毎朝、ド―ベルマンを連れて鶴見川の土手を散歩した、ペダルを漕がなくてもトットッと走る、このイヌには、このくらいの運動が必要なんだろう。
盛り上がる肩の筋肉・黒光りする胴体、オトコ盛りのドベちゃん、ちゃんとした名前があるんだが、なんとなく「ドベちゃん」。
あたりのことは全く気にしない、「世界はオレのためにある」といった調子、ところが土手の右側に町工場があり、そこに一頭の秋田イヌ、大きな図体である。
頑丈なクサリに繋がれ地面にうずくまっていて、目だけは土手を見ている、そこを、颯爽とドベちゃんが行く、毎朝、これを見せつけられていた。
ドベちゃん、長いスラリとした脚、脚の付け根にあるモノが大きい、ご立派なのである、オスのイヌの審査では、ここが重要で、身体に埋もれているものはまずいらしい、ドベちゃんは、しっかりとぶら下がっている。
これを、毎朝見せつけられていた秋田イヌ、ストレスが溜まっていたようだ、
「オレのナワ張りを、ヒョコヒョコと通り過ぎやがって、今に、見ていろー」