百貨店・スーパーなどで広く販売している「ゆめぴりか」は、タンパク質含有率7.4%以下が大半である。
その中で、差別化米・こだわり米の米卸「和穀の会」が、正規ルートでホクレンと取引している「ゆめぴりか」は、一般流通していないタンパク質含有率6.8%以下の「ゆめぴりか」である。
「ゆめぴりか」は08年に試験栽培を行い、当初は出荷の基準をタンパク質含有率6.8%以下としていた。
しかしJAグループ北海道は、2011年3月17日に、道産米の最高級ブランドと位置付ける「ゆめぴりか」の、出荷基準であるタンパク質の含有率を見直すことを決めました。
タンパク質とアミロース(でんぷんの一種)の値が低いほど軟らかく、粘りが出て美味しいとされている。
「ゆめぴりか」も、同含有率は低いほど美味しいとされている。
であるが、2009年産は6.8%以下、10年産は7.9%以下、11年産から7.4%以下に改めた。
見直し後の基準は10年産より厳しいものの、09年産より緩和されてしまった。
「ゆめぴりか」は他の品種に比べアミロースの含有率が低く、タンパク質の上限を09年産より引き上げても「十分な品質、食味が保てる」(ホクレン)と判断した。からだそうだ。
品種には、品種の良さが最大限に発揮できるタンパク質含有率と言うものはある。
しかし、それを言い切ってしまうと、適地不適地という問題が出てしまう。
さらに、敵地でも生産者のレベルによって、栽培できる出来ないという問題も出てしまう。
それらのバランスを、無理やり取ろうとすると、どうしても「ゆめぴりか」の平均点は下がる。
さらに、生産者直売によるタンパク質含有率を測っていない「ゆめぴりか」と、低品質「ゆめぴりか」の直売が足を引っ張り、「ゆめぴりか」のブランド力は、かなり落ち込んでしまっている。
正直言って、消費地で、ここまでブランド力が転落してしまうと、元のブランドイメージまで回復させることは、ほぼ不可能だろう。
ブランドを作り上げるにも、ブランドを守り維持するにも、全てはギリギリのルールが必要である。
それを、産地の都合で変えてしまったり、ルールを緩めてしまうと、まず数年で、ブランドは崩壊していく。
「ゆめぴりか」は、それを証明していると思う。
では、もう「ゆめぴりか」の復活は出来ないのだろうかというと、まだ「最後の切り札」が1つだけ残されている。
それが「高度クリーン栽培米 ゆめぴりか タンパク質含有率6.3%以下」。
これ以下にタンパク質含有率を下げてしまうと、ただ柔らかいだけで、胃もたれする食感となってしまう。
それでは、消費地の好みとしては最悪である。
「ゆめぴりか」としての特徴を残して、消費地が求めている安心と安全と、ハイレベルの品質を証明できる限界点。
それが、「高度クリーン栽培米 ゆめぴりか タンパク質含有率6.3%以下」。
今回、JA新すながわの「JA新すながわ特別栽培米生産組合」の1人だけが挑戦してくれていて、そのお米が、ついにスズノブにのみ入荷してくる。
ネットやディスカウント店などで「ゆめぴりか」を買って、「ゆめぴりか」に対して不信感を持ってしまった人は、もう一度だけ、この「ゆめひりか」を食べてもらいたいと思う。
デビューの時に「ゆめぴりか」が進もうとしていた、本当の「ゆめぴりか」。
それが、ついに入荷する。