是非見てほしいと券が送られてきた。実はアメリカに留学中、1981年だったか、カンザス大学の劇場で宮城美能留先生御一行の『二童敵討』を見た。その時の二童は早苗さんと園美さんだったと記憶しているが、アンドゥル椿教授のお宅の歓迎会にも参加した。その時の写真をHPにUPしている。「思いでの写真」として!
その後新報記者だった岡田輝雄さんと那覇のど真ん中の市場近くの稽古場兼ご住宅にお邪魔したこともあった。83年にアメリカから戻ってからは、デパート三越横にあった「ジャンジャン」で組踊5番を見せていただいた。狭い劇場で熱い舞台が繰り広げられた。組踊の鮮烈さが迫ってきた時だった。
そしてすでに何度か【親あんまー】の舞台は宮城信治さんの演出も見せていただいたし、小渡和道さんが在番で演じた「HNKの歌と踊」の本番舞台も見た。
今回の『親あんまー』は小渡さんに代わって大田守邦さんだった。どことなく堅い表情の大田さんで、お二人の背丈の違いが美しくは見えてこなかった。この別れの愁嘆場を描いた男女の引き裂かれる絆の哀感は二人の男女の美、地謡の歌と踊りに表象される。だからこそ、かつて見た小渡和道さんと園美さんの美しさが思い出された。(小渡さん、また舞台に立ってあなただからこその芸の美しさを見せてください!犬太郎の美しさも伊良部トウガニーのあの若者の美しさも、尚徳の美しさも美は美として輝いている。小渡さんの美しさはこの沖縄芸能の中で超えられていない。それを生かす文化装置がないということが惜しまれる)
園美さんの「汀間当」は軽快で良かった。品のいい美しさが際立つ方である。諸屯や伊野波節など難しい女踊りを躍った。多くの女性舞踊家が挑む女踊りである。琉球舞踊の批評はあまり書かないし、書きたくない。私自身が踊りをたしなむなら書いていいかもしれないが、ただ創作舞踊に関しては創作の中で新たな舞踊の物語を創りたい、という思いは持っている。創作舞踊を新たに生み出したい。女踊りは踊る舞踊家の生涯が問われるような怖さを秘めていると言えようか。だからどなたの諸屯がよくて、どなたの伊野波節がいいと言えないし、言いたくない。園美さんの踊りに激しい情念の炎をもっと見たいとは感じた。ただ徹夜で論稿を書いた日で、劇場の中でうつらうつらしていたのも確かだったので、感想も書くべきではないかもしれないね。
沖縄芝居(琉球歌劇)にも挑戦され、いい評価を得ている園美さんの抑えたような美意識の中にあるものの奥をもっと見たいという気持ちにさせた。XXさんありがとう!【親あんまー】については去年マレーシアで研究発表したが、もう少し掘って、沖縄の「女の表象」についてまとめたいと考えている。
(写真はパンフの中に掲載された物ですが、二童の早苗さん園美さんとお父様の美能留さんですね。掲載に問題がありましたら削除はいつでも可能です!)
その後新報記者だった岡田輝雄さんと那覇のど真ん中の市場近くの稽古場兼ご住宅にお邪魔したこともあった。83年にアメリカから戻ってからは、デパート三越横にあった「ジャンジャン」で組踊5番を見せていただいた。狭い劇場で熱い舞台が繰り広げられた。組踊の鮮烈さが迫ってきた時だった。
そしてすでに何度か【親あんまー】の舞台は宮城信治さんの演出も見せていただいたし、小渡和道さんが在番で演じた「HNKの歌と踊」の本番舞台も見た。
今回の『親あんまー』は小渡さんに代わって大田守邦さんだった。どことなく堅い表情の大田さんで、お二人の背丈の違いが美しくは見えてこなかった。この別れの愁嘆場を描いた男女の引き裂かれる絆の哀感は二人の男女の美、地謡の歌と踊りに表象される。だからこそ、かつて見た小渡和道さんと園美さんの美しさが思い出された。(小渡さん、また舞台に立ってあなただからこその芸の美しさを見せてください!犬太郎の美しさも伊良部トウガニーのあの若者の美しさも、尚徳の美しさも美は美として輝いている。小渡さんの美しさはこの沖縄芸能の中で超えられていない。それを生かす文化装置がないということが惜しまれる)
園美さんの「汀間当」は軽快で良かった。品のいい美しさが際立つ方である。諸屯や伊野波節など難しい女踊りを躍った。多くの女性舞踊家が挑む女踊りである。琉球舞踊の批評はあまり書かないし、書きたくない。私自身が踊りをたしなむなら書いていいかもしれないが、ただ創作舞踊に関しては創作の中で新たな舞踊の物語を創りたい、という思いは持っている。創作舞踊を新たに生み出したい。女踊りは踊る舞踊家の生涯が問われるような怖さを秘めていると言えようか。だからどなたの諸屯がよくて、どなたの伊野波節がいいと言えないし、言いたくない。園美さんの踊りに激しい情念の炎をもっと見たいとは感じた。ただ徹夜で論稿を書いた日で、劇場の中でうつらうつらしていたのも確かだったので、感想も書くべきではないかもしれないね。
沖縄芝居(琉球歌劇)にも挑戦され、いい評価を得ている園美さんの抑えたような美意識の中にあるものの奥をもっと見たいという気持ちにさせた。XXさんありがとう!【親あんまー】については去年マレーシアで研究発表したが、もう少し掘って、沖縄の「女の表象」についてまとめたいと考えている。
(写真はパンフの中に掲載された物ですが、二童の早苗さん園美さんとお父様の美能留さんですね。掲載に問題がありましたら削除はいつでも可能です!)