MONAのフォト・ギャラリー

写楽・・話楽・・・な日々

蜘蛛が織りなす物語

2010-11-17 20:47:53 | 小さなおはなし

ギリシャの神々が 人間たちの生活と

深く結びついていた頃の お話です

ある町に アラクネという 

それはそれは 機織りの上手な少女がおりました

アラクネの天才的な技能から 生みだされた織り物は

譬えようもないほど 素晴らしいものでした

慢心したアラクネは 女神アテネと 機織りの腕を競う事になります

アラクネは 神々のスキャンダルをテーマに

次々と 今まで見た事もないほど 美しい作品を仕上げていきました

その織り物を見た人々は 思いました

女神アテナも アラクネには敵うまい 」 

アテナは 錘(つむ)を手に 夕暮れの丘に立ちました

バラ色に染まる雲 紫色から藍色に染まる空から 糸をつむぎます

やがて 空にかかる月の光から 金色の糸を

流れ星から 銀色の糸を つむぎました

こうして 織り上げた織物は 

神々がこの世界を創り上げた話が 描かれておりました

まるで 生きているかのような神々の姿や

不思議な光を帯びた 織物を前に

アラクネは自分の敗北を知り 自ら命を断ちます

女神アテネは 少女を哀れに思い 蜘蛛に姿を変え

もう一度 命を与えました

こうして 蜘蛛になったアラクネ

今でも 素晴らしい腕で 

糸を紡ぎ 織り続けているのです


***** 一年前に撮った写真です *****

コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする