ここで、日本の古代を概観(がいかん)してみようか、この列島には、1万年の縄文時代があり、かなり高度な文化があった、しかし、文字がない、記録がない。
縄文の中期(BC3000〜BC2000頃)、八ヶ岳の山麓に花開いた文化の華麗さはどうであろう、この山塊の空気が、遠くオリンポスの山々にまでつながっているかのようだ。
ところで、「ハート型の顔の土偶」について、
「これほどの 作品はない」
「人類5000年 これだけの傑作は稀(まれ)である」
「あのピカソですら 終に ものにできなかったデフォルメの極致ではあるまいか」
しかし、この意見は、東大のセンセイではなく、国立博物館の館長のオピニオンでもなかった、そこにこそ、この国の文化の「ネジレ」と「かなしみ」が表れていると思う。