(琉球新報3月22日)
解説の大城氏も記事を書いた伊佐さんも、脚本や実際に舞台で唱えられた作品の事実をきちんと書いていない。クニチャサは、ハニートラップで金丸一派から送り込まれた神女である。久高のノロではない。
一般的な史実なり、伝承との違いがこの新作のポイントである。そこを指摘しないと意味がない。地謡は確かに良かったと思う。録画を再考したい。問題は沖縄芝居のようなセンシュアルな動作をいれている所など、すでに新作が伝統組踊と沖縄芝居の統合だと言う事は大城作品からも明らかだ❗️声音がかすれて、二十歳のミヤラビを造形する大変さはあったと想像できるが。また久高ノロではない物語設定は面白いが、その実証なり背景をもっと知りたい。
ハニートラップで送り込まれた美少女にして神女のキャラクターである。神女や祝女は何歳からその地位を得るのだろうか⁉️女から女へと継承される祝女である。
最も、ユタも神女である。
写真の尚円王の玉冠や皮弁服、また王妃(ウナザラ)の服も豪華だった。
観客は新聞に一面広告で、満席ではなかった。なぜ?
公演が多いのである、一月に伝統演劇や現代演劇公演を全部見ると5公演だと1万5千から2万円余の予算がかかる。よほど富裕層でないと、多く鑑賞できない。人間国宝の舞台で3000円でも30代の佐辺良和さんや金城真次さんのガラマンホールでの舞踊が3500円である。人間国宝より優れた芸だと自負されているのかもしれない。
本土からやってくるジャズやポップス、ミュージカルでは一万円や6千円は普通である。
最貧困県の沖縄で、中間層や富裕層が存在するのも事実ー。
また趣味の音楽コンサートにお金をかける若者もいる。しかし、以前歯医者さんの方々に女性の芸能についてお話した時、20人ほどおられたが、国立劇場に行ったことがない方々がほとんどだった。
新報ホールの新作組踊を見た観客は、関係者や親族、趣味が伝統芸能という方々かどうか、また自らその世界で身を立てている方々が多いのかと推測できる。新聞でかなりの広告で満席ではない舞台公演がなぜか気になるところである。