(学舎の中庭からビルを見上げる、そこで君たちは住み、飛び交い愛を語らっている!)
昨日の帰り際、朝何時だったのだろう。朝10時過ぎだった。小雨の中、中庭も幾分潤んでいた。傘をさし君たちを追っていた。こんなところで君たちは住んでいるのだ。ここが住処だったのね。なぜか巣でも作ってあげたくなった。君たちの巣はむきだしのコンクリートの壁の小さな庇なんだね。そこで仲良く共生していたのだ。中庭からそして別の学舎のビルの屋上に止まる。あたりを見まわすようにいつも屋上階の隅にいる君がいる。そして一気に駆け下りてくる。駐車場のがじゅまるの樹の幹にだね。何となくわかってきた。君の正体がー。でも少しずつ分かってきたけど、やはり目が心が奪われている。しばらく君たちに首ったけだね。研究棟に籠っている間、だけでもなく、君たちは家の周りでも澄んだ鳴き声で存在感を十分示している。君たちが人工的な戦闘機やオスプレイやヘリよりはるかにいいことは確かだ。この静かなキャンパス、時に戦争の匂いのするヤクザな音に不安を掻き立てられるが、少なくとも、君たちがそこに何時でもいっしょにいる空間に感謝したい。
ビルの隙間を住処にする。そこは海沿いの崖と同じだね。確かにコンクリートの崖だね。
ビルの庇といえばいいのか、足場なのか、そこに君がいた。 7階のビル。アメリカやヨーロッパのゴシック建築の美観はない。牢獄のようにも見える灰色の学舎だね。大学の学舎が伝統的な色を出せないさびしさがそこにはいつでも漂っている。人工的な形だ。
中庭から上を見上げると君がいた。 トイレの小窓から下を見ると君が石の上にいた。
小窓から見下ろした光景。君は土の中の生き物を観察し、物色し、すばやく地面に降り立った。そこに君の餌が住んでいる。ミミズか昆虫の幼虫か?
君はいところに立ち、常に辺りを見下ろす。そこは君の縄張りだろうか?