世界自然遺産の国内候補に奄美・琉球を推薦するという。ユネスコの暫定リストに掲載されるとのことだが、嬉しい半面、昨今の尖閣諸島問題ともからめた推挙とも言えるのかもしれない。世界自然遺産として、その中に尖閣諸島も入るのである。一方で沖縄に74%の米軍基地が集中する現状はまさに沖縄島が軍事要塞そのものであることにほかならないが、世界の自然遺産の登録が自然の保持と継承を謳っているかぎり、そこに軍事基地がドット居座っている姿は似つかわしくない。
自然破壊の最たるアクトが戦争であり、戦争に連なるどんな軍備・軍事施設も後方支援装備(施設・基地)も自然破壊を包摂する仕組みである。よってこの提案の矛盾が脱構築のような役割を果たしてくれるのだろうか、と小さな希望を持ちたい。