この家に引っ越して来たのは12月だった。あれからサッと時が流れてやがて20年を迎える。庭の草木も伸び、低木だった黒木も琉球月橘(ゲッキツ)も伸びて、老木の威厳を持っている。
クマゼミは力を振り絞ってシークワーサーの葉先を求めた。
薄緑色の背中、遠くに月!
何と上を見上げたら羽化したクマゼミが〜!
羽化手前で力尽きた幼虫!
命に別状ない限り、庭は自然に任せればいいの考えで、庭では鶯やメジロがひねもす鳴いてきた。
時に蝉の抜け殻をよく見かけた。それを集めて、玄関に置いたりした。
庭に関わってきたのは、末期ガンになった家族の介護からである。
小さな菜園も2、3年前からだ。
そして、相変わらずクマゼミの殻は庭でぶら下がっている。
蝉の羽化について意識したのはつい最近で、リンクしている方のブログで、その写真を見たからである。以前見た羽化が記憶から浮かび上がった。
それから夕方以降、抜け殻の見られる場所を散策した。時に羽音が聞こえてもなかなか特定出来なかった。
それが昨晩夜10時を過ぎて、やっと羽化したばかりの、美しい薄緑色のクマゼミに出逢った。
それも偶然で、実は猫のユーちゃんが土から這い出たばかりの蝉を咥えて家の中に持ってきたのだ。幸い噛まれてはいなかったので、シークワーサーの小枝にしがみつかせた。
近くに抜け殻があった。その近くの葉に定着して羽化にはいるのだと、固唾を呑んで蚊に刺されながらも、じっと見つめていた。途中から気になる蜘蛛を観察したり、スマホでツイターなど見たりしていたが、2時間経っても背中が割れて出てくる気配はない。薄い水色の背中は盛り上がったが、力尽きたようだった。
猫に噛まれ、ストレスで羽化のエネルギーを消失したのだろう。哀れな姿だ。
盛り上がった背中から、雫が二つ!最後の命の宝石に見えた。
その後深夜前に行って見ると、小さな蟻たちが何匹か動き回っていた。そして偶然見上げたら、観葉植物の葉に羽化したばかりのクマゼミが身動きすることなくそこにいた。
小躍りした。以下の写真の説明は後程!
クマゼミは力を振り絞ってシークワーサーの葉先を求めた。
薄緑色の背中、遠くに月!
何と上を見上げたら羽化したクマゼミが〜!
羽化手前で力尽きた幼虫!