国際演劇コンテストで最高賞です!おめでとうございます!確か沖縄タイムスが記事にしてその作品とタイ、バンコクでのエントリーについて紹介していましたね。
現代演劇通の知人によると、この作品はいいです!と当初からメールが来ていました。確か20分バージョンは見ました。以前国立劇場おきなわの小劇場で上演した『異族兄弟』だったか、あの系列で政治性やアジアや南米のゲバラも脚本に入れ込んだスケールの大きい作品だったと記憶しています。
『ギ兄弟3 on 3』 帝国の片隅のスラム。朝露で鏡面のように輝く路上で3人の少年が半裸の体を激しく擦り合わせながらバスケットボールを奪い合っている~。キンジョー・キム・カネシロはすべてを分かち合い兄弟のよつに育ってきた。長じて3人は恋を奪い合い、戦場で敵対し、老残の果てまで骨がらみの三すくみ(さんすくみ、三竦み)となる。
以下は沖縄タイムス記事(2019年10月29日)を転載します。Yahoo記事でも紹介されていますね。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191029-00490379-okinawat-oki ←Yahooです!沖縄タイムス記事をUPしています。
「沖縄県出身の俳優3人による演劇ユニットUSUNDAY(ウサンデー)が11月1~17日開催されるタイ最大規模の舞台芸術フェスティバルバンコクシアターフェスティバル(BTF)に参加する。メンバーは神田青(かみだ・せい)さん(31)、福地涼さん(29)、朝海雅愛(ともみ・まさちか)さん(29)。「アジアでの活動は目標だった」という3人の公演は11月9、10日。タイの観客との共通点や相違点を通した反応や、交流を楽しみにしている。
2017年に「Hash Tag(ハッシュタグ)」名義で初演した「ギ兄弟3on 3」(パク・ファナム作・演出)を上演する。3人の少年の交錯し変化する関係を太平洋戦争を思わせる戦争などを背景に描く。タイに滞在経験があり、BTFの責任者に「突撃」して参加を決めた神田さんは「タイに持ってきたら、どうなるんだろうと期待感がある」と話す。
初演は上演時間は20分だった。朝海さんは「駆け足で、エネルギーはすごいけど、なにをやっているのか分からなかった、と言われた」と振り返る。初演はコンテストでの上演のため時間の制約があったが、今回は当初から脚本の想定している約45分の舞台になるという。
パクさんは「2年たって3人はうまくなっている。エネルギープラスアルファで何を届けられるかだ」と話す。福地は「演出がわくわくする。パクさんはエモい(感情を揺り動かすような)感じ」と信頼を寄せ「やっていて楽しい」と自信を見せる。
11月4日午後4時と8時に3人が「ホームタウン」と位置付ける那覇市松尾のわが街の小劇場でBTFのプレ公演がある。予約・問い合わせはメール、hashtag0330@gmail.com(沖縄タイムス記事:10月29日)
https://www.bangkoktheatrefest.com/gikyodai3on3 ← BTFで紹介されたチラシです!
https://www.bangkoktheatrefest.com/ ←BTFのサイト
GI KYODAI 3on3
(Brotherhood 3on3)
Movement
『units USANDAY』 ( JAPAN )
ณ สลัมใหญ่ใจกลางจักรวรรดิ เด็กสามคนเล่นบาสเก็ตบอลกันอยู่ ซึ่งวิถีชีวิตและความสัมพันธ์ของทั้งสามค่อยๆ เปลี่ยนไปเนื่องจากภัยสงคราม เป็นการแสดงที่ใช้การเคลื่อนไหวอันทรงพลังแต่อ่อนช้อยด้วยความรัก ผ่านการกำกับแนวตลกที่กล้าเล่นกล้าทำ
Dynamic body moving across all stages and delicate love expressed by comical and bold direction. In the middle of an empire's slum, the three boys playing basketball. The way of life and relationships of the three boys are gradually changing through war. Dynamic body moving and delicate love expressed by comical and bold direction.
9 November 2019 5:00 PM
10 November 2019 5:00 PM
45 Minutes
300 Baht
Reservations : เจน 099-4126415
( For English ) BOM 099-1521573
凱旋公演をぜひです!観たいです!
以下は以前書いた「異族兄弟」を観た後の批評(?)です。Okinawan Theater のデータは残っています。
異族兄弟
******************************* 「異族兄弟」再演!20010年1月9日、10日。とてもパワフルな再演は幕を下ろしました。いろいろと宿題(考え・吟味すること)を残してーー! パク・ファナム作・演出/出演:新垣晋也、内田周作、平田勝也、福永武史、
徐兄(朝鮮)、西壱(沖縄)、ちんちん(犬)、亜竜(日本)、母親の違う 異族兄弟、それぞれの人生の軌跡!演劇の女神に溺愛された役者たちが 巻き起こすアジア、日本、沖縄、世界の現在!父は誰?幻の父はどこ?4人 の兄弟は現代の鏡!父はついこの間のような戦争から現代にいたる歴史そ のものの擬人化だったのだ?(笫三回ゆみぬゆ演劇賞受賞!)
2007年12.15/16 三回公演 作・演出 パクファナム 照明 盛田わか葉 音響 福田昌也(脱力クラブバンド) 配役:除兄 内田周作 西壱 平田勝也 ちんちん 福永武史 亜竜 新垣晋也 **************** 意識が喚起される舞台は、謎解きにも似ている。 舞台の、劇場空間のすべてが謎解きのゲームになる。 福永の身体の筋肉(裸体)の美しさとその軽やかな 動き、確信犯的すり・痴漢の指の美しさに魅了される のもその一つで、演じる役者の身体の細かい動き 声音の陰影も含め、また動き回る身体から漏れ出る 息遣いの激しさや穏やかさも含め、目を凝らして見て 聞いている空間・時間が退屈ではなく、2時間半近く 快適に意識をくすぐられる場となったこと、それは 確かだった。しかも絶叫に近い台詞や、断食する新垣 の澄んだ声音など、台詞の一言一言を聞き漏らすまい と神経を集中させてもいた。 作者の意図は世界の提示は台詞にあり、それを乗せる 身体と共に、音響や音楽にもまたイメージはこめられ 役者の動きや小道具や衣装も共に、感性はどっとその 劇空間の記号に圧倒されていく。 読み解く、つまり記号を解いていく作業はある種の 知的なゲームである。そのゲーム(闘い)がある種の トータルな知的喚起力をもたらすとき、感動が起こる。 それでいて大いに笑える芝居だった!!パクさんの シニカルなアイロニーが散りばめられた台詞を4人の キャラクターが造形していく! 異族兄弟たち、その父親は誰か?その謎解きが一つ。 父親は様々な顔が見え隠れする。戦争と革命がその父親 の素顔なのかもしれない?? 今年中に原稿用紙10枚から20枚ほどの批評でも書き たいと思いつつ、脚本を二度読み、舞台を思い起こして いたりする。一応母親である役割を生きているゆえに 年末の雑事の中でPCの前に座してじっくり書き留めるこ とができないのである。それもあるし、また原稿30枚 ほどの論稿も1月10日までに送付しなければならない という年末・年始である。80歳の母は実家で一緒の年 越しを要望している。その中でどう思考をめぐらすこと ができると言うのか? 半ばあきらめに似た状況である。しかし、舞台を思い出す 度に、この間の脚本の中で最も完成度は高いのだというこ とが分かる。また舞台の面白さも含めて、やはり照屋京子 や田原俊之らの舞台への不満のありかが、そこに集約され ているような骨太の思索に喝采を送りたくなる。 沖縄の現代演劇は「人類館」以降、「カフェ・ライカム」 をへてこの領域に至ったという所か?かなり本を読んでいる パクさんのBOOKISHな謎解きにも似た手法(表現)はこの際、 綿密に分析してみたい衝動にかられている。大日本帝国の 爪痕がこのように東アジア圏内を視座に入れた舞台となった。 そして中米も含め、戦争と革命の名の下に虐げられる者たち の存在への視線、と完全なる平等を求めた破壊欲望が純な 心根と人間の限りない罪・穢れとまた背中合わせに紡がれて いくーーー。やはり時間をかけてパク・ファナムの思念と 向き合おう!!続くーーー。<12.30.07> ところで新報・タイムスの芸能担当記者のセンスはタイムス の真栄城さんの方が久場さんよりはるかによかった。お二人 とも劇構造に関してはまったく出鱈目だったけれど、つまり 舞台の始まりはサリンの毒牙をへて10年、すでに死んだ3人 の亡霊(兄弟たち)との出会いの場から始まるのである。 生き残ったのは捨て子だったちんちんのみだったのである。 ちんちんの団地の部屋に亡霊たちがやってきて兄弟たちは再開 し、物語は始まる。民族問題がテーマでもない!
国家・戦争・革命・宗教、東アジア大共栄圏・日本の過去の歴史
が捉え返されている。それは拉致問題も含め、南京大虐殺、
731部隊も含め、歴史・過去が現在に連なっていることを想起させる。 1月2日以来PCの前に座するのは今日からである。ゆえに十分 対象化できない。おそらく1月10日以降にイメージの中の舞台 と脚本をにらみながら批評を続けたい。沖縄の現代演劇事情は 三極に分かれたようだ! さて約束通り、「異族兄弟」に向き合わないといけない。 40枚ほどのすでに添付で送付した原稿の中身は編集長の手に委 ねられ、査読をへて掲載の結果が判明するまでの間時間がある。 知人は2月末から3月にかけて香港の芸術祭はどうかと、メールが きた。確かに演劇公演に気になる舞台がいくつかある。アジア の、混沌としたカオスの中にエネルギーが満ち溢れているよう に見える香港の舞台に興味はそそられているのは事実、、、。 さて? パクさんの舞台を思い起こしたい。記憶に台本が助太刀してく れる。厚い金属音と共にドアが閉じられた瞬間、あの世の地獄 の扉の音かと感じていた。包帯を巻いたちんちんが開いた世界 にあの世の住人となった兄弟たちが異形な扮装で待ち受けてい た。団地に向かうちんちんの携帯するラジオから流れ出る気象 情報はなんとかつてのアジア共栄圏を網羅するかのように遠く 満州から上海、北京、朝鮮半島を網羅している。気象アナウンス にこめられた世界の枠組みは巧妙に舞台のテーマと呼応してい ること、その作者の作為的なイメージの繰り出し方は見事とし かいいようがない。 10年ぶりの再開、兄弟はあの日を境に失われた日曜日を回帰して 行くのだが、彼ら異母兄弟にとって大きな位置を占めているのが 姿が見えないすでに死人の世界の住人となった父親である。 四人兄弟と強大なイメージの悪と善の権現の父のイメージは ドストエフスキーの「カラマーゾフ兄弟」のイメージと重なる。 父の悪徳と善意の巨大さ、の前に兄弟たちはその父の申し子で ある。 4人の父はかつては満州の馬賊の一味の大陸浪人気取りでシナの あちらこちらの革命や事変に首を突っ込み、やがて南進する日本 軍に紛れ込み、ルソン、レイテ、ニューギニア、プカプカ島と 渡り歩き、アメリカのスパイ、日本、ロシアのスパイと三重スパイ をやらかし、戦時中は燃え盛る沖縄の地獄を目撃し、復帰前の沖 縄で、コザ暴動の火付け役を演じた。日本帝国の領土は全アジア 規模で、あまねく日本国臣民だった。四人兄弟、朝鮮人のジョニー 沖縄人の西壱、日本人の亜竜、そして捨て子のちんちんがいる。 帝国はいたるところの女を孕ませて己の権勢を誇っていた。多くの 異母兄弟がいるのだ。帝国が生み出した兄弟たちの夢幻、嘘でも 幻の中にゲバラの民話も含まれる。 南アメリカで露と消えたゲバラはしかし、英雄の面影と共に残虐 性も隠しもっていた。4人の演じるエピソードは笑えてシリアス 過ぎた。紙袋をかぶったチンチンはやがて反革命の廉で殺される。 ゲーム感覚のメタ要素で笑わせる伝承は、4人の声音も異なり いかにも南米の百姓を彷彿させた。声のトーンもいかにもの雰囲気。 帝国軍人(四人の父)はアジア大共栄圏を股にかけて泳いでいた、 夢幻のように過去の幻影がちらつく。色即是空、この世のすべては 幻、ちんちんの幻たちはユニオンを喜ぶ。偉大なる残酷でヒュメイン な父の原像とは?4人の父親探しはこのドラマのトーンの基調低音 である。すなわちそれは己のアイデンティt-探しそのものに他 ならないからだ。日本帝国そのものが彼らの父!というメタファ が背後からせり出しているのだが、、、。 幻影の再会、それぞれが在りし日の面影を背負っているあの日、あの 日曜日の日常に戻る。空虚な写真を撮るポーズであの日に戻る。 <しなさきより> 12月 16日 日曜日 再び見た異族兄弟 再びコヨーテ・ピストルの芝居を見た。 福永と平田と新垣はリズムを壊していなかった。 内田さんは疲れが見え、気になった。 福永の声が明瞭に聞こえてきた。鍛えた身体の リズム、そこからにじみ出ることばはまさに水を 得た魚のように空を飛ぶ鳥のように劇場狭し と動き回った。 異族兄弟の父とは?父探しの果てに4人の兄弟たち は那覇市の久茂地駅に置かれたサリン・毒ガスで 死ぬ? エピソードの面白さ、道化のちんちんのユニークさ 朝鮮人のジョニー、日本人のアリュー、沖縄人のイ リッチそして孤児(万引き・痴漢確信犯)のちんちん、 この四人の織り成すドラマの背後に父親が大きな見え ない怪物のような姿で迫ってくる。 東アジア共同体?革命?夢か幻想か?現在への警告か? 滅びの現在?731部隊の正体?ブラーマン信仰宗教の なぞ?白い像の物語、挿入されたエピソードが面白い! それらはすべて現在のわれわれの日常にかぶさってくる 詳細は演劇時評にて、、、、、、。 --------------------------------------------------- 12月 15日 土曜日 異族兄弟 コヨーテピストルの異族兄弟は2時間半と長かったが 超良かった。若者たちも一緒に連れていった。 勉強疲れの私立校生は「よく分からなかったが スカッとしたね」と言い、高校生は「おれも演劇やろうかな」 と言った。二人にはサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』 を読むように言った。年が明けて16歳になる少年にはまさに ぴったりの小説だろう。帰りの車の中で物語の筋の解説を してあげた。一部時代錯誤的なところも感じるが、オーム 事件もあった。携帯電話が登場しないところなど、時代 設定がアナクロリズムの点もある。しかも沖縄のモノレール も登場する。その辺は差し置いても面白かった。 今年最も面白い問題提起型の舞台だ!!福永、新垣、内田、 平田は実に鮮やかに楽しげにこの触発的な舞台で演じていた。 英語のオリジナルは家にあるが、翻訳本がないので さっそくBOOKOFFに寄った。文庫本はなく単行本を買った。 800円。 それを紐解く。昔読んだ記憶をたどる。サリンジャーの名前 さえ記号にしてしまった。しかし台詞に出る『ライ麦畑ー」 はそれだけで心ときめくようなもの!パクさんは読書家だ。 彼自身の在日韓国人というアイデンティーが顔を見せるように なった。アジアとは?汎アジア性が問われている。 さて明日また同じ舞台を見ることにした。メサイアも沖縄芝居 でもなく、またこの「異族兄弟」を見たい!!