志情(しなさき)の海へ

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「山の日」の休日もオンライン授業を入れた。その後は疲れてアマゾンプライムで映画(TVシリーズ)を観た!

2020-08-11 16:16:59 | 映画

9日、10日と続けて観た映画(ドラマ)は東野圭吾の『分身』と相場 英雄の『震える牛』(2012年)だが、結構面白かった。
人間クローンのテーマ「分身」と、牛のBSE(狂牛病)と食品偽装問題を扱ったサスペンス物語。社会的サスペンスで、7,8年前の社会的事象を扱っている。

『分身』(ぶんしん)は、東野圭吾推理小説1993年9月に集英社より刊行され、1996年9月に集英社文庫より文庫本が出版された。2012年に、WOWOW連続ドラマテレビドラマ化され放送された。←←←(ウィキピディアより)

クローンを扱っているのが新しい。一時、羊のクローンが世界を驚かしたのはいつだったのだろうか。クローンのドリー(Dolly)が世界中で話題になったのは1996年だ。世界初の哺乳類の多細胞クローンで、昨今はデザイナーベイビーも、ペットクローンもすでに誕生している。「分身」はクローン技術で生まれた二人の少女が自らの出自を求める物語。こんな事がひょっとしてありえないようでありえるように思える。実際に政治家が自らのクローンの息子を誕生させた設定になっている。クローンは身近に存在している。クローンの動物や植物が多い事実を見据えたい。クローン技術により、同じ遺伝的特徴を持つ子を人工的に生み出すことができる21世紀、実際に研究室(実験室)では何が?

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kagaku/klon98/index.htm←クローンって何?

 ドラマの中で瓜二つの二人の若い女性の人生の暗い影が描かれた。法的に認知されていない人間クローンであるゆえでもあるが、身近な家族に災いが起こった。しかし二人は自らの人生を歩んでいく~。←ある面ポジティブだが、グレーな領域であリ続ける。クローンを描いたノーベル賞作家・カズオ・イシグロがいた。

わたしを離さないで』(わたしをはなさないで、原題:Never Let Me Go)は、2005年発表のカズオ・イシグロによる長編小説である。日本語版は2006年4月に、土屋政雄の翻訳で早川書房から単行本が刊行され、2008年8月にハヤカワ文庫版が発刊された。(ウィキピディアより)

2010年マーク・ロマネク監督、キャリー・マリガンアンドリュー・ガーフィールドキーラ・ナイトレイ主演により映画化された。←←このバージョンは英語字幕付きでYouTubeで観た。『分身』は臓器移植のためだけに生かされる『Never Let Me Go』の小説とは異なる推理小説だが、クローンを主題にしたのはインパクトがあったに違いない。クローンは同じ人間だと東野圭吾は考えているのかもしれない。昨今、あれだけ話題になったクローンについて考えたこともなかったので、不思議に引き込まれたのは事実。しかし主人公の女性たちが彼女たちのDNAの基になった女性を訪ねた場面は、世間一般の感性を代表しているように思えた。「気悪い」という言葉。自分と全く同じ人間が二人眼の前にいると、鳥肌が立ったであろうと、推測できる。

「震える牛」のドラマを観ると大型スーパーが街の市場に取って代わった時代、BSEも大きな社会問題だった。食品偽装もまた大きな問題で、その後も確か問題になっていた。影像(ドラマ)を観たが食の現場(工場)の闇があぶり出されている。その食品偽装を追求する記者役を吹石一恵さんが素敵に演じていた。眼の演技がいい。佐野史郎さんは「分身」にも重要な役回りで、この「震える牛」でも裏(影)のある役(警視庁捜査一課課長。田川信一の上司)を演じている。警察物のストーリーは常に内部の葛藤が描かれる。そして個人と組織の対立も~。商店街を潰したオックスマートだが、滝沢文平役 小林薫(オックスマート取締役経営企画部長)が渋みがあり良かった。主役田川信一役、三上博史、(警視庁捜査一課継続捜査班刑事役)をはじめて観たがなかなかの個性派の役者のようだ。

ミートボックス八田富之社長が古田新太で、自ら開発したレシピで商品を生産しているとの触れ込みだが、いかにもヤクザとも絡む食品偽装の社長の雰囲気、逆に二枚目の社長で意外性を出したら面白かった。一時話題になったファーストフードのハンバーガーに牛肉以外のまがい物が混じっているとの噂もあったが、その時代の事だろうか。そのイメージが影像であからさまに映し出された感じがした。
 「日本では、2001年9月10日千葉県内で飼育されていた牛がBSE発症疑いであることが農林水産省から発表される。後にBSE発症が確定となり、日本もBSE牛が発生した地域となる。」(BSE:ウィキピディアより)
嘘や隠蔽が犯罪を引き起こす原因【要因】になっていることは、組織や社会の仕組みの中においてある種の必然性を持っているようだ。問題箇所、社会に害を及ぼしかねない出来事があり、それを素直に表に出すことによる痛みや損失の大きさもあろうけれど、内部の暗部は切開しないとさらに闇を深めていく構図がある様で、物語の筋立てにもう一捻りがあればと思う点は何だろう。今で言う内部告発者(whistleblower, inside informant)の存在は貴重だ。
どの組織でも自己保身のために嘘や隠蔽や偽善があるとは断定できないのかもしれない。人間が集団で営む場にはしかし、何らかの齟齬や間違いや確執、凄まじい見える見えない生存競争の原理が貫かれていないとも断定できない。透明性のある組織運営のためにしのぎを削ってより良き仕組みを社内法規も含め作り出す努力がなされているに違いないが、そこから漏れ出てくる物に眼を塞いではいけないのだ。

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震える牛』(ふるえるうし)は、相場英雄による推理小説

2012年1月31日小学館から刊行され、2013年5月8日に小学館文庫版が発刊された。BSE問題食品偽装問題を扱った社会派サスペンス。警視庁捜査一課継続捜査班の刑事が、事件発生から2年経っても未解決の「中野駅前居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。食品偽装問題を追う女性記者や、食品偽装を隠蔽しようとする企業と警察組織の攻防などを描く。発行部数は2013年12月の時点で28万部を超えている2013年6月には、WOWOW連続ドラマW枠でテレビドラマ化され放映された

相場 英雄(あいば ひでお、1967年9月18日 - )は、日本小説家経済ジャーナリスト新潟県三条市生まれ。
日本の旗 日本 新潟県三条市 職業 小説家・経済ジャーナリスト 活動期間 2005年 - ジャンル 経済小説推理小説 主な受賞歴 ダイヤモンド経済小説大賞(2005年) デビュー作 『デフォルト 債務不履行』 公式サイト 相場英雄の酩酊日記

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つぶやき:2つのドラマは面白かったけれど、どこかクローンもBSE(狂牛病)も食品偽装もすでに遠い昔の事柄のような気がしていたのはなぜだろう。コロナ禍がソーシャルウィールスのように今この社会を覆っている。マスクの群れ社会になってしまった現在の凄まじさがそれらを遠い物語にしているようだ。巨大なUFのようなマスクがこの地球惑星に覆いかぶさっているイメージに圧倒されている日々故か。

 


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