られてしぼんで魂を
     吸い込まれてしまう

      ミステリー
      そうミステリー
      生きていることが奇跡で
      死は明瞭なる実態ということよね

      創作舞踊の物語の話になって聞いてみると
      美しい琉球舞踊家の女性にほれ込んで自殺した政治的リーダーの話が
      3人も続いたのよね
      一人は復帰運動の指導者で、結局、妻子を捨てて愛人の彼女と結婚したのだけど
      離婚して自殺
     そしてある所長も沖縄芝居女優にほれ込んで、挙句の果ては自殺
     それに、あのDVで妻子をいたぶっていたかに見えた税理士が
     妻に逃げられた果てに自殺よ

(デイゴの花の季節、今年は花が少ない、雨に恵まれるのかな?)

     男たちが弱い!
     でも妻子のほうが、妻の方が強いということになるわね
     愛人は男の愛を得るけれど、男は所詮は妻子のもとに戻る事例が
     多いから、制度の関係、血のつながりは大きいのかもよ
     そうだろうか?

     妻と愛人と男の三角関係の綾を描いた多くの文芸がある
     自縛の関係性の淵を生きるのもありふれていて
     感情の流れのままに歩いて
     死にたい

     凡庸なあまりに凡庸な妻の立場に耐えられなくて自殺した女主人公が
     ヘッダ・ガーブレル

     テレーズのように無意識に夫の毒殺を試みた女もいた
     多くのテレーズがいるのよ
     耐えられない関係の綾を檻を断ち切ろうとして殺意を抱く
     それもまぁーありえない話ではない

     拡散と反乱がおこりえる関係のドラマの中にぽっかりと浮かぶ空虚さを
     抱き続けるのもね
     むなしすぎる

     あなたのわたし、わたしのあなたはどこに
     見えない時の流れの中で侵食されていくもの
     止められないもの
     それらと向きあっている
     彼や彼女たちの物語が踊る

 
(芝生の中の花々)     

    

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