俳優協会事務局はプロデュースが弱いね!もっとアート・マネイジメントをしっかりしないとー。面白い芝居を見せる手段が問われるね。「走れトートーメー」は笑劇だが、仲田幸子さんの笑劇とも異なる。実話に基づいていると吉田妙子さんからお聞きした。走るトートーメーの理由が分かりやすい。トートーメーを追いかける人間模様がなるほどで、ユタの判事がまた現代的な装いなのだ。追いかけられるトートーメ―冥利の風刺劇だ。アケミ役の安次嶺正美さんが光っていた!初めての役柄だが、はじけていたね!またユタの高宮城実人ものっていた。軽業を見せるほどに演技への情熱が迫ってきた。新垣正弘さんなどは、以前から何度もやっている役柄で、スピード感があり、初めての議員役の具志さんも懸命に役になりきっていた。背景幕の一幕は少しリアリティーがあった方がいい。走る歩く電柱も面白い。33回忌の大騒動はユタがからみ、愛人とその息子がからみ、トートーメのウガンをすること、その一点でドラマが展開する。大手の詐欺集団にだまされる泡盛酒造の会長と選挙でその会長頼みの議員の滑稽さなど、うまく現在の世相を戯画化した面白さだね。妻、妾(愛人)その息子など、なるほどの絡みようで笑わせた。位牌が寺に預けられる時代でもある。トートーメーが大事にされる風習あっての味わいかもしれない。きわめて現代沖縄芝居だね。
舞踊喜歌劇の「豊年」も面白かった。若手の「豊年」もいいね!いつでも笑える歌舞劇である。でも自慢話が多く、語り芝居に見える。
宜野座の沖縄芝居劇団による「家庭円満菓子」も近代沖縄の風物詩だったね。嫁と姑の仲の悪さを取り持つ一芝居が面白かった。下男新川秀人の警察官の役も叔父さんの具志堅政彦さんもこなれた役柄で、聞かせて笑わせた。姑ウシの平良千恵子さんも息子正雄の知念勝三さんも、嫁ツル子の國吉次子さんも、ウチナーグチが歯切れよく、なかなか笑わせた。拍手!