志情(しなさき)の海へ

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優れた沖縄芝居の女優さんをお見舞いした日、羽地の壕から臍の緒がついたまま親を失った女性にお会いした!

2016-10-25 07:22:22 | Theatre Study(演劇批評)

沖縄のperformance のまだ埋もれたものを取り出すために時間はありそうであまりないのだと思う。この世に生かされている限り、できることをしたい。女性たちの痕跡を追う作業は続く。人間界の様々な諸相、その中でも表象の中で創造(想像)してきた女性達、作家たち、劇作にまい進した人々、役者の姿が浮かぶ。
思わず出会った女性は赤子にして親を失った71歳だった。

話を聞くという行為、人はそれぞれの人生ドラマを生きている。いつも話しの虜になってしまう。録音し録画する行為、それを記録に残すということ、表で声高に『自己顕示欲』の象徴のように言葉を繰り出す者たちとも異なる、市民の声、その中からこぼれてくる物語りの彩りにいつも驚きがある。

驚き、数多の物語、でも手繰り寄せられる物語は限られている。

彼女の痕跡をまとめるお手伝いは出来たらと思う。

2時間ほど、壕の中から生き延びてきた女性の話に耳を傾けた。戦後戸籍がないので、懸命に働いたお金の1000ドルで働いていた食堂が倒産しかけていた時、経営者の男性の申し出で、千ドルを貸す見返りに、長女として登録してもらったという。復帰前の話である。もうお一人の女性は、久米島の祖母が一人の女の子を産み、それもレイプだったかもしれないと彼女、那覇に出てきて、織物をしながら一人娘に教育させ、娘は教員になり、沖縄の中流家庭を築いたのだという。その祖母と孫娘(彼女)や首里方の先祖のかかわりがまた興味深かった。インテリ層の家系と、地べたから這い登ってきた女性のお二人。さっぱりした気性のMさんの元夫はアメリカで自立している男性。

よもやま話の中に溢れる真実のことば、ああ、しばらく彼女達や沖縄芝居女優の話に耳を傾け記録する作業を続けよう。そこから物語が結晶として残り、一冊の書に纏まればいいと思う。その希望は捨てないでおこう。

 


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