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学生たちにYuval Noah Harariのスピーチを動画で視聴し、300語ほどの英文エッセイを書くことを課題にした。Human nature is evil.と言及したエッセイに返信して評価を送ったのだが、彼が丁寧にレスしてきた事に驚いた。善悪混交の人間性の複雑さへの思考の変化なのか~。
斎藤隆夫という稀有な反戦論者、日中戦争(支那事変)に対する根本的な疑問と批判をした 政治家が戦前に実在したことにも驚いた。学生は昨今のウクライナ情勢を見て色々考察した上で、斎藤隆夫にいたり付いたようだったが、漢文や候文に詳しく、歴史を極める志を高く持っている若者がどう彫り込んでいくのか、関心を持っている。
斎藤隆夫について全く知らなかった。こんな政治家が日本にいたのだ。戦前アメリカのイエール大学を卒業している。
https://makooma.exblog.jp/21105412/
斎藤隆夫の漢詩:
・吾が言は、即ち是れ万人の声
わがげんは、これすなわちばんにんのこえ
(私の言っていることは、皆が言っていることだ)
褒貶毀誉は、世評に委す
ほうへんきよは、せひょうにまかす
(誉めたりけなしたりは、世間に任せる)
請う看よ百年青史の上
こうみよひゃくねんせいしのうえ
(100年経って、歴史の上で見てくれ)
正邪曲直、自ずから分明
せいじゃきょくちょく、おのずからぶんみょう
(何が正しくて、何が間違っていたか
何が曲がって、何がまっすぐだったか
自然とわかるだろう)
-昭和15年3月 除名処分になった時残した漢詩
わがげんは、これすなわちばんにんのこえ
(私の言っていることは、皆が言っていることだ)
褒貶毀誉は、世評に委す
ほうへんきよは、せひょうにまかす
(誉めたりけなしたりは、世間に任せる)
請う看よ百年青史の上
こうみよひゃくねんせいしのうえ
(100年経って、歴史の上で見てくれ)
正邪曲直、自ずから分明
せいじゃきょくちょく、おのずからぶんみょう
(何が正しくて、何が間違っていたか
何が曲がって、何がまっすぐだったか
自然とわかるだろう)
-昭和15年3月 除名処分になった時残した漢詩
ロシアのウクライナ侵攻の正邪曲直も時の経過の中で分明するのだろうか。安易に正邪を断定することはできないということなのかもしれないが、敵、味方、多くの命を危害する行為が両者にあった事を踏まえてみて、内紛、侵略、戦争の背後に潜んでいるものの正体が何なのか。人間の観念(精神や意識)に巣食う恐怖感、怖れ、疑心暗鬼、怨念、誇り、復讐心、傲慢、貪欲、功名心、真理(実)の追求、絶望、希望、過去、未来への展望、破壊願望、殺戮、ユートピア、ディストピア、平和、安寧、夢、超越、永遠、不老不死、美、善悪、だけではなく、物理的に唯物論的に地球惑星と宇宙という壮大な対象へどう向き合うか、科学技術のあくなき探求が伴っている。そしてホモサピエンスとしての宿命がこの日常の中で、延々と続く。生み出されてきた社会システムがあり、その中で、どう過去、現在を見据え未来を作り上げていくのか、有限、無限の時間が流れているようだ。終末に向かうのか、あくまで可能性に向かうのか、未来はSFの小説や映像がすでに掠め取っているのか。現実の反映や影としてのSFなのか。マトリックスも~。仮想空間、実態として感じる現実と次元の異なる空間があり、曖昧模糊として生きているような感覚は何だろう。今小鳥たちがさえずっているこの現実。春の華やぎが身近に陽光の膨らみともにやってきたこのひとときに、ささいな安らぎはある。