右肩に、桜吹雪の刺青、金さんとは、妙に気が合った。
その頃は、大学院の修士課程に在籍、
「修士論文を書かなければいけない」
そこで、指導教授を選ぶ、当時、有名な教授に接見すると、ヘラヘラと笑って、
「私には どうも」
学部ではギリシャ悲劇が卒論だった、
『素養が ありませんね」
そんなもんかな、ところが、電機大学を卒業した院生が頼むと、なんと、
「最近の物理学は仏教に近づいています」
「・・・」
「微力ながらお手伝いさせていただきます」
その背景はなにか、この院生、教団の有力者の跡取り、
「なかなかじゃあないか」
ハマの下町には、こんなオトコはいない。