授乳中のミーちゃんは目を細めて幸せに見える。子猫たちを平等に愛している姿は美しい。それぞれのケアーをしっかりやっている。すでに体重が500グラムを超えている子猫たち。子猫たちが大きくなるにつれてミーちゃんの食事の量もましている。
毎日の食の量が増えているのは当然だね。子猫たちは100グラムからその5倍になっている。授乳を終えた後の激しい呼吸は見られなくなった。ミーちゃんは日々のルーティーンに慣れてきて、子猫たちの成長を見守っている。しかし、何度も授乳を続け、5匹の子猫たちの世話をするのは結構重労働に違いない。
授乳をして風呂場のタイルの上で横になりぐっすり寝る。時に二階のベランダや誰も使っていない部屋やこちらの作業部屋のような雑然とした部屋も歩きまわている。次の子猫たちの住処を考えているのかもしれない。
ミーちゃんと5匹の子猫たち全員が一緒にこの家に住めないと思うけれど、ミーちゃんが母親として次のステージを考えていることは確かなのだ。なぜか痛みが走る。
時折外の世界への関心を示すのは無理はない。網戸越しに庭を見つめる。ミーちゃんの恋人の黒猫ちゃんは身近に住んでいて、時に茶色とグレーの交じった猫と戯れながら走り回っている姿を見かける。なぜか二匹が走っている姿を二回見かけた。いっしょに住んでいる雄猫だろうか。それともこの近所に住んでいるお友だち同士なのだろうか。意外と隣の家の飼い猫かもしれない。
昼間、表(路上)に猫さんたちはあまり出てこないのでよく分からないが、この界隈でも猫を飼っている家庭は多いのかもしれない。つい最近まで斜め向かいのUさんの所の猫は服を着ていて、よく空き地で見かけた。
ミーちゃんは親子6人の生活を夢見ているのだろうか。犬や猫を多頭飼いする人々の気持ちはなんとなくわかる気がする。親子一緒に仲良く過ごせる生活。しかし成長してそれぞれが別れていく時がくる。子猫ちゃんたちは2ヶ月間の授乳期間を終えたら離乳食に入るという。その時彼らは別々の生涯を送ることになるのだろう。心底愛してくれる里親を探さなければならない。